アロマの効果でリラックスできる。香りが心身に与える影響とは
「香り」には力がある
手軽に使える癒しアイテムとして、アロマオイルやアロマキャンドルが大人気です。専門店まで足を運ばなくても街中の雑貨店やネット通販で、自分好みの香りやアロマグッズが手に入ります。
古来より人類はいい香りがするものを珍重してきました。西洋ではハーブが薬草として扱われ、東洋では東南アジア原産の香木からお香が作られました。
五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)の中ではあまり目立ちませんが、わたしたちは自分で思っているよりも「嗅覚」から大きな影響を受けています。
わかりやすい例をあげます。風邪などで鼻がつまると食事の味がわからなくなることがあります。食べ物の味は、味覚だけでなく嗅覚からも感じ取っています。美味しそうな匂いを嗅ぐとお腹がなるのは当然のことです。
アロマやお香を炊くと、香りの成分によって心身にさまざまな効果が現れます。
代表的なアロマテラピー効果についてみていきましょう。
アロマ(香り)がもたらす効果
アロマ(aroma)とは「香り」のことです。大きくわけるとハーブ由来のアロマと香木由来のお香がありますが、若年層にはハーブ系のアロマの方が、人気が高いようです。お香の中でもお仏壇を連想させない、インド系のアロマスティックは愛好者が大勢います。
香りで脳が刺激される
香りの正体は、目に見えないほど小さな微粒子です。香り成分が鼻の中の粘膜に触れると特定の信号が脳に送られ、はじめて匂いを感じます。
口呼吸をすると微粒子が鼻の奥まで届かないので、ニオイを感じなくなります。口呼吸で吸いこんだ成分が鼻に触れてかすかに感じることはあります。
アロマテラピーに用いられるのは植物性香料
天然香料は植物由来と動物由来の2種類にわけられます。リラクゼーション効果が高いのは植物由来の天然香料です。
ハーブや草花から香り成分を抽出したものを「精油(エッセンシャルオイル)」といいます。アロマ製品は精油から作られます。
西洋では精油を薬剤として用いますが、日本では医学目的ではなく美容やインテリア目的で定着しています。スピリチュアルと結び付けられることもありますが、大部分は気分を良くするために使われます。
人気はやはりラベンダー
もともと日本人は無臭状態を好むので、強い香りや特徴的な香りは好き嫌いがわかれます。またきんもくせいはいい匂いとされていますが、芳香剤によく使われているので「トイレのにおい」と感じてしまう人もいます。
アロマの中で最も広く受け入れられているのはラベンダーです。人をあまり選ばないさわやかな香りで、特定商品のイメージも少な目です。花の色も美しく、インテリアとしても人気があります。
昂った神経をしずめ、眠りやすくしてくれるという効果も、忙しい現代人にはピッタリといえます。
日常生活にアロマテラピーを取り入れよう
ラベンダーのほかにも、アロマには様々な種類があります。スッキリ度の高いものや、甘みの強いもの、複数の香りを組み合わせたものなど選択肢はたくさんあるので、自分好みのものが選べます。
自分好みのアロマを日常生活に取り入れるには、どのような方法があるのでしょうか。
ポプリを置く
乾燥させたハーブや草花、アロマオイルなどを1つの容器に入れて混ぜたものを「ポプリ」といいます。完全に乾燥させたイギリス風ドライタイプと、半乾きのフランス風モイストタイプがあります。
日本ではお守り袋や小さな瓶にハーブ類をつめたドライタイプのポプリがよく知られています。ラベンダーのポプリは北海道土産の定番です。
完成品を購入すれば誰でも楽しめます。上級者は材料を集めて自分で作ります。
湯舟にアロマオイルや精油を入れる
湯舟につかるとき、アロマオイルや精油を1~3滴程度たらすと、お風呂場にフレーバーが広がります。精油をお肌に直接塗るのは危険ですが、お風呂に入れる程度ならよい効果が得られます。
美容効果だけでなく、全身がほぐれるので凝りの改善も期待できます。
アロマキャンドルやアロマスティックを焚く
香料を練りこんで作られたキャンドルをアロマキャンドルといいます。アロマキャンドルに火を灯すと、蝋が溶けて香りが部屋に広がります。
アロマオイルを温めるためのライトもあります。蛍光灯を消してキャンドルやライトの灯りとアロマの香りを楽しめば、穏やかに眠りやすくなるでしょう。
スマホのブルーライトは不眠を引き起こします。神経が昂ってうまく眠れないときは、スマホを置いてアロマキャンドルをつけてみてはいかがでしょうか。
まとめ! アロマのある暮らしで心身をほぐそう
ポプリや精油、アロマキャンドルは安価で手に入ります。一度に使う量はごく少ないですし、ポプリは長期間にわたって香りが持続します。毎日が忙しくて疲労がたまっている人は、アロマの香りをかいでみてください。心身がリラックスして、余裕が持てるようになるかもしれません。神経の昂りが減って眠りやすくなるだけでも、生活リズムが整って心身の不調が改善されやすくなります。