不潔だと思われたくない…。髪を洗っても頭が痒くなる原因と対処法とは
掻きむしりたいほど頭皮が痒い
きちんと頭を洗っているのにすぐ頭皮が痒くなることはありませんか?
痒くなってくるとワーッと掻きむしりたくなります。自分の部屋に一人きりでいるときなら掻けますが、人前だとなかなかそうもいきません。頭をガシガシ掻いている人ってかなり不潔に感じますよね…。
体調不良などで長期間お風呂に入れないときに痒くなるのは仕方がないことです。しかし毎日きちんとお風呂に入って頭も洗って身ぎれいにしているのに痒みが続くと、不安になります。
頭皮が痒くなる理由にはどのようなものが考えられるのでしょうか?
きちんと洗えていない
まず最初に考えられるのは、自分では洗っているつもりでもきちんと洗えていない可能性です。頭部の汚れに対して洗う頻度が足りない場合と、洗っているけれど「すすぎ」が足りない場合があります。
シャンプーは頭皮と髪の汚れを落とすためにあります。汚れが酷すぎて落としきれていなかったり、せっかく洗ってもすすぎきれていなかったりすると、濡れた分雑菌が繁殖しやすくなって痒みが発生するでしょう。
頭皮が炎症を起こしている
頭皮も皮膚の一種です。お肌と同じように頭皮も炎症を起こすことがあります。またその理由もさまざまです。
細かい傷ができていることもありますし、アレルギーが出ることもあります。頭皮が弱っているときに雑菌やカビが繁殖すれば、吹き出物ができたり嫌な臭いが発生したりもします。しかも炎症を起こした頭皮は剥がれやすくなって、フケが大量に発生することもあります。
シラミがわいている
あまり考えたくないことですが、ヒトジラミ(アタマジラミ)というシラミがわいている可能性もあります。
人間に寄生するシラミは「アタマジラミ」と「ケジラミ」の2種類だけです。アタマジラミは頭部と衣服、ケジラミはアンダーヘアに生息します。
シラミがわくなんてありえないくらい不潔、と思われるかもしれませんが、実は現代日本でもアタマジラミは定期的に流行します。主な感染源はプールです。幼稚園や小学校で水泳帽の貸し借りが禁止されているのはアタマジラミをパンデミックさせないためです。
原因がシラミの場合は皮膚科にいって駆除薬を処方してもらうしかありませんが、シャンプーの不備や軽い炎症なら、毎日のヘアケアと頭皮ケアを見直すことで改善できる可能性が高いです。頭の痒みが続くときの対処法をご紹介します。
洗い方を見直してみよう
頭皮トラブルの多くは間違ったシャンプー(洗髪)が原因で起こります。痒みの原因がわからず、かといってただちに病院へ行くほどの違和感がない場合は、ひとまず頭の洗い方を見直してみましょう。
現代人は髪を洗いすぎ
あなたはどのくらいの頻度で頭を洗っていますか? ショートカット以外の、髪がある程度長い女性の多くは毎日だと思います。頭皮が弱い方やあまり汗をかかない冬場は2日に1回でしょう。しかし「2日に1回です」と人前で堂々と答えられる人は少ないかもしれません。
体質によって最適な頻度はまちまちですが、現代の日本人は髪を洗いすぎている傾向にあります。
シャンプーは「石鹸」ですから、使いすぎると頭皮表面の皮脂や常在菌を必要以上に落としてしまいます。すると頭皮は皮脂を余計に分泌しますし、保護力が落ちた頭皮表面の上に雑菌が大量繁殖してしまうこともあります。
日常生活で汗をよくかく人や、皮脂が多い体質の人、そして整髪料を使っている人は毎日1回洗いましょう。しかし整髪料をつけない人の中で1日ぐらいでは髪や頭部がべたつかない人は、2~3日に1回で十分なのです。
トリートメントはきっちり流して
シャンプーやトリートメントの洗い残しは雑菌の餌になります。
トリートメントは髪の状態を整えるもので本来頭皮につけるものではありません。またトリートメントを流すとき、ほんの少し残すくらいの方が髪にツヤが出るというのは誤解です。頭皮にせよ髪にせよ洗い残しがないようにしっかり流さないと、雑菌繁殖や炎症のもとになります。
自分にあったシャンプーを選ぼう
洗うたびに痒みがでる場合は、シャンプーやトリートメントが頭皮にあっていない可能性もあります。たとえ植物由来の自然派商品であっても、合わなければ肌荒れを引き起こします。
シャンプーを変えてから痒みが出始めたり頭皮の臭いがキツくなった人は、使い慣れたシャンプーに切り替えてみてください。症状が治まった場合、痒みが出たときのシャンプーに含まれている成分が合わなかったということです。
シャンプーは爪ではなく指の腹で
シャンプーの目的は頭皮の汚れを落とすことです。髪の汚れはシャンプー前のブラッシングと水洗いでほとんど落ちているのが理想です。なのでシャンプーをしっかり泡立て、指の腹で頭皮をマッサージするように洗うのが正しい洗髪法です。
しかし洗った後のサッパリ感が好きな人や、剛毛で髪の量が多い人などはつい爪を立てて髪をシャカシャカかき混ぜてしまいがちです。
爪を立ててガシガシ洗うと確かに気持ちいいのですが、頭皮に細かい傷がついてしまいます。傷はふさがりかけに痒みを発するものですし、傷口に雑菌がつくと炎症を起こします。
正しい髪の洗い方を簡単におさらいしておきましょう。
丁寧にブラッシング
洗髪前のブラッシングは非常に重要です。髪は濡れるとダメージを受けやすくなります。あらかじめ絡んだ髪をほぐしておくと、切れ毛や枝毛が防げます。
目の粗いブラシで梳いたあと、徐々に目の細かい櫛に変えていきましょう。髪の表面に付着している埃や軽い汚れはこのブラッシングで落とせます。
お湯で汚れを流し、髪に水分をしっかり含ませる
あらかじめブラッシングしておけばお湯で流すだけで髪についた汚れはほとんど落とせます。また汚れが水分をはじくこともないので、奥の方までしっかりお湯が染み込みます。
38度くらいのぬるめのお湯をたっぷり使って、いわゆる「湯シャン」をします。お湯が熱すぎると皮脂が過剰に落ちてしまうので注意してください。
髪のボリュームが多い人は、シャンプーをつける前の湯シャンがうまくいかないと思います。美容師さんが使っているような大きなクリップを100円ショップなどで買ってきて、上部の髪を持ち上げて中から洗ってみてください。
シャンプーをつけ指の腹で頭皮マッサージ
しっかり湯シャンで汚れを落としておけば、髪をスポンジ替わりにシャンプーを泡立てるような洗い方をする必要はありません。シャンプーは髪を洗うのではなく頭皮を洗うものだと心得ておいてください。
シャンプーを手に取ったらそのまま髪につけるのではなく、手のひらで泡立てましょう。よく泡立ててから指を髪の中に差し込んで、腹で頭皮をマッサージするように洗っていきます。ここで爪を立ててしまうと頭皮が傷ついて痒みの原因になるので注意してください。
きっちり流す
シャンプーやトリートメント剤が少しでも残っていると、それを餌に雑菌が大繁殖します。きっちり洗い流しましょう。トリートメント剤は頭皮にはなるべく触れさせないように、毛先からつけていきます。毛根に近いほど髪の傷みは少ないのでつける必要はありません。
洗い残しは毛穴もふさいでしまいます。毛穴がつまると皮脂が行き場を失い、ニキビや吹き出物が発生します。
生乾きで放置はNG
雑菌は暖かくて湿った場所が大好きです。人の体温がほんのり感じられて、皮脂という餌があって、しっとり濡れている髪の中は格好の繁殖場です。髪を乾かさずに放置していると生臭くなるのは雑菌が繁殖しているからです。
優しく挟むようにタオルドライ
濡れた髪はキューティクルがはがれやすくなっています。髪同士がこすれるだけでダメージを受けてしまいます。タオルドライといっても「拭く」のはNGです。髪を一束ずつとってタオルで挟み、水分を吸い取っていきましょう。
最近は水分をよく吸うマイクロファイバータオルが100円ショップでも販売されています。バスタオルとは別に、髪専用のタオルを用意しましょう。バスタオルサイズのマイクロファイバータオルをカットすると安上がりです。
またタオルとしては高価なのですが吸水性の高い今治タオルは、髪を傷めずにすぐ乾かせると評判で大人気になっています。ヘアケアをトータルで考えると、髪用のタオルに投資するのは悪くない選択だと思います。
ドライヤーは熱すぎない温度で
湿ってキューティクルが弱まった髪に熱風をあてると傷んでしまいます。ドライヤーはなるべくぬるめの温度で短時間で終わらせましょう。(そのためにもタオルドライで水分をしっかりとっておくことが大切です。
表面ばかりにドライヤーをあてても内部はなかなか乾きません。大きなクリップで髪を持ち上げ、内部から乾かしましょう。温風は髪の流れにそって上から下へあてるとキューティクルが落ち着きます。
髪をしっかり乾かすことで癖も減るので、整髪剤の量を減らすこともできます。
結論! シャンプーの頻度や方法を見直そう
いかがでしたか? 毎日きちんと洗っているのに頭皮が痒くなる人は、別に不潔なわけではありません。むしろ自分が不潔じゃないかと心配になって、洗いすぎている場合も多いのです。洗髪の適切な頻度は皮脂の分泌量や頭皮の強さ、髪の量や長さ、生活環境によって変わります。毎日洗わないとすぐ汗や油分でベッタリする人もいれば、2~3日洗わなくても変わらない人もいます。
気分的に毎日洗わないと気がすまないという人もいるかもしれませんが、髪や頭皮のことを考えて洗いすぎは我慢してください。逆に整髪剤をたっぷり使っている人は、毎日しっかり落とさないと毛穴の詰まりや頭皮の炎症の原因になります。
洗い方を変えて様子を見ても痒みが収まらない場合は、アレルギーやシラミが原因の可能性が高いので、皮膚科を受診してくださいね。