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食欲不振や胃腸の不調の原因は夏バテじゃなくて夏風邪かも? 症状を長引かせないためにすべきこと

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エアコンによって室内外の気温差が大きくなる夏は、心身に大きな負担がかかり、夏バテや夏風邪に罹りやすくなります。夏風邪は冬の風邪よりも長引きやすい傾向があります。夏バテだと思って放置しているといつまでも体調不良が続きます。夏風邪の原因と典型的な症状、そして対処法をご紹介します。

食欲不振、倦怠感、胃腸の不調…怠い夏

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2019年の梅雨は、6月は空梅雨気味で、7月は地域によっては猛烈な雨に見舞われました。東京の梅雨入りは特筆するほど遅くも早くもありませんでしたが、梅雨明けは遅れ気味。7月第4週(22日~)の半ばから週末ごろにようやく梅雨明けするのではないかと予想されています。

梅雨明け後は一気に気温が上がる可能性が高いです。この記事を書いている2019年7月23日17時現在の渋谷区は、気温27℃、湿度64%と比較的涼しめですが、明日以降は毎日最高気温が30℃を超えると見られています。

気温と湿度が高いと体力を使います。熱中症予防のためにもたっぷり水分を摂って、エアコンで快適な室温を保つべきですが、室内外の気温差が夏バテの大きな原因になります。体力が減ったり自律神経が乱れたりすると、胃腸の働きも悪くなって食欲不振に陥ります。

夏バテが続くと身体の防御機能も下がって、夏風邪をひきやすくなります。「夏風邪は長引く」「夏風邪はお腹にくる」とよく言われますが、それにはちゃんとした理由があります。もしあなたが長引く下痢や吐き気に悩まされているなら、夏バテではなく夏風邪に罹っているかもしれません。

夏風邪とはどのような病気なのでしょうか。夏風邪の予防法や、罹ってしまったときの対象法を調べました。

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「夏風邪」の原因はウィルス! 高温多湿だと活発になる

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俗に「バカは風邪をひかない」「夏風邪はバカしかひかない」などと言いますが、なぜだと思いますか? 当然ですが頭の良し悪しは風邪をひくかどうかには関係ありませんし、体力がある人=頭が悪いなんてこともありません。

ただ単に、風邪をひいても気付かない=鈍感な人≒バカと揶揄しているだけです。ここでいう「風邪」は主に冬に流行する風邪のことで、「夏風邪はバカしかひかない」というのは「バカは(冬の)風邪をひかない」を逆にしただけです。また、お腹丸出しという間抜けな恰好で寝ると寝冷えするという意味も含まれています。

「風邪」とは諸症状の総称

「夏風邪」は、冬に流行するいわゆる「風邪」とは区別したような言い方をされますが、「風邪」という大きなくくりで見ると大きな違いがあるわけではありません。原因となるウィルスが異なるため、主な症状に違いが出るだけです。

そもそも「風邪」というのは単独の病名ではありません。原因となるウィルスや菌が体内に侵入し、喉や鼻などで増殖した結果あらわれる感染症の症状を総称したものです。医学的には「かぜ症候群」と呼びます。

喉が痛くなったり、鼻水が出たり、ウィルスを駆逐するために発熱したり、その影響で頭痛がしたりします。喉ではなく消化器がウィルス感染すると、腹痛・吐き気・下痢といった症状が強く出て、「胃腸風邪」と呼ばれることが多いです。

冬の風邪の原因ウィルスは乾燥した環境を好みますが、夏風邪の原因ウィルスは高温多湿な環境を好みます。そして夏風邪の代表的なウィルスの1つが、喉と腸で繁殖する特徴をもっているため、「夏風邪はお腹にくる」といわれるのです。

主な夏風邪の原因は「アデノウィルス」と「エンテロウィルス」です。

アデノウィルス(プール熱など)

プールごしに子供に広まりやすいことから「プール熱」と呼ばれる病気も、夏風邪の一種です。正式には「咽頭結膜炎」という感染症で、「アデノウィルス」が原因です。「アデノ」は扁桃腺やリンパ腺をさしています。

子供の病気というイメージが強いですが、子供から親にうつり、うつされた親から別の大人へと感染が広がっていきます(二次感染)。喉が腫れて咳が出たり、鼻がグズついたりします。また38℃~40℃もの高熱が出ることもあります。

くしゃみや咳による飛沫感染と、糞便からの感染があります。手洗いとうがいを徹底しましょう。

咽頭部だけでなく胃腸が感染することもあり、その場合は嘔吐や下痢の症状が強く出ることもあります。といっても必ず酷くなるわけではなく、喉と鼻の症状に加えて、軽い吐き気と軟便化が起きる程度ですむ場合も多いです。

エンテロウィルス(手足口病など)

主に喉や鼻の症状が出るアデノウィルスに対して、腸管内で増殖し、下痢をはじめとする胃腸症状を起こしやすいのが「エンテロウィルス」が原因の夏風邪です。「お盆の帰省でうつされるかも!? 大人も罹る「手足口病」とは?」の記事でご紹介した「手足口病」も、エンテロウィルスが原因です。

大人は感染しても症状が出ないことが多いのですが、腸で繁殖するので、症状が出る場合は一般的な風邪症状に加えて下痢や腹痛を起こしやすいです。

体力をつけ、規則正しい生活を送るべし

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「アデノウィルス」「エンテロウィルス」に限らず、風邪には特効薬やワクチンがありません。できるのは、出た症状に対してアプローチする対症療法だけです。白血球が原因ウィルスを食べ尽くしてくれるのを待つしかないのです。

つまり早く治したいなら体力と免疫力を高めるため、消化のいいものを食べ、身体を冷やさないように気を付けながらよく眠る必要があります。逆にいうと冷たいものばかり食べて身体を冷やし、睡眠不足と乱れた食生活が続くと、夏風邪に罹りやすくなると言えます。

夏バテで消化器をはじめ全身が弱っていると、夏風邪のウィルスに負けやすくなります。夏バテが続くことで夏風邪に罹ったり悪化したりすることもあるのです。体力が落ちやすいからこそ夏風邪は長引きやすいのです。症状が軽いほど夏風邪と気付かず、結果的に症状がいつまでもダラダラと続くこともあります。

夏バテ症状に加え、冬の風邪に似た症状がある場合は夏風邪を疑いましょう。夏風邪そのものを治す薬はありませんが、症状が長引く場合は炎症を抑える薬などを病院で貰った方が体力の回復が早まるかもしれません。なにより、無理をせず栄養と睡眠をたっぷりとるよう心掛けてください。

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VENGA編集部
VENGA編集部です。コンプレックスを持つ女性に寄り添う記事をお届けします。

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