不機嫌は伝染する!? 自分の感情を上手にコントロールできる女性になろう
周囲に不機嫌な人がいると、しんどい…
GWの連休明けは不機嫌な人が増える時期です。休暇が終わった後の通勤通学は楽しいものではありませんし、生活リズムを戻すにも時間がかかりますし、帰省などで却って疲れてしまった人もいるでしょう。
張り詰めた緊張の糸が切れて五月病を発症している人もいます。五月病といっても精神症状はさまざまで、ただ静かに落ち込むだけの人もいれば、コントロールできない苛立ちに飲み込まれて他人に八つ当たりする人もいます。
苛立ちに任せて八つ当たりする人は論外ですが、そうでなくても、周囲に不機嫌を隠さない人がいるとこちらまでイライラしたりしんどくなったりします。
生きていれば多少の気分のムラはお互い様です。しかし不機嫌な様子を隠そうともしないのはいい歳の大人がすることではありません。
ただ今の季節は心身ともに疲れきって、精神的な余裕がない人も少なくありません。追い詰められている人に注意を促しても逆効果です。他人に変わるよう促すのではなく、自分の立ち居振る舞いを変えて周囲の不機嫌から心身を守りましょう。また、人の振り見て我が振り直せ、自身の感情を制御するよう努めましょう。
「感情」は他人に伝染するもの
私たち人間には心があり、感情があります。そして周囲の人が抱いている感情をある程度察したり理解したりする能力を持っています。
人間は社会的動物です。社会の中に組み込まれ、他人とつながりを持たないと生きていけません。つながりを強固にする上で重要なのが「感情の理解」です。
人間の赤ちゃんは他の動物と違って何もできない状態で生まれてきます。あるのは本能的な「快/不快」の区別だけ。そこから保育者の言動や表情を真似することで社会性を身につけていきます。
つまり私たちは(アスペルガー症候群などの障害がない限り)生まれつき他人の感情を鏡うつしにして理解するようにできています。他人の感情や場の雰囲気から影響を受けるのは仕方のないことです。
ネガティブな感情の影響力は強い
不機嫌、憂鬱、イライラ、怒り…こういったネガティブな感情は、ポジティブな感情に比べて周囲に大きな影響を与えます。
というのもネガティブな感情は「不快感」から生まれるからです。動物が生きていくためには「快」を増やし、「不快」を減らすことが重要です。野生下では「不快」を放置すると死につながります。
人間も「不快な物事」を避けようとする本能を持っているので、不快感からネガティブな状態になっている人がいると、警戒心が高まるのです。またネガティブな感情は周囲に対する攻撃性の表れと取ることもできます。いずれにせよ他人の不機嫌につられてネガティブになるのは自然な防衛反応です。
理由なき不機嫌のせいで疲れる
また人間は状態のよくない仲間を守る動物です。野生動物にとって弱った仲間を助け養うことは群れの損失になりますが、人間にとっては弱った仲間を助け回復を待つ方が長期的に見て有益になります。
そしてなるべく仲間同士でのいさかいを避けようとします。力を合わせて社会を築くことでより発展できるからです。
「お互い様」という考え方がありますが、多少の機嫌の波はお互いに我慢して受け入れるのが一般的です。例えば普段穏やかな人がたまたま不機嫌だったら、その日はあまり刺激しないように気を付けたり、いたわったりしますよね。その逆もあるでしょう。
しかしお互いに心の余裕がなかったり、常に相手が不機嫌で自分ばかりが我慢していたりすると、心身ともにすり減っていきます。ありていにいうと「気を遣うのが疲れる」状態になり、「どうして自分ばかり疲れなくてはいけないのか?」とネガティブな感情が生まれます。
ネガティブな人から自分を守る
私たちが周囲の人の感情にのまれてしまうのはある程度仕方がないことです。ただ、いつも他人の不機嫌に振り回されるのはとても辛いことです。自分を守るすべを身につけましょう。
不機嫌な人から離れる
もし可能なら相手の機嫌に影響されない程度に距離を取りましょう。同じ部署の同僚という関係なら難しいでしょうが、なるべく不機嫌な人とは話さないことです。
親しい友人や家族でも、愚痴を聞くのは程々にすべきです。もし愚痴を持ちかけられたら、自分が疲れない程度の時間しか聞かないとあらかじめ宣言するのはいかがでしょうか。
常に不機嫌な人に期待しない
たまの不機嫌なら誰にでもあります。また仕事やプライベートがゴタゴタしていて一定期間不機嫌になることもあります。こういったことはお互い様といえます。
しかし常に不機嫌な人や、感情がコロコロ変わりすぎる人は違います。特に常に不機嫌な人は、その不機嫌さで周囲の人間をコントロールしようとしている可能性があります。社会人にもなって幼稚なわがままを振りかざす人は「その程度の人間」と割り切って、ハイハイとスルーしましょう。
感情がジェットコースターのようにコロコロ変わる人は、精神的に不安定です。あまり相手の言うことを真剣に受け止めるのはやめましょう。相手が職場の後輩や部下であなたの指導対象なら、上司や人事部、産業医等に相談してみてください。
自分は自分、他人は他人と割り切る
ストレスの多い現代社会を生き抜くのに必要なのは、いい意味での「鈍感力」です。相手が不機嫌な原因が、自分にも悪影響を与えることはあまりありません。自分と他人をきっちり区別し、相手の精神状態に左右されないよう「自分」を強く持つよう心がけましょう。
ネガティブな感情を他人に押し付けない
ここまで他人の不機嫌に巻き込まれる場合について書いてきましたが、逆にあなたの不機嫌に周囲を巻き込んでいることもあるかもしれません。
ストレスを溜めこむのは身体によくありません。かといって、ストレスという不快感から生まれたネガティブな感情を、TPOをわきまえず常に垂れ流しにするのは大人のすることではありません。
もしあなたがイライラしがちなら、普段の生活を思い返してみてください。八つ当たりしていませんか? 八つ当たりとまではいかなくても、周囲の人間に対して不機嫌丸出しの態度を取っていませんか?
客観的に見て、不機嫌丸出しの大人はとてもみっともないです。つい愚痴っぽくなってしまう人、不機嫌さを表に出してしまう人は年とともに人望がなくなっていきます。修正が効く年齢のうちに自分を変えましょう。
苦しさから逃れられず辛い場合は、心療内科やカウンセラーの手を借りることも検討してみてください。
適切にストレス発散して気持ちよく生きよう
ネガティブな感情や不機嫌さの原因は、「不快感」にあります。ストレスが多い現代社会では誰もが不機嫌になったり抑うつ気分に悩まされるのは当然です。
他人に八つ当たりしてはいけないとはいえ、我慢ばかりしていては心身を壊してしまいます。自分にあったストレス解消法を見つけ、適度に吐き出す場を探しましょう。また悪い感情にとらわれるとどんどん視野が狭まります。仕事や身内以外のコミュニティともつながることでストレスが軽減されるかもしれません。