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シンプルな暮らしを実現! 今からでもなれるミニマリストとは

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「ミニマリスト」や「シンプルな暮らし(シンプリスト)」に憧れる人は大勢います。整理整頓術の1つ「断捨離」とあわせて、雑誌やTVで特集されることも多いです。しかしミニマリストとシンプリストは本来別物です。あなたが本当に憧れている生活はどちらに当てはまるのでしょうか? 断捨離をはじめる前に、ミニマルライフとシンプルライフの違いを学びましょう!

この記事は、2019年10月16日に情報を更新しました。

シンプルな暮らしに憧れる人はますます増加

シンプルな寝室
引用元:https://jp.123rf.com/

「断捨離」や「ミニマリスト」が脚光を浴びはじめてからおよそ10年。スマホが普及したこともあって、現代の新しいライフスタイルとして広く定着しましたね。

21世紀はバブル期以前と違い、ものを持つことが豊かさの証ではなくなりました。持ち物を本当に好きなものだけに絞るシンプルな暮らしは、現代社会の価値観に合っています。

引っ越しや大掃除をきっかけに、「ミニマリストになってシンプルな生活を送ろう! 断捨離に挑戦しよう!」と決意する人は少なくありません。しかしミニマリストとシンプリストは似ているようで実は別物なのです。

掃除や片づけに取りかかる前にミニマリストとシンプリストの違いを知っておくことで、理想の生活に近づきやすくなります。この記事では主に、本来の意味の「ミニマリスト」についてご紹介します。

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「ミニマリスト」の意味が変化しつつある

ミニマリストという生き方・考え方は古くからありますが、海外で「ミニマリスト(minimalist)」という言葉がライフスタイルに用いられるようになったのは2010年代になってからのことです。日本では『新・片付け術「断捨離」』(著:やましたひでこ/2009年)の大ヒットを追うように広まりました。

現在の日本ではミニマルな暮らしとシンプルな暮らしは同じような意味で語られることが多くなりました。というのも「ミニマリスト」といってもすべての人がミニマルさを徹底的に追及するわけではありませんし、家族と暮らしていると完全なミニマリスト生活を送るのは難しいからです。

あなたが憧れているのはミニマリストですか? シンプリストですか? ミニマリストとシンプリストは似ているように感じますが、本来は別物です。ミニマリストとシンプリストの定義と違いを見ていきましょう。

ミニマリストとは?

アップルのデバイスとメモ帳
引用元:https://pixabay.com/ja/

「ミニマリズム(minimalism)」はミニマル(minimal)から作られた造語で、最小限主義と訳します。もとはソ連になる前のロシアで生まれた、芸術において装飾を極限まで減らす様式をさす言葉でした。

環境問題が深刻化するにつれ最小限の持ち物だけで暮らす人が増え始めました。スマホが普及しはじめた2010年ごろから、ライフスタイルに対してもミニマリズムやミニマリストという言葉が使われるようになりました。

最小限主義という言葉からわかるとおり、ミニマリストの目標は持ち物を極限まで減らすことです。ときどきニュースで取り上げられる、ほぼなにもない部屋で暮らしている人が本来の意味に近いでしょう。

ただし人によって「最小限」と感じる範囲が違うので、ミニマリストを名乗っていても他人から見ると持ち物が多いと感じられることもあります。あくまで本人が「これだけあれば生きていける」という状態を作ることが大切です。

シンプリストとは?

統一感のあるインテリア
引用元:https://pixabay.com/ja/

シンプリストとは、インテリアの統一感を追求する人のことです。ミニマリストが徹底的に不要なものを排除するのに対し、シンプリストは生活に不要なものをすべて捨てるわけではありません。

シンプリストが重視するのは調和や居心地の良さです。自分の気にいったものと長く使える高品質のものだけで身の回りを揃えます。インテリアに統一感があれば自然と見た目がシンプルになります。

たとえば素敵なテーブルやランプシェードは、生活に絶対必要なものではありません。ミニマリストにとっては断捨離対象ですが、シンプリストなら「インテリアに必要なもの」と判断するかもしれません。

もっといえば「布団か寝袋さえあれば寝られるからベッドを捨てる」のがミニマリストで、「部屋の雰囲気を壊さないベッドや寝具、クッションなどを探す・作る」のがシンプリストです。

ミニマリストに憧れている人の中には、本当はものが少な目のシンプリスト(シンプルな暮らし、丁寧な暮らし)に憧れている人も多いはずです。

断捨離とは?

ミニマリストが世界的ブームになる直前に日本では「断捨離」の流行がはじまりました。そのため断捨離好きとミニマリストが同一視されることが多いのですが、別物です。

断捨離とはヨガの「断行」「捨行」「離行」から生まれた考え方で、ものに執着するのをやめて身軽な人生を手にいれることが目的です。ただし現在では思想面よりも、ものの「捨て方」「片付け方」がクローズアップされ広まっています。

ミニマルな暮らしやシンプルな暮らしを目指して「断捨離する」と表現されるのはそのためです。

シンプルな暮らし≒ほどほどミニマリスト

断捨離ブームやミニマリストブームの最盛期には、ものを捨てすぎてかえって不便になったり、家族のものまで捨ててしまったりといったトラブルが相次ぎました。ミニマリストを目指した結果、逆にものを集めることが趣味だと気づいた人もいました。

生活に深く関わることですから、思想を貫くことよりも便利で快適な状態を作ることの方が大切です。結果的に現在では「ほどほどミニマリスト」や「シンプルな暮らしを目指すミニマリスト」など、ものを捨てすぎないミニマリズムの人気が高まっています。

ミニマリストの生活とは?

シンプルなインテリアデザイン
引用元:https://pixabay.com/ja/

一人暮らしの独身男性をのぞけば、厳密な意味でのミニマリスト生活を貫くのは難しいでしょう。だからこそミニマリストとシンプリストのいいとこどりしたような「ほどほどミニマリスト」「(ものを減らすことからはじめる)シンプルな暮らし」が流行しています。

つまりミニマリストとシンプリストのどちらを目指す場合でも、本来の意味のミニマリストの生活を知ることが近道になります。

以下にご紹介するのは、典型的で徹底しているミニマリストの生活です。

家電や家具は基本的に持たない

現代の便利な生活を支えているのはさまざまな家電です。毎年春になるとさまざまなメーカーから発売される「新生活応援セット」には、洗濯機・掃除機・冷蔵庫などが含まれていますよね。

ミニマリストは基本的に家電を持ちません。テレビや電子レンジ、アイロンなど、普通のひとでもなくても困らない家電はもちろん、冷蔵庫や洗濯機すら持たない人もいます。

スーパーやコンビニが近くにあれば冷蔵庫がなくてもすぐに食材を買ってこられますし、3食とも外食で済ませている人もいます。コインランドリーを利用すれば洗濯機も不要です。一般的に必要な家電も持たないミニマリストは多少お金がかかっても、無駄のない生活を送ることに重きを置いているのです。

ミニマルな生活をつきつめると家具も不要になります。置くものがないからです。持ち物はクローゼットや旅行鞄におさまる量に抑えれば、収納家具はいりませんよね。また寝具さえあればベッドは不要と考える人もいます。

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限られた服・靴を着まわす

ミニマリストは服と靴も必要最低限の数しか持っていません。全シーズンあわせてクローゼットの一部におさまる量かシーズンごとに(のべ)5~7着程度、靴は前シーズンあわせて3~6足程度と決めている人が多いです。

ファッション誌に載っている「着回しコーデ」をもっと実用的にしたものをイメージしてください。シンプルでベーシックな色やデザインを選べば、少ない枚数で違和感のないコーディネイトができます。あらかじめ平日5日分の服装を決めておくことで朝に悩む時間を減らせます。

服・靴の減らし方には2タイプあります。「必要なものを必要なときに買い足し、買った分と同じだけ捨てる」タイプと、「高品質のアイテムを手入れして長く着る」タイプです。

最近はミニマリスト以外でも、プチプラブランドのアイテムを1シーズンで着潰す人が増えています。ものを増やさずにファッショントレンドを追えるので、若い女性や子持ちの親御さんに多い考え方です。

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PC・スマホ・タブレットを有効活用

映画鑑賞や読書、ゲームなどが趣味だとなかなかものを減らすのが難しいですよね。しかしミニマルな生活は無理かというとそんなことはありません。

2010年代にはスマホやタブレットが広く一般に普及し、さまざまなコンテンツがネット配信されるようになりました。Amazon Kindleで電子書籍を購入したり、iTunes Storeで楽曲を購入したりといったことは今や当たり前に行われています。

とくにスマホの性能や容量が向上した10年代後半には、サブスクリプションサービス(定額制で利用できるネット配信サービス)も登場しました。Netflixやdマガジンなどが代表です。

物理的なコレクションにこだわりがないのなら、電子版に移行することでものを減らすことができます。筆者も紙のほうが見やすい大判本以外はすべて電子書籍に移行しました。

どうしてもこれまでに買ったものを手放したくない人は無理しなくてもかまいません。コレクションを捨てたくないけれどミニマルライフを送りたいとお悩みなら、コレクションの預かりサービスを利用したりトランクルームを借りたりするのもひとつの手段です。

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ミニマリストのメリット

ミニマリストの部屋
引用元:http://minimarisuto.jp/

ミニマリストやシンプルな暮らし、断捨離が一過性のブームではなくここまで広く定着し、どの程度実践しているかはともかく、ミニマリストに憧れる人が大勢いるのはなぜなのでしょうか?

ミニマリストのメリットを見ていきましょう。

ミニマリストのメリット①:節約できる

ミニマリストに憧れる人やミニマルな生活を実行している人の中には「節約」が第一目的だという人も少なくありません。日本の経済は衰退期に突入しつつあります。年金2,000万円不足問題や消費税増税など、悪いニュースが続いています。

なにも買えない貧乏人が「自分はミニマリストだ」と強がっているだけ、などと悪口をいう人もいます。しかしある面ではこの意見も正しいのです。ミニマリズムの根底には(物質的な豊さに基づいた)見栄をはるのをやめようという考え方があるからです。

徹底したミニマリスト生活にはお金がかかりますが、ほどほどのミニマリスト生活なら節約につながります。

ものを増やすということはお金を使うということです。ものを減らした状態を維持すれば、無駄遣いは自然と減ります。また持ち物が減らせれば、いまより狭くて家賃の安い部屋に引っ越すこともできます。

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ミニマリストのメリット②:掃除が楽になる

ロボット掃除機(ルンバなど)を買うと、床にものを置かない癖がつき、結果的に部屋がきれいになるとよく言われますよね。ミニマリスト生活も同じで、室内に置くものが減るほど掃除が行き届きやすくなります。

大型家具の下や小物の上は埃が溜まりやすい場所です。これらのものが少なければ目に見えるフラットな面が増えます。気づいたときにお掃除シート(クイックルなど)やコロコロをかけるだけで、美しい部屋を維持できるようになります。

カーペットやファブリック素材を減らすことは、ハウスダストやダニアレルギーの軽減にも効果があります。もちろん花粉症シーズンも安心です。

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ミニマリストのメリット③:心にゆとりが生まれる

SNSで見知らぬ大勢と気軽につながれるようになった結果、生活レベル以上に見栄をはる人が増えました。インスタ映えを重視するあまりものの扱いが雑になり、インスタ蠅というネットスラングも登場しました。

ほどほどのミニマリストになるということは、物質的豊かさを競うマウンティング合戦からおりるということです。誰とも比較しない生活は楽ですよ。

ミニマリストのデメリット

シンプルなダイニングキッチン
引用元:https://pixabay.com/ja/

メリットばかり強調されがちなミニマリスト生活ですが、上でも述べた通り「貧乏人の強がり」と笑われたり、自分以外の人(家族など)にもものを持たない生活の強要が問題になったりと、けしていいことばかりではありません。

心がけ次第で回避できることが多いですが、ミニマリストのデメリットも紹介しておきます。

ミニマリストのデメリット①:災害時の備蓄が少ない

日本は災害の多い国です。災害への備えは怠るべきではありません。

非常用持ち出し袋を持って逃げなくてはいけないほどの災害なら、一般の人もミニマリストも関係ありません。むしろものが少ないミニマリストの方が、室内で怪我をする危険性は低いでしょう。

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しかし避難するほどではない被災状況の場合は、自宅に備蓄がどれだけあるかが重要になります。たとえば冷蔵庫を持たず外食に頼る生活を送っている人は物流がストップすると困ります。また必要なときに必要なものを買うスタイルの人も、突然の災害には対応が難しいでしょう。

水と食料に関しては、2~3日分は生き延びられる量を用意しておきたいですね。

ミニマリストのデメリット②:やりすぎがトラブルの原因に

ミニマリスト生活が板についてくると他人の持ち物の多さが気になるようになります。一人暮らしなら見ないふりをすればいいのですが、家族と一緒に生活していると「なぜ自分だけが頑張っているのだろう」「なぜ他の人は協力してくれないのだろう」と思ってしまうこともあります。

我慢しきれずに家族の持ち物を勝手に処分してしまい、トラブルになるケースは少なくありません。

いくら家族といっても自分とは違う他人です。自分とは違う考え方を持っていて、自分とは違うものを大切にしていることを忘れないようにしてください。どうしてもものの多さが気になるならまずは相談しましょう。「捨てたい」と希望しているのは、ミニマリスト側だということもよく覚えておくべきです。

ミニマリストのデメリット③:心のゆとりが失われる場合も

メリットの1つに「心にゆとりが生まれる」と書きましたが、行きすぎると真逆の精神状態に陥る可能性があります。

最小限や最低限の持ち物というのは人によって違います。たとえば3食とも外食で済ませる人には不要でも、自炊をする人には調理器具は必要です。寝袋があれば毎日快眠できる人もいれば、身体にあったマットレスがないと寝つきが悪くなる人もいます。

「ミニマリスト」であることにこだわりすぎると、生活が極端に不自由になり、自然とストレスが溜まっていきます。無理なダイエットが続かないように、ミニマリスト生活も無理が過ぎればいずれ反動がくるかもしれません。修行ではないのですから、”ほどほど”が肝心です。

ミニマリストには向き不向きがある?

ミニマリストの部屋
引用元:http://ddnavi.com/news/312351/a/

2009年にはじまった断捨離ブーム、2010年にはじまったミニマリストブームが日本で最盛期を迎えたのは2015年のことです。ミニマリストへの密着取材番組もたくさん放映されました。

中でもとある家族(夫婦・子供2人)の生活が話題になりました。小中学生の子供の勉強机や遊び道具まで処分されていたことが特に問題視されました。家族の持ち物を勝手に処分するトラブルが多発したこともあって、トレンドは徹底したミニマリストからほどほどミニマリストに変わっていきました。

同時にミニマリスト(あるいはシンプリスト)にも向き不向きがあることも知られるようになりました。

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ミニマリストに向いている人の特徴

ミニマリストに向いているのは、もともと物欲・所有欲が薄い人や、仕事や趣味に物理的なものがあまり必要ない人です。

上でも解説しましたが、PCやスマホを活用するとうまくものを減らすことができます。わかりやすい例が本で、スマホの容量にもよりますが何百冊、何千冊という本をデータとして持ち歩くことができます。

ガジェットに強い人は、スケジュール管理や電子決済もスマホ1つで済ませられます。ポイントカードもスマホアプリで置き換えられるので、バッグの中身が軽くなりますね。

また服装規定がゆるい会社に勤めている人や、逆に制服が定められている人もファッションアイテムを断捨離しやすいでしょう。

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ミニマリストに向いていない人の特徴

ミニマリストに向いていないのは、物欲・所有欲が強い人や、物理的なものが大量に必要な趣味を持っている人です。

電子書籍や動画・音楽のネット配信サービスは便利ですが、そもそも本やソフトを集めること自体が楽しみだという人もいます。日本人は全体的に物理的コレクションが好きな傾向にあるようで、CDが売れるのは日本くらいだと言われています(もちろん握手券商法が大きな原因だとは思いますが……)。

コスメやアクセサリー、小物や特定のグッズを集めている人も多いはずです。最近はセボンスターやシルバニアファミリーが大人の女性にも流行っています。子供のころに欲しかったけれど我慢していたものを、大人の経済力で購入するというわけです。

このようなコレクション趣味がある人は、せっかく集めたものを処分すると後悔する可能性が高いです。自覚しているよりも集めたものに愛着があって、断捨離後しばらく経ってから気分が落ち込んでしまうこともあります。

料理やメイク、ファッションが好きな人も、楽しみが減るから捨てるわけにはいきません。ハンドメイドやDIY好きの人も材料がないと作業がはじまりません。一般的に「つくる」ことが趣味のひとは、ミニマリストには向いていません。

趣味のものは処分できないけどミニマルでシンプルな生活に憧れる人は、収納法を工夫することで見た目上はシンプルな部屋作りが可能です。断捨離と同時に整理整頓法を見直しましょう。

ミニマル・シンプル、目指すのはどちらか考えよう

ミニマリストの部屋
引用元:http://sozoen.com/yuichiro/ミニマリスト

ミニマリズムは必要最小限を追求し、シンプリズムは持ち物やインテリアの統一感を追求します。よく混同されますがものを減らすときに、ミニマリストは必要かどうかで判断し、ミニマリストは手元に置いておきたいくらい好きかどうかで判断するという違いがあります。

現在の日本では一部の徹底している人をのぞき、ミニマリストの大半はシンプリスト寄りの生活を送っています。断捨離でほどよくものを捨て、シンプルな暮らしを送る人のことをミニマリストと呼ぶことも多いです。

ミニマリストを目指す人は一念発起して断捨離に励む前に、いまいちど本当に憧れている生活や考え方は「ミニマル」「シンプル」のどちらなのかを考えてみてください。もちろん明らかに不必要なものを処分しながら方向性を決めても構いませんが、家電や家具、コレクション類を処分するのは後回しにしましょう。

いずれにしても、あなた自身が快適に暮らせる生活が一番大切です。ミニマリストやシンプリストという言葉にとらわれすぎず、自分の価値観にあったミニマルライフ・シンプルライフを目指してくださいね!

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VENGA編集部
VENGA編集部です。コンプレックスを持つ女性に寄り添う記事をお届けします。

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