ガーデンウェディングは負担大! 招待する新郎新婦側が注意すべきこととは?
結婚式の主役は花嫁だけど大切にすべきは招待客
結婚式と披露宴の主役は花嫁です。近年は地味婚が主流で、ドレス姿はフォトウェディングで残して、挙式費用を新婚旅行や二人の新生活のために貯蓄しておくカップルが増えていますが、もちろん子供のころに夢見た豪華な結婚披露宴を実現させたいと考える人もいます。
法律上は婚姻届けを提出し受理されると、配偶関係にある、つまり結婚している状態であるとみなされます。
結婚式と披露宴はあくまで周囲の人に「私たちは結婚しました」と報告する集まりです。かつて結婚が家同士の結びつきであると考えられていた時代には、互いの親戚や近所の人に報告とあいさつをするために開かれていました。
戦後になって「家」という考え方が薄れ、結婚も個人のものになりました。バブル景気の後押しもあって結婚披露宴はどんどん豪華になり、主に新婦の夢をかなえるためのパーティへと変化したのです。
不景気が30年近く続いている現在、派手さはなりをひそめましたが、「花嫁が持ち上げられる披露宴」という考え方はすっかり定着しました。
主役である花嫁が披露宴で夢をかなえるのは間違っていないし、いい風習だと思います。新郎新婦には祝福される権利がありますし、招待客だって新郎新婦のことを心置きなく祝福したいと考えています。
しかし招待客に負担をかけすぎると、祝福しようという気持ちが萎えるのも事実です。
新郎新婦の「これからは二人で力を合わせて頑張ります」という報告に対して、招待客は「おめでとう。頑張ってね」という気持ちを返すのです。招待客は都合をつけてわざわざお祝いにかけつけてくれているということを忘れてはいけません。
招待客のことをきちんと気遣う新郎新婦は祝福されます。新郎新婦が若ければ(招待客も若いですから)多少のはっちゃけは許されるでしょう。しかし20代後半、30代ともなれば、招待客を気遣えない新郎新婦に向けられる目線は厳しくならざるを得ません。
ロマンチックさとフォトジェニックさが抜群のガーデンウェディングは、残念ながら招待客にはとても負担がかかる結婚披露宴です。気持ちよく祝ってもらうためには一般的なパーティの何倍も気を遣う必要があります。
ガーデンウェディングを希望している新郎新婦が考えるべきことをまとめました。
ガーデンウェディングは招待される側には負担
新郎新婦から特別に指定されるなどよほどの事情がない限り、結婚披露宴の招待客は礼服やそれに準じたフォーマルな服装で出席します。女性ならドレスやワンピースが多いでしょう。着物を着る人もいますね。
このような改まった服装は、気温や天気の変化に対応するのが難しいという特徴があります。
暑さや寒さを防げない
ドレスやワンピースは露出が多いので羽織ものを用意していても厚着には限界がありますし、和服は簡単に脱げないのでどんなに暑くても我慢するしかありません。
会場が屋内なら空調や冷暖房器具で室温をある程度調整できますが、ガーデンウェディングではそうもいきません。ガーデンパーティ用の準備をしても、夏の暑さと冬の寒さは防げません。気候のいい秋でも日が落ちるとかなり寒くなります。
少々の暑さ寒さは、仲のいい友人なら目をつぶってくれるかもしれません。しかし体調不良を引き起こすレベルになれば話は別です。
花粉や風邪が流行する季節もある
花粉症患者は年々増えています。もはや公害と呼んで差し支えないほどです。とくに春先は経済が鈍るほどの問題になっています。
花粉症患者にとってガーデンウェディングは鬼門です。アレルギー症状でお祝いをするどころではなくなります。気候のいい春と秋は花粉がよく飛ぶので、仕事以外では外出したくない(すべきではない)人は大勢います。
また9月になるとインフルエンザの流行が始まります。2018年もすでに東京では学級閉鎖が実施された小学校があります。インフルエンザでなくても、暑さ寒さで身体が弱ると風邪を引きやすくなります。
天気が悪いと持ち物が汚れる
「本日は足元が悪い中~」という挨拶がありますが、それなりの格好をしている人にとって雨は憂鬱なものです。服が濡れても着替えられませんし、靴が泥まみれになるかもしれません。
雨が降る中庭園に出れば、膝下に泥が跳ねるでしょう。傘を持つ分荷物も増えますし、記念撮影のときは傘が持てないのでずぶぬれになってしまいます。
ガーデンウェディングで人間関係が壊れることも…
見栄えのいいガーデンウェディングですが、現代日本の気候で成功させるのは少々難しいですね。無茶を承知でガーデンウェディングを決行した結果、ドタキャンが多発したり、披露宴の後に友人知人から縁を切られてしまうケースも多数報告されています。
招待客の体調や仕事に悪影響が出る
写真だけのフォトウェディングや親しい人だけを集めたカジュアルなレストランウェディングが人気なことからわかるように、現在の若い世代は派手な結婚式や披露宴に価値を見出す人が減っています。
収入の減少だけでなく、忙しさも原因でしょう。それでも友人に招待されればお祝いにかけつけたいと思うのが人情です。
1日2日ならなんとか都合をつけられたとしても、披露宴に出席したせいで体調不良になってその後に響くのは困ります。具合が悪くなるのが目に見えていれば欠席する人が出るのも当たり前ですし、お祝い事だからと当日は我慢してその後の関わりを断とうと考えるのも無理ないことです。
新郎新婦だけ対策ばっちりで恨まれる
自然現象に左右されるからといって、まったく対策が取れないわけではありません。しかし暑さ寒さ対策は得てして面倒でお金がかかります。隅々まで行き届かせるのは難しいでしょう。
最悪なのは、新郎新婦の居場所だけばっちり対策をして、招待客のいるスペースへの配慮がないことでしょう。出席者が辛い思いをしているのに新郎新婦だけ何も知らずにニコニコ笑顔というのは、祝う気持ちが失せるどころか全員に最低の思い出として記憶されてしまいます。
体調不良者が続出して式がぶち壊しに
気候が悪いのに強行すれば、体調を崩す人が必ず出ます。ちょっと風邪を引く程度ならまだしも、熱中症や低体温を起こせば救急車を呼ぶ騒ぎになります。暑すぎる季節は食べ物も傷みやすいので注意が必要です。
忙しくて疲労がたまっている人や親族の高齢者などは、無理をしすぎると最悪の事態に発展する可能性だってあります。
ガーデンウェディングに招待するときは謙虚な気持ちで
若気の至りならともかく、20代後半以上になって招待客のことも考えずに「主役は花嫁」を文字通り実行する人は、配慮ができないと思われます。
確かに主役は花嫁、新郎新婦ですが、同時にパーティを主催するホストでもあります。ホストにはゲスト(招待客)をおもてなしする役目があります。
たくさんの人にお祝いしてもらいたいなら、お祝いしてくれる人たちを大切にしなくてはなりません。招待客が快適に過ごせるように心を配ってこそ、「立派な人だ」「この夫婦はしっかりやっていけるだろう」と思ってもらえるのです。
ガーデンウェディング自体は悪いことではありません。しかし招待を受ける側にも事情があります。長時間外にいることができない人が欠席するのは当たり前のことで、責めてはいけません。
出席するつもりでいても、どうしても体調を悪くするわけにはいかないから、当日の天候次第で欠席する人も出るでしょう。仕事が忙しいのかもしれませんし、妊娠していたり子育てが大変だったりするかもしれません。本人が良くても家族に病気をうつすわけにはいかないでしょう。
負担が大きいので、ガーデンウェディングは出席を断られても仕方がないものと諦めるべきです。どうしても来てほしいなら対策を完璧にすべきですし、出席者には感謝して最大限丁重に扱いましょう。
準備も対策も徹底して成功させれば、出席者にとっても思い出深い式になります。労力とお金をかけられないなら、ガーデンウェディングは選択から外すほうが無難です。
結論! 我儘が過ぎないように注意して
いくら主役であり、1日だけお姫様扱いしてもらえるからといって、我儘が過ぎると人間関係を壊してしまいます。結婚して披露宴を行うということは、親の庇護下から離れ、大人として自立して夫婦の生活を送っていく宣言をするということです。ガーデンウェディングを行うなら覚悟して準備をしましょう。間違っても欠席した人や、写真を撮りたがらない出席者を責めるようなことはしてはいけません。祝ってもらえるのは、祝われる価値のある行動をした人だけと心得てくださいね。