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映画の応援上映ってなに? 普通の上映との違いや参加時に注意すべきこととは

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ここ数年、映画の「応援上映」の注目度が急上昇しています。アニメや特撮、漫画原作映画と相性がよく、都心部の映画館では既に新しい上映法として定着しつつあります。一方で応援上映ならではのトラブルも問題視されています。応援上映とはどのような映画鑑賞法なのでしょうか? どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。

イマドキ映画は上映形態も様々

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2019年7月19日(金)、新海誠監督の新作アニメ映画『天気の子』が封切りされ、最初の週末の興行収入が前作『君の名は。』を既に上回るペースだと話題になっています。皆さんも映画館でご覧になりますか? それとも地上波TVで放映されるのを待ちますか?

洋画・邦画問わず、アニメ映画や漫画原作の実写化作品の人気が続いています。ここ数年で完全に定番化したといえるのは「ディズニー」「コナン」「アニメ・漫画の実写版」「ヒット作の続編やリメイク」でしょう。それに加え、濃いファン(リピーター)の多い「マーベル(アメコミ)」や「深夜アニメの劇場版」もよく話題に上ります。

アニメや漫画系の作品は、昨今の映像技術やCG技術の向上の恩恵を受けやすいという特徴があります。座席に仕掛けがあって没入感を深めてくれる4DX上映などは、通常の2D上映よりチケット代が高くても人気があります。

同様に相性がよく人気のある上映法の1つに「応援上映」があります。文字通り映画の最中に、キャラクター(登場人物)を応援することができる上映法です。元はオタク文化の一種でしたが、2019年現在はアニメだけでなく、エキサイティングで思わず声を出したくなるような作品全般で「応援上映回」が設けられるようになりました。

滅多に映画館に行かない人にとってはあまりなじみのない「応援上映」。参加している人たちは具体的にどのように映画を観ているのでしょうか?

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声出しOK(推奨)! 「応援上映」とは?

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一般的に上映中は静かに過ごすのがマナーとされています。携帯やスマホの電源を落とすよう注意喚起されますし、上映中のおしゃべりもご法度です。売店で販売されているものを食べる音や、エンドロールが流れている最中に席を立つことも嫌がらることがあります。

確かに隣の人がうるさいと映画に集中できないので上述のマナーの多くは理解できます。ただ、どんな映画でも黙っていないといけないのは窮屈すぎるとも感じます。せめてギャグシーンの笑い声や怖いシーンの悲鳴など、作品によって心が動かされた結果出る声くらいはある程度許容されてもいいのではないかと筆者は思います……。

しかし「映画は静かに鑑賞したい派」と「心が叫びたがっているんだ派」は根本的に相いれない存在です。映画慣れしていない人ほど知らずしらずのうちにマナーを破ってしまうものですが、映画慣れしていないお客さんが集まらないとヒット作にはなりません。

マナーの周知は当然として、両者が気持ちよく映画を楽しむためにはどうすればいいのか。制作側や映画館が出した答えが「声を出してもいい上映回を設ける」ことでした。

あらかじめ「この回は上映中に私語OKです。存分に声を出してください」と告知しておけば、静かに鑑賞したい人は避けられますし、盛り上がりたい人たちも周囲に迷惑をかけずに済みます。1回目は静かに観て、2回目以降は声を出して観たいというニーズにも対応できるナイスアイディアです。

エンタメのトレンドは参加型・体験型

スマートフォンが普及した2010年代、映画に限らずさまざまな娯楽が持ち運べるようになりました。例えば動画配信サービスに加入し、自宅でDLしておいて通勤電車の中で閲覧することも可能です。

スマホだけで物事が完結するようになった現代、エンターテインメントは気軽に(あるいはインスタントに)消費されるものになっています。お客さんは以前ほど「物」に価値を見出さず、思い出に残る「体験」にお金を払うようになりました。

応援上映は客も映画に参加できる

「応援上映」とは文字通り、映像に合わせて応援できる上映法です。「声出し上映」「絶叫上映」などと呼ばれることもあります。登場人物を応援したり、登場人物と一緒にセリフを言ったり、ミュージカルパートで一緒に歌ったりできます。応援上映では、お客さんはただ映像を観るだけではなく、映画に参加できるのです。

海外では古くから、応援上映に該当するようなスタイルがありました。気質的に日本人よりフリーダムな国も多いでしょうし、邦画と違ってミュージカル要素が含まれる映画が多いという事情もあるでしょう。

ミュージカルパートが多い作品といえばディズニー映画ですよね。ストーリーが進行する合間に、当たり前のようにキャラたちが歌って踊りだします。日本にはない文化です。

『アナ雪』は、映画本編以上に歌が流行りました。「雪だるま作ろ~♪」「レリゴー♪(ありのーままの~♪)」どちらも耳によく残るいい曲だと思います。海外では「シングアロング」という、観客が一緒に歌える上映が定着しているのですが、『アナ雪』公開時に日本でも「みんなで歌おう♪歌詞付版」が導入されました。

……が、残念ながら映画館で一緒に歌う文化がなかったため、あまり成功したとはいえませんでした。歌ったのは自分ひとりだけだったとか、歌っていいルールを知らない人に叱られたとか、いきなり隣の人が歌いだして仰天しただとか。事前に懸念された通り、シャイな日本人にはちょっとハードルが高かったようです。

『キンプリ(※アニメ)』から応援上映が広まった

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状況が変わったのは『アナ雪』公開から2年後の2016年。『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(通称:キンプリ)の応援上映がニュースで取り上げられ、注目を集めました。

『キンプリ』は男性3人組アイドルが主人公のアニメです(※2018年にデビューしたジャニーズの「King & Prince」とは関係ありません)。アイドル物なので当然作中にライブシーンがあります。映画『キンプリ』の制作者は、本物のライブと同じようにペンライトを振って応援することを想定して映画を作ったそうです。映画館をコンサート会場に見立てて、観客全員で映画のキャラクターに向かってペンライトを振るから「応援上映」というわけです。

コンサートやライブに参加したことがある方なら共感できると思いますが、声援を送ったり、ペンライトを振ったりするのは楽しいですよね。いまはチケットが入手できなかった人のために、ライブの様子を劇場で生中継(ライブビューイング)することもあります。「応援上映」の楽しさはこれらに近いです。

『キンプリ』の応援上映のヒットが報道されたのをきっかけに、アイドル物以外の作品でも声出しOKの上映回が設定されるようになりました。アニメ作品やマーベルヒーローが出る作品などは応援要素が多いので、2回目以降は声援するために劇場に足を運ぶリピーターも生まれました。

皆さんは子供の頃、キャラクターショーをご覧になったことがあるでしょうか? ショッピングモールや広場などに着ぐるみやスーツアクターが来て、司会のお姉さんの進行で「がんばれー」と応援するアレです。日本ではミュージカルパートに合わせて歌う文化はありませんでしたが、キャラに向かって声援を送る文化はあるので、アニメ・特撮分野から応援上映・発声上映が定着したのは自然なことかもしれませんね。

トラブル回避のために上映回を確認しよう

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都心部の映画館を中心に増えつつある「応援上映(発声上映)」ですが、まだ完全に定着したとはいえません。若い世代はともかく、中高年以上の世代にはあまり知られていません。また各種イベントの多い東京をはじめとする都市部では受け入れられていますが、イベントが少ない地方では、応援上映を開けるほどの集客ができない現実があります。

通常上映か応援上映かを確認する

チケットを購入する前に、該当の回が「通常上映」か「応援上映」かを必ず確認しましょう。チケット販売サイトでも映画館でも注意喚起はされていますが、すべてのシアターとスタッフが応援上映への対応に慣れているとは限りません。

静かに鑑賞したいなら絶対に応援上映は避けるべきですし、逆に応援上映を知らない人がうっかり買ってしまうのも不幸です。

また応援上映を知らない人が多数派だと、声出し可にも関わらず、声を出すことで注意されるケースもあります。もしトラブルが起きた場合はすみやかに映画館のスタッフに相談しましょう。逆に間違えて応援上映に来てしまったら、周囲に腹を立てるのではなくシアタールームから退出してスタッフにチケット代の返金等について相談してください。

わざとトラブルを起こす人も…

残念ながら応援上映(発声可上映)を逆手にとってトラブルを起こす人がいます。今年公開された『アベンジャーズ/エンドゲーム』でも、声援を送る人に向かって野次を飛ばしたり、著しくマナーの悪い言動を取ったりする客がいたことが問題になりました。

いやがらせが趣味のような人間がいるのはどうしようもないことです。通常上映でも応援上映でも、マナーが悪すぎる客がいればスタッフに通報するしかありません。今後もそういうマナー違反者は増えると予想されますが、そうなれば劇場やスタッフも対応を厳しくせざるを得なくなっていくでしょう。

初めての応援上映は、上映慣れしている映画館で

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「応援上映」は、普通に映画を観るのとはまた違った楽しさがあります。興味がある方はぜひ一度体験していただきたいと思います。

ただし応援上映に不慣れな映画館ではトラブルが起きやすく、またトラブルが起きたときにきちんと対応できるとは限りません。初めて応援上映に参加するなら、頻繁に応援上映を開催していて慣れている映画館を選びましょう。

都心部の大きな映画館で4DX設備が整っている場所は、イレギュラーな上映法にも慣れています。公式サイトの上映スケジュールをチェックして、応援上映の回数が多く設定されている映画館がオススメです。

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VENGA編集部
VENGA編集部です。コンプレックスを持つ女性に寄り添う記事をお届けします。

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