新生活でも地震など災害に備えて! 避難場所を確認しよう
はじめに
東日本大震災から7年。阪神淡路大震災から23年。かつてと比べれば防災意識は格段に高まりました。耐震強度の基準なども見直されましたし、個人レベルでも棚の突っ張り棒や非常用持ち出し袋の準備が進みました。職場にも緊急時の対応マニュアルがあると思いますし、避難訓練を実施した会社もあるでしょう。
そんな中意外と見落としがちなのが、緊急時の避難場所の確認です。2013年6月に災害対策基本法が改正され、翌2014年4月から「指定緊急避難所」や「指定避難所」を市町村長が指定することになりました。公園や学校、公民館などが指定されています。また広域避難場所と呼ばれる、大人数が避難できる場所も存在します。
これらは国土地理院のサイトからWeb地図で確認できますので、自宅や職場、自分や家族がよく立ち寄る場所の最寄の避難場所を確認しましょう。特に引っ越しをして春から新生活を始めた人は、自宅近くだけでも街の構造を頭に入れてください。
指定緊急避難所と指定避難所の違い
指定緊急避難所と指定避難所はよく似ていますが、どう違うのでしょうか。
指定緊急避難所
緊急とつくことからわかるように、災害が起きたときに命を守るために緊急的に避難する場所のことを指します。災害の種類によって指定される避難所は違います。
指定避難所
災害が起きた時に、地域住民が安全を確保されるまで必要な期間滞在したり、帰宅難民が一時的に滞在する施設をさします。
どちらも重要ですが、特に確認しておくべきなのは指定緊急避難所です。住宅やビルが密集している場所で大地震が起きると、建物の倒壊だけでなく火災発生の可能性が高まります。東日本大震災でも海岸と高台のどちらに避難するかが生死の境目になりました。
避難場所を把握しているだけで避難がスムーズになり、パニックも起こしにくくなります。
もし帰宅難民になったら
地震や台風などの災害が起こると「帰宅難民」(正式には帰宅困難者)が発生します。東日本大震災では、首都圏で約515万人が当日自宅に帰れなかったそうです。外出者のうち30%近くは帰宅難民になった計算です。
東京都では震度6弱以上の地震が発生すると、車両の全面通行止めを含む強力な交通規制が行われます。東日本大震災では都内の最大震度は5強でしたが、公共交通機関が麻痺し、徒歩での帰宅を余儀なくされた人も多いでしょう。
巨大な地震の場合は、余震の規模も大きくなります。交通網が麻痺するだけでなく余震による建物の倒壊や大規模火災の危険もあります。特に郊外から都心部へ通勤されている方は、無理に帰宅するのではなく一旦避難しましょう。
指定緊急避難所以外にも、広域避難場所も緊急避難に向いています。広い公園は建物の倒壊の心配がなく、火災が発生しても火の手から逃れることができます。(ちなみに住宅街の小さい公園は、延焼を防ぐ役割を担っています)
滞在地ごとの避難予定場所は、あらかじめ家族や親族に伝えておきましょう。災害時には電話回線がパンクします。防災Wi-Fiの整備が進められていますが、アクセスが集中すると繋がりにくくなることはあります。避難場所さえわかっていれば、安否確認も短くスムーズに行えます。
まとめ
普段から災害に備えることで、緊急時にも落ち着いて避難することができるでしょう。自分や家族の命を守るためにも、改めて避難場所を確認してみてください。