10km以内の中距離通勤にオススメ! 信号の多い街乗りに向いたミニベロの特徴とは
タイヤの小さい自転車(小径車)=ミニベロが人気
2010年代に入るころから都心部では自転車人気が過熱しています。きっかけはプロロードレーサーの新城幸也選手と別府史之選手がツールドフランスに出場したことでしょうか。あるいは自転車漫画(『弱虫ペダル』など)がヒットしたからでしょうか。若い世代の男性を中心にロードバイク・クロスバイク人口が激増しています。
一方、女性人気が高いのは「電動アシスト付き自転車」と「ミニベロ」です。小さいお子さんがいて荷物も多いママ層には電動アシスト付きのママチャリ、自転車にもオシャレさを求める独身若年層はミニベロを買うケースが多いようです。
最近では非常に軽量な折り畳みミニベロや、電動アシスト付きのミニベロも販売されています。
サイクリングは身体にあまり負担をかけずにできる有酸素運動です。天候や時間を問わず乗れるエアロバイクもいいですが、自転車通勤を取り入れれば時間を有効活用しながら運動不足を解消し、ダイエットできます。
ミニベロはオシャレな見た目から想像できないほど走行性能の高い自転車です。スポーツ車には負けますが、電動アシストの付いていない一般的なママチャリよりは長距離を楽に走行できます。具体的には10km程度なら車体の軽いミニベロが有利です。
10km程度の中距離通勤にミニベロが向いている理由や、ミニベロで通勤する際に気を付けるべきことなどを解説します。
小回りが利くミニベロは街乗り向き♪
ミニベロとはタイヤの小さい自転車(小径車)です。見た目が非常にオシャレなのでよく誤解されていますが、実は走行性能は一般的なママチャリにひけを取りません。むしろ信号が多く頻繁にストップ&ゴーを繰り返す都市部では、ママチャリよりも乗りやすいくらいです。
タイヤが小さくても速度はママチャリ以上
成人女性用のママチャリは26~27インチタイヤが主流です。一方、ミニベロのタイヤは16~20インチ程度が主流です。16インチは幼稚園児、18~20インチは小学校低学年の子ども用自転車に使われているサイズです。
タイヤが小さいためゆっくりしか走れないと勘違いされがちですが、自転車の速度を決めるのはタイヤサイズではなくギヤ比です。一般的なママチャリよりもペダルに小さいギア、後輪に大きいギアが用いられているため、1漕ぎでも十分にタイヤが回転し、速度が出ます。
ちなみにママチャリの時速は12~18km/h程度、ミニベロの時速は20~25km/h程度といわれています(スポーツタイプのミニベロならもっと速度が出ます)。
またタイヤが小さいおかげでジャイロ効果が弱まり、速度のわりにハンドル操作が楽にできます。
漕ぎだし(スタート)が速い
ミニベロ最大のメリットは漕ぎだしに必要な力がとても小さく、それでいてトップスピードに達する時間が短いことです。
ギア比が同じなら、大きいタイヤより小さいタイヤの方が少ない力で動かすことができます。また同じ力で漕いだとき、小さいタイヤの方がよりたくさん回転します。つまり止まった状態から漕ぎ始める場合、ママチャリよりもスムーズに発進でき、素早く速度が上がるということです。
交通量と信号の多い都市部では小刻みに停車する必要があります。自転車では漕ぎだしに最も力を使うので、街中ではミニベロが真価を発揮します。
漕がないと進まない…
都市部では最強の乗り物のように思えるミニベロですが、残念ながら1点だけデメリットがあります。それは「漕ぎ続けないと進まない」ということです。
ママチャリなら思い切り漕いだ後や坂を下りた後は、何もしなくてもしばらくの間勝手に車体が進みます。しかし車輪の小さいミニベロは、タイヤの回転数に対して摩擦が大きく、惰性(慣性)で進める距離が少ないのです。
ペダルを漕ぎ続けるのは結構疲れるので、ミニベロは長距離走行には不向きです。10km以内の中距離ならママチャリより楽に早く通勤できます。10kmを超えると体力的に厳しくなると思います。~5kmはママチャリ、~10kmはミニベロ、~20kmはクロスバイク・ロードバイクの距離だと考えてください。
サドルとサスペンションを重視して
10km以上の通勤に不向きな理由はもう一つあります。タイヤが小さいせいで振動がダイレクトにサドルに伝わりやすいため、長距離になるとお尻が痛くなってしまう可能性が高いことです。
通勤用にミニベロを購入するなら、速度よりもサドルとサスペンションの性能が良い物を選びましょう。特に女性はお尻が大きいので、マウンテンバイク並みにクッション性が高いミニベロがオススメです。
どうしてもお尻の痛みが気になる場合は、サドルだけ別に購入することも考えてくださいね。
駐輪スペースを取らない! 折り畳みタイプは室内へ持ち込める
ミニベロの良さはストップ&ゴーの手軽さだけではありません。一般的なママチャリよりも車体が小さくて軽いので、持ち運びがしやすく駐輪スペースも取りません。
都市部では駐輪場所を確保するのが大変です。駅近くの駐輪場はたいてい埋まっていますし、駐輪スペースがない・少ない職場も多いでしょう。ミニベロは街乗り自転車の名に恥じず、ほんの少しの隙間に停めることができます。
通常のミニベロも(会社の許可があれば)室内に持ち込めるサイズですし、折り畳みタイプなら一輪車程度の大きさに収まるので実質駐輪スペースについて考える必要はありません。総重量も10~15kg程度なので、雨が降ってきたら専用バッグにしまって電車で持ち運ぶ(輪行する)ことも可能です。
最近は電動アシスト付きのミニベロも増えています。折り畳みかつ電動アシスト付きのミニベロもあります。さすがに重量は増えますが、電動アシストがあれば漕ぎ続ける時の労力が減らせるので、より気軽に自転車通勤ができます。
見た目もオシャレにダイエットできる!
ミニベロは都市部でこそ活躍する自転車です。10km以内の短距離~中距離なら、30分程度で目的地に到着できます。
朝晩30分ずつ、1日に合計1時間も自転車を漕げば確実に脂肪を燃焼させられます。これからの季節は紫外線が強くて気温も高くなるので屋外での運動には注意が必要ですが、毎日ミニベロで往復するのではなく、電車通勤と併用するのなら問題ないと思います。
太ももには人体の中で最も大きな筋肉があります。力を籠めすぎず、軽いペダルをクルクル漕ぐと、太ももから腰にかけての筋肉を効率よく動かせます。足首も引き締まりやすくなります。通勤に使う程度の運動量なら筋肉太りすることもないので安心です。
スカートでも乗れるようにフレームの形が工夫されているアイテムもあるので、見た目を損なうことなく運動量を増やせます。ミニベロ通勤はダイエットにオススメです。