窓が割れる? できれば避けたい! 都内の混雑する路線まとめその1
はじめに
満員電車って嫌ですよね。
都内在住の会社員のほとんどは通勤に電車を利用していると思います。そのため朝の7時台~9時台はどの路線も非常に混雑します。IT系企業を中心にフレックスタイム制の導入が広がりつつありますが、取引先との兼ね合いでなかなか通勤時間をずらすのは難しいのが現状です。
毎年4月になると新社会人や上京したばかりの学生、初めて電車通学をする子供など、ラッシュアワーに慣れていない乗客が増えるため、混雑具合が酷くなります。本記事では都内の混雑率上位の路線をご紹介します。
新年度に併せて転居・転職・転勤された方も多いと思います。いまいちど自身が利用する路線の混雑状況を確認し、混雑回避対策を取りましょう。
上り? 下り? 複線って?
混雑路線について解説する前に、電車の基本的な用語についておさらいしておきましょう。
上り・下り
郊外と都市部を結ぶ路線でよく耳にする表現です。基本的に都市部へ向かう電車を「上り」、郊外へ向かう電車を「下り」といいます。
京浜東北線のように東京駅を経由してのびる路線は、わかりやすくするため「大宮行き(北行)」「大船行き(南行)」と表現することもあります。
内回り・外回り
山手線は環状線なので上り・下りの概念がありません。慣れないうちは「内回り」「外回り」という表現に混乱してしまいますよね。実は電車も自動車と同じで左側通行なんです。なので内回り=半時計回り、外回り=時計回りになります。
ちょっと難しいですが、実際に駅にいけば「上野・東京方面」「渋谷・原宿方面」という風に駅名つきの案内が出ていますので安心してください。
単線・複線・複々線
これらは線路の数を表しています。
全国的によくみかけるのは「複線」です。上り1本、下り1本のあわせて2本。上り列車と下り列車が走りながらすれ違うことができます。しかし追い越しができないので、混雑路線だと渋滞したり故障や事故に対応できないことがあります。
複々線というのは、大都市やターミナル駅周辺に多くみられます。1つの路線に対して3本以上の線路があります。複々線になっていると、追い越しが可能になりますし、違う路線の相互乗り入れも可能になります。また1線で故障などがあっても残りの線路で対応できます。
単線は文字通り線路が1本で、上下線ともに1本の線路で運用します。当然すれ違うことができないので、単線の路線では駅で待ち合わせが発生します。
緊急停止信号
線路に人が落ちたときなどに発信される信号です。この信号を受けた運転士はただちに電車を止める義務があります。緊急停止信号は、発信した電車から半径1~2kmの電車すべてに送られるので、関係のない路線も停車しなくてはなりません。
もちろん関係のない電車は、安全確認が取れ次第、運行再開できるのですが、ラッシュ時は非常に多くの電車がタイトなスケジュールで運行されているため、遅延が連鎖的に広がってしまいます。
故障や人身事故などで運行停止状態になった場合、別の路線に人が乗り換えるためさらに混雑と遅延が拡大します。なるべく遅延を広げないために、乗客側も気を付けなくてはいけません。
東急田園都市線
2017年、何度も故障で運転が見合された東急田園都市線。乗客の圧力で窓ガラスが割れる事故がしばしば話題になっていますね。中央林間と渋谷を結ぶ路線で、沿線には人気の高い住宅街がたくさんあります。特に混雑するのは池尻大橋→渋谷間です。
ラッシュアワーは1時間に29本もの電車が走行していますが、溝ノ口~渋谷間が複線のため渋滞が起き、遅延するのが常態となってしまっています。また駅の構造上10両以上の編成ができません。
さらに田園都市線の渋谷駅は地下にあり、1つの島で上下線をさばかなくてはいけません。これも電車の渋滞が起こる大きな原因です。
新車両を投入したりバスを活用したりして輸送力の向上と混雑解消を目指していますが、沿線には新しく開発された街があり、今後もますます混雑するだろうと予測されています。
混雑の回避方法は、現状時間をずらして乗るくらいしかありません。今後田園都市線沿線に引っ越す人は、尋常ではない満員電車と遅延を覚悟する必要があります。
JR埼京線
埼玉から都心部への輸送を一手に担う埼京線。大崎から池袋・赤羽を経由して大宮までを結ぶ路線です。車両数が少ない上に複線なので、ラッシュアワーは大変混雑します。遅延は毎日のように起こります。特に酷いのは板橋→池袋間です。
板橋駅の周囲には住宅街があり、高層マンションが近年次々と建てられました。住人が急激に増えたにも関わらず、都心部へアクセスできる路線が埼京線ぐらいしかありません。
そもそも埼京線の利用者数が跳ね上がったのは、新宿が副都心として再開発され、池袋・新宿・渋谷がオフィス街として発展したからです。
元々現在ほどの人数を輸送する予定はなく、線路敷設時に住人の反対があったことも重なって、線路や駅の拡張工事はほぼ不可能です。
混雑を回避するには時間をずらして乗るか、赤羽で京浜東北線や湘南新宿ラインに乗り換えるくらいしか方法がありません。
JR京浜東北線
埼玉県の大宮から東京駅経由で横浜駅までを結ぶ京浜東北線。埼京線と並んで埼玉方面から都内へと人を輸送する路線です。最も混雑するのは川口→赤羽間で、混雑率は177%。朝夕のラッシュ時には2~3分間隔で運行されています。
2001年に湘南新宿ラインが運行開始し、2015年には上野東京ラインが相互直通運転を開始したことによって便利になりました。また一部区間では山手線と並走しているため、東急田園都市線やJR埼京線のような「複線ゆえの混雑」はありません。
しかし埼玉県からの輸送量の増加がすさまじく、上野・東京方面へのアクセスが便利なことから混雑の解消はなかなか難しいようです。また複数の路線が集まるターミナル駅を複数経由するため、他路線の緊急停止信号に巻き込まれたり、他路線が遅延した際に酷い混雑が発生することが多いです。
赤羽以北(埼玉県)の混雑はどうしようもありませんが、都内ならば代替路線が豊富なので、これまでに上げた路線よりは使い勝手がいいといえるでしょう。
まとめ
利用者が多く、混雑する3路線「東急田園都市線」「JR埼京線」「JR京浜東北線」についてまとめましたが、いかがでしょうか。4月からこの路線を利用する予定の人は心しておいてくださいね。また引っ越し予定の方は電車の混雑具合を念頭におくことをおすすめします。