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ストレスはダイエットの大敵! ストレスホルモン「コルチゾール」のせいでデブ体質に!?

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ストレス太りという言葉があります。ストレスを受けると太るタイプと痩せるタイプがいますが、ストレスを受けたとき、一般的にヒトの身体は太りやすい状態に陥ります。すぐにストレスを取り除けない場合、長期間にわたって太りやすい状態を改善できません。痩せ体質を取り戻すためにも、心身にこれ以上ダメージをためないためにも、ストレスを解消することが大切です。

ストレス太りはありまァす!

顔を覆う女性
引用元: https://pixabay.com/ja/

一億総活躍社会が叫ばれる現代、世間はストレス源に満ち満ちています。誰もがストレスを抱えて生きています。大人も子供もみんな大変です。

ストレスフルな生活に折り合いがつけられるならいいのですが、中には押しつぶされそうになっている人もいますよね。また女性は月経周期にあわせてホルモンの分泌量が大きく変化するので、普段は平気でも、生理前後に爆発してしまうこともあるでしょう。

強いストレスにさらされたときに太る人と痩せる人がいます。食べることでストレス解消するのか、ストレスで胃腸がやられて食事量が減るかの違いです。

ストレス痩せする人や、やつれやすい人にとっては信じられないかもしれませんが、実はストレスがかかるとヒトは太りやすい体質に変化してしまうんです!

「ストレスを言い訳にして食べ過ぎてるのでは?」と思いますよね。確かにむしゃくしゃしたからお菓子をムシャムシャする、というのはよくあることです。わたしもそうです。しかしコルチゾールが大量に分泌されるせいで、適切な量のお菓子で幸せを感じられなくなっている可能性があります。

また、同じ量しか食べていなくても、コルチゾールが身体にさまざまな働きかけをした結果、カロリーを消費しきれずに体重が増えることもあります。恐ろしいことですね。

こストレスホルモンの異名をとるコルチゾールのはたらきについて解説します。

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ストレスホルモンの異名を持つ「コルチゾール」

本を抱えてうつむく女性
引用元: https://pixabay.com/ja/

ストレスは、生きていると多かれ少なかれかかる重圧(プレッシャー)です。過酷な環境下では肉体にもストレスがかかりますが、一般的に「ストレスを感じる」「ストレスがかかる、たまる」と表現するストレスは精神的なものです。

適切なストレス反応は身を守るために必要

「ストレスがかかる」というのは、ストレス源(ストレッサー)があって、ストレス源のせいで精神的に負荷を感じている状態を指します。ストレス源やストレス耐性は人によって違いますが、社会人の多くは「激務」や「職場の人間関係」にストレスを感じています。

本来、ストレスを感じたときに、何らかのストレス反応が出るのは当然のことであり、生きていくために必要なことです。

ヒトがケガをしたとき痛みを感じるのは、傷口に注意を向けるためです。もし大怪我をして血が流れているのに気づかなければ、手当てが遅れて死にいたります。ストレスも同じで、自覚しづらい無理に気づかせるためにストレス反応は出ます。

ストレスを感じるとコルチゾールが分泌される

ヒトの脳や身体は状況に応じてさまざまなホルモンを分泌します。

コルチゾールは副腎皮質ホルモンで、ストレスを感じると副腎皮質から大量に分泌されます。そのため俗に「ストレスホルモン」とも呼ばれます。

適切な量のコルチゾールはストレスから身を守ってくれる

コルチゾールが分泌されると、タンパク質を分解して糖分を作ります。筋肉や脂肪細胞がグルコース(糖分の一種)を吸収するのを抑えます。血糖値を下げるために必要なインスリンの分泌も抑えます。その結果、血糖値が上がります。また心筋に働きかけて心拍数も上昇させます。

自然界で生きる野生動物は、身に危険が迫れば大急ぎで逃げなくてはいけません。血糖値と心拍数が上昇すると、普段より素早く動くことができます。コルチゾールによって引き起こされるストレス反応は、生きのびるために必要不可欠です。

さらに炎症や免疫反応を鎮める力もあります。傷の治りが遅いと、自然界では生きていけません。コルチゾールの強力な抗炎症作用は、医薬品にも利用されています。いわゆる「ステロイド」です。

ステロイドと聞くとアトピー性皮膚炎などを連想すると思いますが、コルチゾールはありとあらゆる炎症を抑える力があります。わたしたちが想像するよりもずっと多くの場面で、コルチゾールは治療に用いられています。

飢餓から救ってくれるのもコルチゾール

人は食料が足りないと飢え死にしてしまいます。野生環境では常に満足な食べ物が得られるとは限りません。飢餓状態もストレスであり、コルチゾールが分泌されます。

コルチゾールには基礎代謝を下げる働きもあります。食料が乏しいとき、筋肉などがあまりエネルギーを消費しすぎないように抑えてくれるのです。

野生動物にとってはなくてはならない働きですが、その気になればいつでも何かを食べられる環境にある私たちにとっては、ストレスが取り除かれるまで太りやすい体質になってしまうだけです。

コルチゾールで海馬が縮むと、幸せを感じにくくなる

仕事中にドーナツをつまむ
引用元: https://pixabay.com/ja/

ほどほどのストレスに対して、適切な量のコルチゾールが分泌されると、ストレス源から逃れやすくなり、心身共に回復に向かいます。

しかし現代社会はストレスフルで、多くの人が凄まじいストレスにさらされています。しかも逃げ延びればストレスがなくなる野生動物と違って、わたしたち人間はストレス源がはっきりわかっていてもなかなか逃げられません。

もちろん心身を壊すほどのストレス源からはすぐさま離れなくてはいけませんが、命に係わるほどでない場合は、いろいろな条件を考慮して何かを我慢している人がほとんどでしょう。

いつまで経ってもストレス源がなくならないので、コルチゾールはどんどん分泌され続けます。

代謝が下がりっぱなし。血糖値は高くなったまま。心臓がよくドキドキする。免疫機能が下がりすぎる。妊娠しづらくなる。コルチゾールが分泌されすぎると、わたしたちの心身には様々な不具合が出ます。

糖尿病や心臓病、不妊ももちろん大問題ですが、大量のコルチゾールは脳の形まで変えてしまいます。

大量のコルチゾールは海馬を委縮させる!

脳には「海馬」という部位があります。記憶や学習、空間把握をつかさどる部位です。最新の研究によると、多すぎるコルチゾールは海馬を委縮させることがわかっています。PTSDやうつ病患者の海馬は、健康な人よりも委縮していることもわかっています。

海馬が委縮すると脳内麻薬を受け取れなくなる

海馬が委縮すると、記憶力が悪くなる以外にもさまざまな悪影響があらわれます。

脳内には「シナプス」という回路が張り巡らされています。シナプスを通って脳内に必要な情報がいきわたります。「神経伝達物質」という小さな粒状の物質の分泌をコントロールすることで、シナプスに信号を出したり切ったりします。

海馬にはシナプスを通じて、情報を受け取る側です。海馬が委縮すると、シナプス(回路)もうまく働かなくなり、神経伝達物質を正しく受け取るのが難しくなります。

神経伝達物質の中にはβエンドルフィンというものがあります。βエンドルフィンを正しく受け取ると、神経が活性化し、気分がハッピーになります。脳内麻薬として有名ですね。ランナーズハイの原因になる物質です。

海馬がストレスを受けて委縮すると、βエンドルフィンをうまく受け取れなくなります。海馬が縮むということは、ハッピーになりにくい状態にあるといえます。うつ病にかかると、ささいなことで涙が出てしまうのには、こういった理由があります。

ハッピーになるために、たくさん食べてしまう

ストレスがなくて、健康なときのわたしたちは、甘いものを少し食べると幸せになれます。

しかしストレスをたくさん受けて、海馬が委縮してしまうと、甘いものを食べても幸せだなぁと感じられなくなります。海馬が委縮しているかどうかなんて、わたしたちは自覚できませんから、特になにも考えずに「幸せだ」と感じられるまでお菓子を食べ続けてしまうのです。

基礎代謝が下がっているのに、幸せを感じにくいからいつもよりたくさんのお菓子を食べてしまう。太らないわけがありませんよね。

ストレスを解消すれば、海馬は正常化する

海馬が委縮した原因が、ストレスやうつ病ならば、ストレスを発散したりうつ病の治療を行うことで、海馬は回復することも研究でわかっています。

ストレス太りしたからといって、落ち込むことはありません。ストレス源を取り除いたり、ストレス源から離れたり、ストレスを上手に解消してあげれば、コルチゾールの分泌量も減りますし、委縮していた海馬だって元気を取り戻します。

ストレスがたまっている状態で無理をすると、本格的に心身を壊してしまいます。ストレス太りをしたということは、身体が「ストレスのせいでつらい、しんどい、休んでほしい」と訴えていると考えてください。

ストレス太りを解消することは、健康を取り戻すことと同義です。ストレスを減らし、心身を回復させ、美ボディを取り戻しましょう。

結論:痩せたいならまずはストレス解消から

サンドバックを殴ってストレス発散
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いかがでしたか? ストレスを受けると分泌されるストレスホルモンこと「コルチゾール」は、適切な量ならわたしたちを守ってくれますが、多すぎると身体も脳もむしばんでしまいます。肉体的にも脳神経的にも痩せにくい状態に陥ると、ストレス太りを起こすというわけです。

ストレス源がなければコルチゾールの分泌は適切な量に戻ります。ストレス源を取り除くことは難しいと思いますので、日々こまめにストレス発散をすることが重要です。

太りやすい状態にあるので、ストレス解消にたくさん食べるのはNGです。運動すると脳内麻薬「βエンドルフィン」がたくさん分泌されるので、できるかぎり身体を動かしてストレス発散に努めてください。

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VENGA編集部
VENGA編集部です。コンプレックスを持つ女性に寄り添う記事をお届けします。

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