お尻のニキビや粉瘤(アテローム)は痛い! 意外な原因と対処法とは
※このページは2019年9月27日に更新されました。
悩む人は多い! お尻にニキビができる原因とは?
ニキビは顔やその周囲にできることが多いのですが、実は全身どこにでもできる可能性があります。なぜなら、ニキビはアクネ菌が汚れた毛穴の中で増殖することで起きる炎症だからです。
理屈はわかっていても、お尻にニキビができるとショックですよね……。背中や胸元よりも恥ずかしいうえに、顔にできるニキビと比べるととても酷く痛みます。
でもあまり落ち込む必要はありません。もともとお尻はニキビができやすい部位なのです。服で完全に隠れるから他人にはわからないだけで、お尻ニキビに悩んでいる人はあなた以外にも大勢います。
そもそもなぜお尻はニキビができやすいのでしょうか?
お尻ニキビの原因①:蒸れ
お尻はとても蒸れやすい部位です。お尻の谷間や股間部、太ももの付け根など汗をかきやすいポイントが多いうえ、常に下着で覆われているからです。しかも他の部位と違って、汗をかいてもすぐに拭くことはできません。靴の中やブラのワイヤー部分が蒸れやすいのと同じですね。
ほとんどの女性用下着はお尻にぴったりフィットするように作られています。素材にも通気性の悪いポリエステル繊維が多用されています。さらに生理やおりもの対策のナプキンが蒸れを悪化させます。デリケートゾーン用の軟膏を愛用している方も多いはずです。
下着やナプキン、ボトムスだけではなく、椅子の座面との密着もお尻を蒸れさせる大きな原因です。つまりデスクワークが多い方ほどお尻が蒸れやすくなるということです。近年では、通気性のいいチェアークッションの人気が高まっています。
お尻ニキビの原因②:圧迫
座っているとき、体重のほとんどがお尻にかかります。長時間圧迫が続くと血行が悪くなってしまいます。すると老廃物の排出も滞り、アクネ菌が繁殖しやすい状況ができあがります。
過度な下着のしめつけも、お尻を圧迫しすぎる原因になります。ボディメイクのために補正下着を愛用している方は特にしめつけすぎに注意が必要です。下着を購入するときは小さすぎるものは避け、自分の身体にほどよくフィットするサイズを選びましょう。
お尻ニキビの原因③:摩擦
お尻はほとんど一日中下着の布地と触れています。常に摩擦や刺激に晒されているといっても過言ではありません。
しかもお尻は乾燥しやすいのです。蒸れやすいという特徴と矛盾すると思われるかもしれませんが、汗が乾かないとより多くの汗が出るので、お尻の肌細胞は水分不足に陥りやすいのです。
腕や足ほど保湿ケアに気を遣わない部位なので、気づかないうちに乾燥が進んでいる可能性は高いです。摩擦のダメージによって角質層が分厚くなると、毛穴が小さくなり、毛穴詰まりを起こしやすくなります。
ここまでお尻特有の事情をあげましたが、他のニキビと同じく、生活習慣の乱れやストレスも原因になります。
お尻のニキビの予防法とは?
ニキビは一度できると完治まで時間がかかります。特にお尻は上で解説したように、原因を完全に取り除くのが難しい部位です。なので、しっかり予防することが重要です。
お尻ニキビの予防法①:通気性がよくしめつけない下着に変える
デリケートゾーンの蒸れがお尻全体に広がってしまうのは、ほとんど一日中ぴったりとした下着に覆われているからです。条件が近い足は、はだしで過ごす時間を増やしたり、通気性のいい靴に履き替えたりすることで蒸れを防げます。
同様にお尻も、通気性のいい素材でできたしめつけの弱い下着に変えることである程度蒸れを防げます。最近は女性用下着もバリエーションが増え、ボクサータイプや女性用トランクスも販売されています。
生理中などナプキンをつける場合も、コットンなど通気性のいい下着を選ぶようにしましょう。デリケートゾーンの痒みや臭いも減らせます。
Tバックは蒸れの軽減には効果がありますが、露出している部分がボトムスと直接触れるため注意が必要です。ボトムスの素材やお肌の状態によっては逆効果になる可能性もあります。
また通気性のいい椅子や、通気性を改善するクッションを購入するのもいいですね。
お尻ニキビの予防法②:お尻への圧迫を減らす
座る時間が長いということは、お尻に体重をかけて圧迫する時間が長いということです。
デスクワーク中心の職業では、勤務時間の大半を椅子に座って過ごすことも珍しくありません。帰宅後の生活もあわせると、起きている間はほぼ座っているという方も多いと思います。
圧迫がよくないのは血行不良を引き起こすからです。座る時間を減らすのは難しいかもしれませんが、こまめに小休憩を挟むことで、血行を改善することは可能です。
長時間座りっぱなしの生活は、全身に悪影響を与えます。健康を保ち、脳を活性化させるためにも、意識して座席から立つ用事を作り、定期的に体操やストレッチを行いましょう。
早めの対処が肝心! お尻のニキビの治し方
予防対策に力を入れていてもニキビを完全に防ぐことはできません。お尻という部位の性質上、お尻ニキビは一度できたら治すのに時間がかかります。繰り返しできることもありますし、なにより座ると強く痛みます。
お尻にニキビができたら、できる限り早いうちに治しましょう。見えないからといって放置すると長引く可能性が高いです。
お尻ニキビの治し方①:下着や服装を見直す
予防法と同じですが、まずは下着や服装を見直しましょう。通気性の良さと肌ざわりの良さ(刺激の少なさ)を基準に選んでください。
最近はユニクロなどのファストファッションブランドで、数枚セットのコットン下着が安く販売されています。デザインは地味なものが多いですが履き心地はなかなかのものです。軟膏がついても惜しくない値段というのもポイントが高いです。
お尻ニキビの治し方②:入浴後の保湿を徹底する
ニキビや肌荒れを改善するには、清潔さを保つと同時に保湿を徹底することが大切です。肌細胞が充分に潤っていれば、ちょっとくらいの刺激には負けません。炎症を起こしてもすぐに回復できます。
できたばかりの小さいニキビなら、蒸れを改善し、保湿に努めるだけで治せるかもしれません。ただし、保湿する際に患部を触りすぎないように気を付けてくださいね。
お尻ニキビの治し方③:生活習慣を整える
ニキビ体質ではない方や身体にはニキビができないタイプの方に、急にお尻ニキビができた場合は、身体が不調を訴えているのかもしれません。偏った食生活、睡眠不足、ストレスなどはホルモンバランスを乱す大きな原因です。
お尻ニキビの炎症を鎮めると同時に、生活習慣を整えてお肌そのものの防御力と回復力を高めましょう。逆に生活習慣を改善しないと、いつまでもニキビが治らない場合もあります。
お尻ニキビの治し方④:市販薬やビタミン剤を使う
他の部位に比べ、お尻のニキビは強く痛みます。座ったときに椅子や床に接する部分は、痛いだけでなく、ニキビが潰れることもあります。
ニキビができにくい肌環境を作ると同時に、薬の力を借りて一気に治したいところです。外からのアプローチはニキビ用の軟膏、体内からのアプローチはビタミンCの錠剤がオススメです。
お尻ニキビの治し方⑤:皮膚科を受診する
自分でできることをすべて試してもニキビが治るとは限りません。むしろ悪化してしまうこともありますし、痛みや膿がひどすぎて手に負えないこともあります。いったん治っても繰り返すケースも困りますよね……。
自力で治せそうにない場合や一刻も早く治したい場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。適切な処置やアドバイスを受けられます。またニキビ以外の病気・症状が隠れている可能性もあります。
お尻ニキビではなく粉瘤(アテローム)の可能性もある!
ニキビと似た皮膚の症状のひとつが「粉瘤(ふんりゅう、アテローム)」です。お肌のターンオーバーで入れ替わらない真皮部分に老廃物の塊ができる症状で、触れるとコリコリしています。
普段は痛まないので粉瘤があることに気付かない方も多いのですが、なんらかのきっかけで炎症を起こすとニキビと同じように痛みはじめます。毛穴の炎症であるニキビと違って、粉瘤は皮膚の内部にできるので、雑菌や膿を自力で排出できません。
何度も繰り返すニキビは粉瘤かもしれません。炎症を起こした粉瘤を完治させるためには、粉瘤そのものを取り除く必要があります。手術はとても簡単なので、皮膚科や形成外科で相談してみてください。
早めの治療が、ニキビ跡や黒ずみ対策につながる
お尻もニキビができやすい部位ですが、他の部位と違って原因を完全に取り除くのが難しいという特徴があります。そのため一度ニキビができてしまうと治すのに時間がかかったり、酷く痛んだりします。
ニキビを潰してしまうと跡が残る可能性があります。また繰り返し炎症を起こした毛穴は黒ずみやすく、ブツブツになってしまいます。炎症がきっかけで色素沈着が起こることもあります。
お尻のニキビは、なるべくできないよう予防することと、できてしまったら早めに治すことが肝心です。美尻キープのためにもお尻ニキビは積極的に治しましょう!