ティントコスメは保湿が超重要。発色が良くても肌荒れしたら台無しに…
はじめに
美容大国・韓国で生まれた「ティント」タイプのコスメ。色素を含んだコスメが肌を覆うことで発色するのではなく、細胞そのものを色素で染めます。そのため色落ちやヨレが少なく、朝のメイクを長時間キープできる画期的な発明です。
主なアイテムはリップですが、2018年現在、発色の良さが求められるアイテムに次々とティントタイプが取り入れられています。
とはいえやはりティントが最も活躍するのはリップです。従来の、唇の上を被膜で覆うタイプのリップ(口紅)は食事やおしゃべりで剥がれてしまうという弱点がありました。
口を動かさずに過ごすことは不可能です。唇の細胞を染めて素晴らしい発色を実現するティントリップはメイクをする人すべてが待望していたアイテムです。
しかし角質層の細胞そのものを染めるという性質ゆえに、乾燥が酷くなってしまうというデメリットがあります。
唇は他の皮膚よりも薄い粘膜でできています。顔のパーツの中では荒れやすく、ちょっとした乾燥で切れてしまうこともあります。傷つかなくても乾燥が進んで細胞が縮むと、縦ジワが強調されて老けて見えます。
ティントタイプのコスメを使うために気を付けるべきことや保湿についてまとめました。
ティントコスメが染めるのは表皮の一番外側・角質層
角質とはケラチンのことで、肌でも唇でも上皮細胞の内部に存在します。
お肌の正常なターンオーバー(生まれ変わり)サイクルは4週間です。新しく生まれた肌細胞は次第に外側に向かって押し出されていきます。誕生してから時間がたつにつれて蓄えている角質の量が増えていきます。
角質がある程度以上増えると細胞は死亡し、角質化します。角質層とは表皮の中でも一番外側にある層です。
最終的に角質は垢として剥がれ落ちます。足の裏のように常に刺激を受けていない部位の角質層の厚さは10~20㎛程度です。
角質層なら染めても問題ない
ティントコスメに含まれた色素が染めるのは、角質層の細胞です。
皮膚の細胞に色素を入れるというと、タトゥーを連想しますが、タトゥーとは違ってティントは間もなく剥がれ落ちる予定のすでに死んだ細胞を染めます。(タトゥーは皮膚を傷つけて深い部分に色素を入れます)
細胞を染めるということは、ティントコスメを使ったらしばらく色が落ちないのではないかと心配する人もいると思いますが、実際にはメイクオフするときにクレンジングで角質層ごと洗うのでちゃんと落ちます。
とはいえ、通常タイプのコスメに比べて落ちにくいのは事実です。
奪われた水分を補うべし
ティントコスメの最大のデメリットは、使用した部位がものすごく乾燥することです。
ティントリップの効果が気になったので、いろんなブランドのBAさんに使用感を聞いてみたのですが、皆さん口をそろえて「通常のリップより乾燥します」とおっしゃっていました。
私は薬用リップで荒れるくらい唇が弱いので、ティントリップ購入は断念せざるを得ませんでした……。
色素が侵入する=細胞の組成が変わる
角質層は間もなく剥がれ落ちる角質化した肌細胞や、完全に角質化する直前の肌細胞で構成されています。
角質は美肌の大敵として嫌われていますが、適切な量の角質はお肌を紫外線や乾燥から守ってくれます。ピーリングしすぎると肌が荒れたり弱ったりするのは、表皮の防御に必要な角質まで落としてしまうからです。
ともあれ、ティントコスメを使用すると肌が乾燥するのは、角質層の細胞の組成(構成している成分)が変化するからです。
ティントコスメに配合されている染料はただちに身体に悪影響を及ぼすものではありません。しかし本来人体には存在しない成分を(角質層だけとはいえ)浸透させていのも事実です。
染料が浸透した分、細胞内の水分の割合は下がります。また発色は化学反応で起こるので、アレルギーや乾燥の原因になります。
強力なクレンジングで乾燥する
ティントコスメだけでなくクレンジングも乾燥や肌荒れの大きな原因です。
一度染まった細胞をもと通りの色にするのは非常に難しいです。とはいえ染まっているのは一番表面の角質層だけなので、3~4日放置すればターンオーバーが進んで自然と色が落ちます。
ティントメイクを落とすには、クレンジングオイルを使って細胞内の水分に溶けた染料を吸い出すか、ピーリング効果が強い洗顔料で顔を洗うしかありません。
クレンジングオイルもピーリング洗顔も、効果が高いものは肌を傷つける力も強いです。
またオイルで染料を吸い出すときに必要以上に細胞から水分も奪ってしまいます。
肌が強い人も保湿に気を付けて!
ティントコスメには保湿成分が含まれていることが多いです。乾燥は避けられないので、保湿・美容成分を多く配合することで肌荒れを防ぐのが目的です。
肌が強い人は保湿効果の高いティントコスメだけで対応できるかもしれませんが、使い続けていると次第に荒れていく可能性もあります。
唇は粘膜であり、普通の肌より乾燥しやすいので、ティントリップを塗る前も、落とした後も徹底的に保湿ケアをすべきです。あらかじめ水分をたっぷり補給しておけば乾燥にも耐えられますし、乾燥後の水分追加も重要です。
唇が乾燥すると縦ジワが目立つようになります。縦ジワは年齢以上に圧倒的に老けて見える原因です。縦ジワが増えないようにケアしてください。
まとめ
いかがでしたか?リップだけでなくティントタイプ(染料タイプ)のコスメは乾燥を避けられません。ティントコスメを使うときはいつも以上に保湿に気を遣いましょう。少しでも肌荒れしているときはティントの使用を控え、肌を休ませましょう。ティントだけで発色させるのではなく、従来の肌の表面に色を乗せるタイプのコスメも併用して、ダメージを少しでも軽減してくださいね。