何もしてないのに筋肉痛やこむら返りが起きる? それは熱中症のサインです!
就寝中のこむら返りが辛い!
普段通りの生活を送っているはずなのに、妙に筋肉痛が長引く。やっと寝付いたと思ったらこむら返りで目が覚める。そんな症状に悩んでいませんか?
夏は疲労を感じやすい季節です。というのも体温を下げるために大量のエネルギーが必要だからです。直射日光で傷ついた各種細胞を再生させるにもエネルギーが入ります。しかし体調を維持するためにエネルギーを使いすぎて、食べ物を消化するエネルギーが足りなくなり、栄養不足から夏バテが引き起こされます。
特に2018年は観測史上初といえるほどの強烈な猛暑が続いています。熱中症患者は増える一方ですし、中には命を落とされた方もいます。炎天下での不要な運動を控えている方がほとんどだと思いますが、その割には筋肉の諸症状に悩まされている人も多いはずです。
「運動不足になりすぎて、通勤だけで筋肉痛になるのかな?」「歩かなさすぎて足がつったのかな?」と考えているかもしれません。実際そういった側面もあるでしょう。
しかしひょっとすると、これらの筋肉の症状は熱中症の初期症状の可能性があります。軽度の熱中症の症状には「筋肉のけいれん、こむら返り、筋肉痛」が含まれています。熱痙攣と聞くと随分重症に感じますが、こむら返りのようなちょっとした筋肉のけいれんも該当します。
この記事では筋肉痛やこむら返りが起こる理由と、熱中症との関係を解説します。
実は筋肉痛の原因はよくわかっていない
運動不足の人が無茶をした日や、いつもよりたくさん歩いた日の夜は、筋肉痛やこむら返りに悩まされます(その日のうちに筋肉痛がくることで、「まだまだ若いぞ!」と確認している人もいますよね/笑)。そもそもどういう仕組みで筋肉痛やこむら返りは起きるのでしょうか。
疲労物質?うっ血?筋肉痛は休めば治る
普段より激しい運動をすると筋肉痛になります。筋肉痛とは筋肉に生じる痛み全般を指します。私たちが普段口にしている筋肉痛は「遅発性筋肉痛」という症状で、運動後数時間~数日経つと現れる痛みです。
ちまたでは「筋肉が疲労すると乳酸が溜まり、酸素供給の邪魔をする」という説が一番よく広まっていますが、実は筋肉痛のメカニズムにはほかにも様々な説があります。乳酸説は肩こりと同じ仕組みなのでとても最もらしいのですが、医学的には矛盾点があるそうです。
痛みが生じる原因は特定されていませんが(もしかすると様々な要素が重なっているのかもしれませんね)、筋肉を酷使して筋繊維が切れたときに起こるのは間違いありません。筋繊維は数日で再びつながり痛みも治まります。筋肉痛が起こるたび身体が強くなるのです。
筋肉痛は休息をとることで回復します。身体を安静にして、痛い部分を冷やしたりお風呂にゆっくり浸かったりするのを「消極的休息」、ストレッチなどで筋肉をほぐすのを「積極的休息」と言います。運動後にするクールダウンは積極的休息ですね。両方を組み合わせると早く回復します。
こむら返りは筋肉のけいれん
こむら返りとは、いわゆる足がつった状態のことで、主にふくらはぎが勝手にビクビクビクとけいれんします。こむら=ふくらはぎです。ふくらはぎ以外にも、肩や背中などがけいれんすることもあります。心室細動は心臓のこむら返りです(怖い!)。
こむら返りが起きている部位を見ると、筋肉がブワッと盛り上がって硬くなっているのがわかります。収まった後に筋肉痛になってしまうこともあります。激しい運動をした夜、寝ているときになることが多いです。かなり痛いので「ギャーッ」と飛び起きた経験のある人もいるはずです。
筋肉痛と同じく原因は特定されていませんが、水分不足や電解質のバランスが乱れると起こります。あまりにもしょっちゅう繰り返す場合はなんらかの病気が隠れている可能性もあります。
ふくらはぎに起きた場合は、慌てずに膝をのばして座り、足の親指をもって身体に近づけるようにグイーっとひっぱると収まります。つま先立ちでしゃがむと同様の効果が得られますが、転ばないように注意してください。
身体が硬いと応急措置ができず、自然と収まるまで痛みに耐えるしかなくなるので、最低限、前屈したときに足の指に手が届くようにしておくことをオススメします。
水分不足、電解質不足
特に何もしていない暑い日に筋肉痛やこむら返りを繰り返す場合は、汗をかきすぎて水分や電解質のバランスが崩れている可能性があります。すなわち熱中症の初期症状が出ているかもしれないということです。
電解質というのは、水に溶けると電気を通す物質です。カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルを指します。細胞に水分を届けるにはこれらの電解質が重要な働きをします。
汗をかくと水分だけでなく塩分が失われます。塩の主成分は塩化ナトリウムです。塩分不足になると電解質のバランスが崩れ、細胞が正常に働けなくなります。結果、筋肉へ栄養が行きわたらなくなったり異常な動作を起こして、筋肉痛やこむら返りが起こります。
熱中症の初期に水分や塩分が不足すると、筋肉痛やこむら返りが起こりやすい状態になります。熱中症の自覚症状がなくても、筋肉が諸症状を繰り返す場合は、涼しい場所で身体を安静んしいて、水分と塩分を適切に補給しましょう。改善するならそれでよし、改善しない場合は病院へ行ってください。
スポーツドリンクは吸収がはやい
ペットボトル飲料(清涼飲料水)の飲みすぎは、ペットボトル症候群という重篤な急性の糖尿病を引き起こします。
しかし熱中症のときは、スポーツドリンクを飲むのが一番です。とくにポカリスエットは、体内に成分が吸収されやすい濃度に調整されているので、症状が軽いときの第一選択飲料です。
似たような飲料にアクエリアスがありますが、アクエリアスはアミノ酸を含んでいるのでスポーツ中に向いていて、ポカリスエットは水分と塩分をすぐ補給しなくてはいけない熱中症や風邪のときに向いています。
麦茶と塩飴(塩タブレット)でも水分と塩分は補給できます。しかし緊急時は糖分が含まれていて吸収の早いスポーツドリンクを飲むのがいいでしょう。常に甘いものを飲むと身体を壊しますが、たまになら問題ありません。
まとめ! こむら返りは身体からのヘルプサイン
筋肉痛やこむら返りを繰り返すときは、水分とミネラルが不足しています。汗をかいたときにお茶だけを飲んでいると、塩分やミネラルが不足し、却って熱中症が悪化することがあります。症状が続く場合は電解質のバランスが崩れている可能性があるので、ポカリスエットなどを飲んでよく休んでくださいね。