【2018年】黄砂の飛散は東へ拡大中! PM2.5による汚染にも注意
はじめに
2018年4月の第2週(8日~14日)は、気温の上下が激しく、凄まじい風が日本中で吹き荒れました。週末にはさらに強い、いわゆる「春の嵐」が発生すると予測されています。
毎年春になると大陸から黄砂が飛来します。3月末に1度観測された後しばらく落ち着いていましたが、4月7日に再度観測されて以来、九州を中心に黄砂の量が増しています。飛散する範囲も東へと拡大しており、すでに関西を超え、まもなく東海地方に到達する見込みです。
黄砂とは一体なんなのか、黄砂がもたらす害と対策についてまとめました。
黄砂は中国内陸の砂漠から飛んでくる
黄砂は砂漠や乾燥地域の砂ぼこり(砂塵)が、砂嵐によって上空に舞い上がり、広範囲に拡散しながら地上に降り注ぐ現象をさします。毎年春に、中国内陸部の砂漠地帯から拡散される黄砂が、日本を含む東アジアにとって大きな問題となっています。
中国とモンゴルにまたがる、タクラマカン砂漠・ゴビ砂漠・黄土高原が黄砂の主な発生地で、3つの砂漠を合計すると、日本の国土面積の5倍以上にもなります。周囲を高い山脈に囲まれた、非常に乾燥した土地です。
地球上の緯度30~60度の上空には、偏西風という、西から東へ向かって吹きつける気流があります。天気が西から東へ変わるのは、偏西風があるからです。北緯30度~60度の範囲には、中国や日本が含まれます。(西洋ではアメリカやヨーロッパ南部が含まれます)
砂漠地帯から舞い上がった砂塵は偏西風に乗って、砂漠の東側へ拡散されます。これが黄砂です。黄砂の影響は発生地(砂漠)に近いほど大きく、中国国内では視界が遮られて乗り物が運転できない日も発生するくらいです。
日本は大陸とは日本海で隔てられていますが、それでも黄砂は届きます。特に飛散量が多いのは、朝鮮半島と地理的に近い九州です。
黄砂の影響
黄砂は私たちの生活に様々な悪影響を及ぼします。
視界が悪くなる
黄砂の大元は巻き上げられた砂埃です。大量の黄砂に見舞われると、砂が空から降ってくることになるので、視界が悪くなります。粒子が小さいと空中を漂う時間が長くなり、煙霧と呼ばれる現象を引き起こします。道路が渋滞したり、公共交通機関も遅延したりします。
洗濯物が外に干せない
洗濯物の上に黄砂が積もってしまうので、外干しができなくなります。コインランドリーや浴室乾燥機を上手に利用しましょう。
目や鼻がかゆくなる
砂や砂が空中で細かく砕けたものが空中に漂うので、目や鼻が痛くなったりかゆくなったりします。炎症を起こしやすくなり、敏感な人は発熱することもあります。また気管支が弱い人や喘息の人は、咳の発作が起きやすくなります。
黄砂とPM2.5の関係
黄砂と同時期に話題になるPM2.5。実は特定の物質をさして「PM2.5」と呼んでいるわけではありません。
PMはParticulate Matterの略で、日本語では粒子状物質といいます。PMの後ろにつく数字は粒子のサイズを表しています。PM2.5とは微小粒子状物質ともいい、大気に漂っているとても小さい汚染物質のことを指します。
近年、中国の大気汚染や土壌汚染が問題になっています。飛来する黄砂には汚染物質が染み込んでいたり付着していたりします。
日本も高度経済成長期には多数の公害が発生していました。現在の中国は、かつての日本のように廃棄物に対する規制が厳しくありません。黄砂の拡散とともにPM2.5も拡散させてしまっているのが現状です。
黄砂の対策
花粉症の対策と同じで、黄砂を目に入れない、吸い込まないことが重要です。眼鏡やマスクは効果的な対策法です。
通常の眼鏡でもかなりカットできますが、目の症状が酷い人は、カバー付きの眼鏡(花粉症用メガネ)をオススメします。度の入っていないものならネット通販などで安く購入できます。店舗で相談すれば度入りのものも作れます。またコンタクトは黄砂が付着しやすいので控えたほうがよさそうです。
目に違和感を覚えたときは、こすらずに目薬を差しましょう。こすると黄砂で目を傷つけてしまいます。目薬で洗い流してください。目薬でとれない場合は目の洗浄液も有効です。
大き目の粒子は普通のマスクでガードすることができます。しかしPM2.5はとても小さい(2.5μm=0.0025mm)ので、専用のマスクでないと防げません。普通のマスクに比べて専用のマスクは高価ですが、黄砂被害の酷い地区にお住まいの人や、喘息の人・気管支が弱い人は専用マスクの着用をオススメします。
まとめ
地球の大気の性質状、黄砂が日本まで飛来するのを止める方法はいまのところありません。砂漠が拡大するにつれ今後ますます酷くなっていくでしょう。自分でできる対策は講じておくにこしたことはありません。