気付いていないのは本人だけ! 喫煙習慣が酸っぱいドブのようなニオイの原因かも

タバコは酷い口臭と体臭の原因

口臭や体臭は一般的に加齢によって強まります。自分の発するニオイは自覚できないからこそ、ニオイエチケットに気を遣うのが成熟した大人のマナーです。
嫌なニオイで周囲に不快感を与えることを「スメハラ(スメルハラスメント)」といいます。香りのキツい香水や柔軟剤への反発から比較的最近生まれた言葉ですが、最も嫌がられているのはおそらく「タバコ臭」と「喫煙者の口臭・体臭」でしょう。
タバコには強い刺激臭を発する物質が複数含まれていて、喫煙によって体内に取り込まれます。喫煙後、服に消臭スプレーをかければOKと考えている喫煙者もいるかもしれませんが、体内に蓄積された成分までは消せません。
口臭と加齢臭にタバコ臭が混ざると最悪です。誇張ではなく、10メートルくらい離れていても、ツンと鼻をつく酸っぱい異臭を感じます。
ニオイ対策を怠っているヘビースモーカーなら、20代でも腐ったドブのような臭いがします。
嫌煙家の中には副流煙の害よりもニオイの害の方が酷いと考える人も大勢います。口臭や体臭を指摘されたらまず喫煙習慣を見直してください。また喫煙習慣がある人は、これ以上臭くなる前に対策を取るべきです。
喫煙で口臭・体臭が酷くなる理由

タバコに含まれるニオイの原因成分は400種類以上もあります。強いニオイや刺激臭を発する成分も含まれていますし、消臭が難しい成分もあります。
腐敗臭にトイレ臭…ニオイの原因成分は複数ある
400種を超えるタバコのニオイ成分の中でも特に酷いニオイの原因として挙げられるのは以下の4つです。
アセトアルデヒド、酢酸、硫化水素、アンモニア
酢酸は酸っぱい臭い、硫化水素は腐った卵の臭い、アンモニアは尿の臭いがします。ショックかもしれませんが、喫煙者は酸っぱくて腐ったドブのようなニオイがすることが多いというのは、誇張でもなんでもありません。
鼻にツンとくる刺激臭はアセトアルデヒド
ニオイ成分の中で最も強烈かつ長く影響が出るのが「アセトアルデヒド」です。独特の青臭い刺激臭がします。
「アルコールを翌日に残さないコツを学んで忘年会&新年会シーズンを乗り切ろう」で解説したように、アセトアルデヒドは毒性が強く二日酔いの原因にもなる物質です。
人種的に日本人の約半分は先天的にアセトアルデヒドを酢酸へと分解する能力が低いです。そのため分解が進まないままアセトアルデヒドが体内にどんどん蓄積されてしまいます。
しかもアセトアルデヒドは消臭が難しい成分でもあります。体内に取り込んだ分はもちろん、服や壁紙に吸着してしまった場合も取り除くのは困難です。
ニオイ成分は全身の皮膚からもにじみ出る
老廃物や有害物質は、排せつ物だけではなく全身の毛穴からも「皮膚ガス」として排出されます。
皮膚呼吸は24時間体制で行われています。つまりニオイ成分が体内に残っている間中ずっと皮膚からジワジワとイヤな臭いがにじみ続けるのです。たとえ少量でも毎日タバコを吸うと常にニオイ成分が体内にある状態になるので、いつまでたっても臭いままです。
喫煙者が多い世代とは?

JTの調査によると、男性の喫煙率は年々減少し、女性はほぼ横ばい~やや減少しています。平成初期~中期にかけて20代女性のみ喫煙率が上昇した時期がありますが、現在は老若男女問わず減少しています。
「2018年全国たばこ喫煙者率調査」によると、平成30年(2018年)の喫煙割合は、男性が27.8%、女性が8.7%です。そして男女ともに40代の喫煙率が最も高くなっています(平成10~15年ごろに20代だった女性は、今は40代になっています)。
男性:30~50代の割合が高い
20代:23.3%
30代:33.1%
40代:35.5%
50代:33.0%
60代~:21.3%
このように30~50代は35%程度吸っていますが、20代になると急激に喫煙率が下がっています。実際、社員の平均年齢が低い企業では喫煙者を見かけないこともあります。ちなみに喫煙率ピークの昭和41年には、全世代平均で83.7%もの人がタバコを吸っていたそうです。
女性:若い世代は吸わない
20代:6.6%
30代:11.1%
40代:13.6%
50代:12.0%
60代~:5.4%
女性は社会進出とともに喫煙割合が増加しました。「女性もタバコを吸って何が悪い」という風潮があったのです。しかし不況やタバコ値上げ、美容への悪影響などが重なり、すぐに「タバコ=かっこ悪い」というイメージで上書きされました。
喫煙者はニオイエチケットに気を付けて!

タバコや長年の喫煙習慣が酷い口臭や体臭の大きな原因であるということをご説明しました。また喫煙者の発するニオイは非喫煙者のそれよりはるかにキツく、周囲を不快にすることもご理解いただけたと思います。
受動喫煙の防止運動やタバコの値上がりによって、喫煙者は減りつつあります。喫煙者が少なくなるほど「タバコ臭い人」は目立つようになります。
愛煙家にとっては受難の時代だとは思いますが、自主的に刺激臭や腐敗臭がする成分を摂取している以上は、吸わない人の何倍もニオイエチケットに注意を払う必要があると思います。ヘビースモーカーの人はもちろん、たまにしか吸わない人も気を付けてくださいね。
