アルコールを翌日に残さないコツを学んで忘年会&新年会シーズンを乗り切ろう
飲み会が続く年末年始
クリスマスも過ぎ、2018年も残すところあと5日ですね。飲み会シーズン真っただ中ですが、この年末年始にあなたはどのくらいお酒を飲む予定ですか?
この時期、二日酔いでグロッキーになっている人をよく見かけますよね。
節度を守っていても翌日までアルコールが残ってしまうことはままあります。特に連日の飲酒で肝臓に負荷がかかっていると、お酒に強いと自負している方でも二日酔いになってしまいます。
二日酔いは辛いですよね。飲み会の翌日に休むわけにはいきませんし、かといって出勤しても仕事の能率はあがりません。
社会人らしく飲み会をスマートに楽しみ、アルコールを翌日まで持ち越さないコツを知って対処しておきましょう。
なぜ二日酔いになるの?
飲みすぎた次の朝、頭痛で目が覚めるときの気分は端的に言って最悪です。世間では二日酔い用の薬やドリンク剤がたくさん販売されていますが、そもそもなぜ二日酔いが起きるのでしょうか。
不快な朝! 頭痛に吐き気、喉の渇き
二日酔い(宿酔)は、お酒を飲んだ翌朝に現れる不快な症状全般を指します。
代表的な症状は、頭痛、吐き気(嘔吐)、喉の渇きです。飲酒量や体質によっては胃痛や下痢を起こす人もいます。
水を飲んで大人しくしていればそのうち症状は消えますが、酩酊感でフワフワしている寝る前との落差でより苦しく感じます。
ちなみにお酒を飲んでいる真っ最中や、飲酒直後にこういった症状が現れた場合は「悪酔い」と表現します。それなりに飲み慣れている人でも、体調によって悪酔いや二日酔いに悩まされる可能性はあります。
なぜこんな、理不尽ともいえる苦しみを味あわなくてはいけないのでしょうか?
悪酔いの原因は「アセトアルデヒド」
アルコールは大脳皮質に影響を及ぼし、抑制をゆるめます。適量のアルコールなら、緊張がほぐれ気分がよくなります。また胃腸を刺激して食欲を高めたり、利尿作用で活発に老廃物を排出したりします。
しかし多すぎるアルコールは脳や内臓にダメージを与えるので、肝臓で無害な物質へと分解されます。「アルコール」>「アセトアルデヒド」>「酢酸」>「水」と「二酸化炭素」という風に分解が進みます。
アルコール分解の第1段階目の「アセトアルデヒド」は毒性の強い物質です。体内にアセトアルデヒドがあると、二日酔いや悪酔いの症状が出ます。
日本人の半分はお酒に弱い・飲めない
アルコールをアセトアルデヒドに分解するのが「アルコール脱水素酵素」、アセトアルデヒドを酢酸に分解するのが「アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)」です。どちらも主に肝臓にある酵素です。
アセトアルデヒドがいつまでも分解されない、つまり「ALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)」の働きが弱いと、二日酔いが酷くなります。ALDHは3種類の型(GG型、AG型、AA型)があって、アセトアルデヒドの分解能力がそれぞれ違います。
GG型はアセトアルデヒドをよく分解します。二日酔い・悪酔いを起こしにくく、お酒に強い人たちです。
それに対し、AG型はGG型の1/16程度しか分解能力がなく、AA型にいたってはまったく分解できません。AG型は多少は飲めても弱い人、AA型は飲んではいけない人です。
残念ながら日本人の45%はAG型、5%がAA型だといわれています。つまり半分程度の人が「お酒に弱い」「まったく飲めない」に該当するのです。
二日酔いを起こしやすいのは、「お酒に弱い」AG型の人です。GG型は翌朝までに分解できますし、AA型は1口飲むだけで倒れてしまいます。
こればかりは遺伝子で決まっている生まれつきのことなので、お酒に強くないと自覚している人は量を控えるしかありません。日本でアルハラが大問題になるのも、人口の半分程度がお酒に弱く、中には少量のアルコールでも命に係わる人がいるからです。
ちなみに、日本の中では東北と九州に比較的強い人が多いといわれています。逆に近畿圏などは典型的な下戸が多い土地です。
アルコールの分解を手助けすべし
アルコールやアセトアルデヒドの分解能力は遺伝子によって生まれつき決まっているので、「飲んで鍛える」のは不可能です。どんな人でも分解能力以上に飲めば二日酔いになりますし、加齢や体調によって普段より分解能力が下がることもあります。
お酒を飲むときは二日酔いにならない飲み方を心掛け、なってしまったら速やかな解消を目指しましょう。
水をたっぷり飲む
翌朝までにアセトアルデヒドを分解しきれないと二日酔いになります。つまり二日酔いを治せるのは時間薬だけということです。身も蓋もありませんが、肝臓がどれだけ頑張れるかにかかっているのです。
飲んだ翌朝は喉が渇くことからわかるように、アルコールやアセトアルデヒドを分解するには大量の水分が必要です。
水分不足だと分解が進みませんし、分解はできても脱水症状で具合が悪くなることもあります。分解後に残る成分を対外に排出するためにも水分が必要です。
というわけで、二日酔いになったときにまずすべきなのは水分をたっぷり摂取することです。
吐いてしまうと逆効果なので、胃腸に負担をかけないぬるい水を、一口ずつ時間をかけて飲みましょう。水分が吸収されると辛い症状がかなり緩和されるはずです。
胃腸や肝臓に優しい成分を摂取する
胃腸など消化器はアルコールによって強い刺激やダメージを受けます。肝臓は分解が終わるまで全力で働かなくてはいけません。アルコールと一緒に脂っこいものを食べると、なおさら内臓に負担がかかります。
飲み会が続くと徐々に胃腸や肝臓に疲れがたまり、分解速度が落ちていきます。
本当は休肝日を設けて休ませるのが一番ですが、そうも言ってられないので、胃腸や肝臓の回復を促す食品を摂りましょう。
シジミの味噌汁には、アミノ酸やミネラル、オルニチンなど、内臓を回復させる成分がたくさん含まれています。インスタントで構わないので、二日酔いを起こしていない朝も飲むのをオススメします。
空きっ腹の飲酒は厳禁! 食べてから飲む
二日酔いを起こしてからの対処も大切ですが、それ以上に、二日酔いや悪酔いを起こさないような飲み方がもっと重要です。
二日酔いの直接の原因はアセトアルデヒドですが、症状を悪化させる原因の多くは胃腸の荒れと脱水症状です。少量のアルコールは胃腸の働きを促進してくれますが、過ぎれば細胞にダメージを与えます。
お腹が空いているときにお酒を飲むと回りが早いといわれるのは、胃腸が空っぽなせいでアルコールが急激に吸収されるからです。急性アルコール中毒や悪酔いを防ぐためにも、飲み会前(乾杯前)におにぎりなどを軽く食べておきたいですね。
相性の悪いお酒を避ける
麦(ホップ)から作るビール、ブドウから作るワイン、お米から作る日本酒…このようにお酒には様々な種類があります。味やアルコール度数も様々です。自分と相性のいいお酒を選ぶようにしましょう。
注意したいのは「飲みやすいお酒」です。飲み口がいいとつい飲みすぎてしまうからです。
最近なにかと話題のストロング系缶チューハイは度数が9%程度あるのに味や見た目がジュースとそっくりなので、自分のキャパよりも早いペースで飲んでしまう典型的なお酒です。
ちゃんぽん(いろんな種類のお酒を飲むこと)がダメな人も多いですが、これも種類の多さではなく、飲んでいるうちに感覚が鈍ってキャパシティを超えてしまうのが問題です。
「飲まないこと」が最大の予防法!?
絶対に二日酔いになりたくないなら、お酒を飲むべきではありません。
冗談だと思われるかもしれませんが、上でも書いた通り、アルコールやアセトアルデヒドの分解能力は生まれつき決まっています。日本ではまったく飲めない人はけして珍しくありませんし、飲めるけれど弱い人が半数近くを占めています。
飲めない人に限らず、まずいと思ったらお酒を断りましょう。飲めないのは恥ずかしいことではありません。あまり飲めないのに「自分は強い」と無理をする方がよほどかっこ悪いです。
もちろん断りにくい場もあると思いますが、いまどきどのお店でも頼めばバレないようにソフトドリンクを持ってきてくれます。雰囲気を壊さずに、上手に切り抜けるのも大人の女性のスキルだと思います。
飲み会と上手に付き合えるのが「大人」
まもなく平成もラストイヤーです。昭和期と違って「アルハラ」が周知されました。飲めない人や弱い人にとってはありがたいことですが、お酒を断りやすくなった分、二日酔いになるほど飲みすぎる人に対する視線は厳しくなっています。
飲み会を盛り下げないように、かといって翌日に尾を引かないように、上手にアルコールとつきあえる人こそが本当の大人です。まだまだ飲み会は続くと思いますが、胃腸と肝臓の調子を整え、酒量をコントロールして楽しく過ごしてくださいね。