顔のパーツや表情が左右で違う! 歪みの原因は生活習慣にあるかも…
「美人」の顔は左右対称に近い!
人間の体の大部分は左右対称に作られています。もちろん心臓や肝臓のように1つしかない臓器もありますし、右脳と左脳の働きにも違いがありますが、外見はおおむね線対称(左右対称)といって差支えありません。
ただし左右対称なのは「おおむね」の範囲でしかなく、パーツ毎に見ていくとほとんどの人に左右差があります。顔面に限っても、右目が一重、左目が二重という風に違うことは珍しくありません。また政治家の麻生太郎氏の口元のように、表情の作り方によって左右差が強調される人もいます。
自然界には左右対称や黄金比が少ない
木や雲の形を見ればわかると思いますが、自然物の大多数には決まった形がありません。定期的に手入れされている街路樹ですら、1本1本形が違います。周囲の影響を受けにくい動物でも外見的特徴は個体ごとに様々です。
動物は本能的に「理想的なボディバランスの持ち主」を魅力的だと感じるようにプログラムされています。その理想の1つになるべく左右対称に近いことが挙げられます。左右差が少ないほど健康的(頑丈)で強い個体である可能性が高いからです。
野生動物にとっては健康で強い個体と子作りすることが最重要といっても過言ではありません。
人間は野生動物と違うので必ずしもすべての人が左右対称に近い異性を求めるわけではありませんが(例えば前述の麻生太郎氏は特徴的なへの字口ですが、魅力的な人物だと思います)、やはり本能的に左右対称に近い人を「美しい」と感じる傾向があります。
多くの人の写真を合成して作った「平均的な顔」を美しく感じるという研究結果は有名ですよね。平均を取れば個々の特徴は消え、パーツの配置や表情の作り方で生まれる左右差も減ります。(結婚したいと思うかは別として)多くの人が美女・イケメンと認識する人の顔は左右対称に近いです。
メイクや髪型でごまかせない歪みもある…
美人の顔は左右対称であるというより、人は左右対称に近い顔を美人だと認識するという方がより正確です。逆にいうと顔のパーツの形が左右で著しく違っていたり、配置がズレていたりすると、美人だと思われることはありません。
多少の差は「愛嬌」といえますし、そもそも完璧に左右対称な人間なんていません。そもそも左右対称に作られているロボットは微妙に不気味に見えますし、整形をしすぎると悪い意味で人形っぽくなります。
差が気になる方は、メイクや髪型でごまかしているでしょう。アイプチで一重を二重にするようなものです。しかし左右差や歪みが大きすぎるとごまかしきれない場合もあります。
歳を重ねるにつれ人相は変わるものです。中には若いころより歪みが酷くなった人もいるはずです。生まれつきの歪みと違って、加齢による歪みは自力で矯正できる可能性が高いです。左右差の少ない美人顔に近づくコツを解説します。
加齢で顔の歪み(左右差)が酷くなることはある?
いまアラサー世代の女性なら、初めてメイクをしたのは高校生か大学生のころだという人が多いと思います。つまりメイク歴は10年~15年程度。あまりメイクをしないタイプの人でも、自分の顔の特徴はよくご存じでしょう。
さて、年齢によって顔の雰囲気が変わるのはよくあることです。単純に老化現象が顕在化する場合もありますし、体重が大幅に増減することもありますし、特定の表情が癖になってしまうこともあります。
年相応に老けるのは仕方ないことですし、年齢ごとにふさわしい魅力があればいいと思います。しかし人相が悪くなるタイプの変化は困りますよね。若いころよりも顔の輪郭やパーツが歪んでいることに気付いた瞬間のショックは計り知れません。
歯は少しずつ前に移動する
以前、「年々歯並びが悪くなるのは気のせいじゃない! 加齢で歯茎は弱ります」の記事でもご紹介しましたが、私たちの歯は特に何もしていなくても少しずつ前方に移動していく特徴があります。
土台である歯茎が歯周病で弱っているとなおさら歯の移動幅が大きくなります。歯茎が痩せて歯が前方に移動してしまうと歯並びが悪くなるだけではなく、口元の形も変わります。親知らずの抜歯も顎やエラ周辺の輪郭が変化する原因の1つになります。
歯並びの変化で噛み方が変わる
歯並びが変化すると当然噛み合わせも変化します。噛み合わせが正常なら物を食べるときに左右の歯を平等に使います。しかし噛み合わせが正常でなくなると(不正咬合)片側だけで噛むようになったり、特定の歯ばかり使うようになったりします。
歯の使い方に左右差が出るということは、口や顎、頬などの筋肉や皮膚の動きに差が出るということです。輪郭や唇が歪む原因になります。口内炎のできる場所が若い頃と変わった方は、自分で思っているよりも歯並びが変化している可能性が高いので注意が必要です。
重心の偏りが歪みに繋がる
この記事を読んでいるいま、あなたはどんな姿勢をしていますか? 片足に体重をかけて立っていませんか? 足を組んで座っていませんか? 横向きに寝転がってスマホをいじっていませんか?
運動量が著しく減少した現代、偏った姿勢が癖になっている人が大勢います。猫背・反り腰の人はもちろん、荷物をいつも同じ側の手で持っている人も要注意です。
姿勢が悪いということは、重心が偏っているということです。人間の頭は案外重いので、重心が偏っていると余分な力が骨や関節にかかります。首や肩がこるだけでなく、輪郭や頭蓋骨が少しずつズレてしまいます。
顔の歪みを食い止めたい・矯正したい!
元から生まれ持った歪みですら気になるのに、歳を重ねるとさらに歪みが酷くなっていくこともあるなんてショックですよね。しかし上でご説明した通り徐々に悪化する歪みの原因の多くは生活習慣にあります。まずは原因を取り除くことで歪みの進行を食い止めましょう。
歯科を受診して歯列矯正する
海外と違って日本では歯並びの悪さが大きなマイナス点になることはありませんが、最近では歯列矯正の重要性が認識されるようになってきました。美容的な観点だけでなく噛み合わせの悪さが回りまわって全身の健康に悪影響を与えるからです。
子供のころは問題がなかった人でも、食いしばり癖や親知らずの抜歯などがきっかけで一気に歯並びが悪くなることがあります。歯石除去と歯周病予防も兼ねて、歯科を受診してみましょう。
歯列矯正をして健康的な歯茎を維持することで、口元や顎周りの歪みがマシになる可能性は大いにあります。
片側だけに負荷をかけない
信号待ちするときに片足に体重をかけて斜めに立ったり、座るときいつも同じ方の足を上げて組んでいたりしませんか?
人には利き手や利き足があって、左右で器用さが違います。身体の両側を平等に使うのは難しく、意識しないと片側にだけ負担をかけてしまうものです。
例えば筆者は手足ともに右利きなのですが、右手で細かい作業(スマホ操作やSuicaの取り出しなど)をするために、荷物は基本的に左手で持っています。当然左足に体重をかけて立つことも多いです。このような習慣が重心を身体の中心からズラす原因になります。
荷物を持つ手を平等にしたり、両肩に重さが分散できるリュックを使ったりなどの工夫が必要です。
正しい姿勢を維持できるよう身体を鍛える
重心がズレていることや姿勢が悪いことを自覚していても、すぐに正しい姿勢に矯正するのは難しいです。なぜなら重心がズレた状態で身体を支えるように筋肉がついてしまっているからです。気を付けていても、初めの内は正しい姿勢を維持することすら難しいでしょう。
正しい姿勢を学ぶと同時に、姿勢を維持できるだけの筋肉を付ける必要があります。特にインナーマッスルの強化が重要です。身体に一本芯を通し、それを支えるイメージで内部も鍛えましょう。
生活習慣の見直しが重要
外見は持って生まれた要素が多く、変えることはできないと思われがちです。確かに美女といわれるモデルや女優は子供のころから美しい顔立ちをしていることが多いです。普通レベルの人が元の顔立ちを変えて美人になるのは非常に難しいです。
しかし元の素材を活かすことは誰にでもできます。ある程度歳を重ねると、顔には性格や暮らしぶりが出るといわれます。確かに表情の作り方は癖になりますし、生活に余裕がない人と余裕があってかつ美意識が高い人では、同じ年齢でも老け具合が変わります。
同様に習慣や加齢によって大きくなる顔の歪みも、生活習慣を見直すことで防ぐことができます。生まれ持った顔立ちがどんなに美しくても、不満ばかり口にして頬杖をついていたら文字通り歪んだ顔になりますし、姿勢を正して微笑むことを心掛けていれば美しく見えるようになります。
最近顔の歪みが酷くなったと感じる人は、今の生活習慣や姿勢、態度を見直してみることをオススメします。