貯金0の人が増えている! 年代別・20代~40代の貯蓄額平均値と中央値とは
はじめに
景気は回復傾向にあると言われていますが、実際に好景気の恩恵を受けている人がどの程度いるのかはわかりません。確かに2018年の春闘ではのきなみベア(給与ベースアップ)と報道されましたし、空前の人手不足ともいわれています。
格差が広がった現在、若年層の給与水準が低すぎることが問題になっています。1人暮らしよりも2人以上で暮らした方が生活費が節約できるとわかっていても、収入が低すぎて婚活市場に踏み出せないという矛盾も発生しています。
もっと貯金したいという思いは、独身派も結婚(予定)派も同じでしょう。効率のよい貯金法を知る前に、世代別の貯金額の平均値と中央値をみていきたいと思います。
平均値と中央値の違い
2017年の調査結果では、貯蓄のあるすべての世帯の貯蓄額の平均値は1729万円、中央値は1000万円だそうです。年功序列で収入が上がっていた世代が含まれているとはいえ、かなり多く感じませんか?
この調査には、貯蓄が0の人が含まれていません。また「世帯」でカウントしているので、共働き世帯は2人分がまとめて計算されます。
また平均値と中央値の差も気になりますね。平均値は文字通り、調査対象すべての平均を取った値です。それに対し、中央値は極端な数値の人をのぞいた平均値です。この場合極端に低い人(貯蓄0の人)はそもそも対象外なので、資産が極端に多い人が除外されています。実態に沿っているのは「中央値」というわけです。
さらに、この調査では除外されている「貯蓄0」世帯は、2人以上世帯で32%、単身(独身)世帯では41%も存在します。貯金0世帯を含めた貯蓄額の平均値は1151万円、中央値は380万円。若いほど独身者が多いので、貯蓄0の人も増えるのは当然ですが、数字を見ると想像以上に格差が広がっていることがわかりますね。
20代の平均値と中央値
20代の場合
2人以上世帯:平均値321万円、中央値77万円、貯蓄0率35.6%
単身世帯:平均値142万円、中央値0万円、貯蓄0率61%
まだまだ独身の割合が高い20代。単身世帯の中央値が貯蓄0円というのは驚きですが、生活だけで精一杯の人が多いことを考えると仕方ないことかもしれません。
20代で結婚できる人はそもそも収入の多い人であることを考慮すべきです。またたとえ正社員であっても、奨学金の返済に追われている人もかなりの割合にのぼることを忘れるべきではありません。
ただし、結婚後、妊娠した場合一時的に世帯収入が下がるので、単身者の方が貯蓄しやすい環境にはあるといえます。
30代の平均値と中央値
30代の場合
2人以上世帯:平均値470万円、中央値200万円、貯蓄0率33.7%
単身世帯:平均値589万円、中央値83万円、貯蓄0率40.4%
平均初婚年齢は30歳前後です。結婚・出産・育児などのイベントが続く2人以上世帯は貯蓄の平均額が単身世帯を下回ります。逆に独身者(単身世帯)は出費の多いイベントがないため、コンスタントに貯め続けている人の貯蓄額は増え始めます。
ただし単身世帯の中央値は83万円。そもそも収入や貯蓄額が低すぎて結婚ができない人も多いのです。非正規雇用者の生涯未婚率は高く、30代から徐々に格差が拡大していくのがわかります。
40代の平均値と中央値
40代の場合
2人以上世帯:平均値643万円、中央値220万円、貯蓄0率33.7%
単身世帯:平均値963万円、中央値30万年、貯蓄0率45.9%
相変わらず単身世帯(独身者)で貯金している人は、どんどん額が増えていきます。その一方で貯蓄がない単身者も半分近くいます。30代よりも貯蓄0の割合が上がっているのは、病気や失業、介護などさまざまな事情があるからでしょう。
子育て中は貯蓄が難しいため、2人以上世帯の貯蓄額は低めですが、極端な資産家も貧困者も少ない印象です。独身組の格差はますます拡大していきます。
まとめ
いかがでしたか? 皆さんは中央値に届いていますか? VENGA読者世代(20代~30代)ならまだまだ挽回できます。焦って働きすぎて、身体を壊しては元も子もありません。健康を維持しつつ中央値を目指しましょう。中央値を超えている人も人生なにがあるかわからないので、引き続きがんばってくださいね。