日本人のヘアケアにピッタリ! つげ櫛を日常使いしてツヤ髪を手に入れよう
伝統のつげ櫛の効果が見直されている
梅雨に入りました。毎日湿度が高いです。髪の癖が強い人にとってはとても辛い季節ですね。この季節になると毎年、高校時代の同級生が「朝洗面所の鏡を見たら、その日の降水量がわかる」と言っていたのを思い出します。
寝ぐせ直しにヘアアイロン、スタイリング剤、スプレー…ヘアスタイルをキープする道具や薬剤はたくさんありますが、これらはあくまで応急処置、補助でしかありません。美しい髪をキープするためには髪そのものを健康に保ち、十分に保湿する必要があります。
私たちができるもっとも簡単なヘアケアはブラッシングです。私たちは毎日数回髪にブラシをかけますが、そのブラシを髪に優しい「つげ櫛」に変えることで、静電気を防ぎ潤いを与えられます。
つげ櫛とはなにか、つげ櫛の何が髪にいいのか、どこで買えるのかなどをまとめました。
つげ櫛とは
つげ櫛とは日本で古来から用いられてきた、ツゲの木で作られた櫛です。日本最古の和歌集である万葉集にもつげ櫛を持つ女性への恋の歌が収録されているので、少なくとも7世紀(西暦600年代)にはつげ櫛が使われていました。
ツゲは日本産の植物で、自生のツゲは絶滅の危険性があるため保護されています。木目が細かくて硬いため加工に向いていて、特に細かい装飾を施す細工物に重用されてきました。
明治以前の日本では、櫛はまとめ髪にさす装飾品(かんざしの一種)でした。油で固める日本髪が廃れ、髪を洗う頻度が上がるにつれ櫛の役割は海外でいうコームにシフトしていきました。現代の日本人はプラスチック製のコームやブラシで髪をとかしている人が多いですよね。
コームと比べると値段が高く、同じ価格帯では洋風のブラシの人気が高まったため、つげ櫛を使う人は減っていきました。しかし最近になってつげ櫛が髪にツヤを与えてくれることがわかり、100円ショップなどで安価な製品が販売されるようになって、つげ櫛の価値が見直されています。
毎日つげ櫛でとかすとツヤ髪に
皆さんは毎日髪をとかすのにどのようなブラシ(櫛)を使っていますか?プラスチック製のコーム、ブラシ型のコーム、豚毛のブラシ、アイロンと一体化した櫛、手櫛(!)。ブラシにお金をかけている人もいれば、最低限とかせればいいやという考え方の人もいるでしょう。
髪を整える目的の櫛には、ブラシタイプとコームタイプのものがあります。ブラシタイプは頭皮にほどよい刺激を与えてくれるので人気ですね。コームタイプは持ち歩きやすく、髪を整えやすい特徴があります。ブラシでツヤを出し、コームで整える2本使いの人もいるでしょう。
つげ櫛はコームタイプに分類されます。半月型や長方形に近い形が多く、最近は持ちやすいように柄がついたものもあります。
ツゲの木から作られたつげ櫛は、プラスチック製のコームやブラシと違って静電気が発生しにくい特徴があります。髪をとかすときに静電気が発生すると、髪が絡まったり切れてしまったりします。つげ櫛に変えるだけで髪がおとなしくなります。
つげ櫛は使いこむほど進化していきます。つけ櫛のお手入れには椿油を使うのですが、お手入れのたびに椿油がつげ櫛に染み込んでいき、櫛を通すたびに染み込んだ椿油が髪にツヤと輝きを与えてくれます。つげ櫛×椿油の組み合わせが、潤いのある美しい髪を作ってくれるのです。
つげ櫛はどこで買えるの?
髪にツヤを与えてくれるつげ櫛ですが、高級なイメージがあってちょっとハードルが高く感じますよね。確かに以前はいかにも“老舗”な雰囲気を漂わせているお店が多かったのですが、現在は若い女性が気軽に日常使いできるデザインやクラスの櫛も増えていますし、実店舗に行かなくてもネット通販で買えます。100円ショップで販売されれているものも、うまく手入れすればプラスチック製のコームよりずっとすばらしい櫛になります。
百貨店や実店舗
高級品に分類されるつげ櫛は、和の小物を扱っている専門店で取り扱われています。櫛専門店もありますが、呉服屋さん(和服のショップ)や木製小物のショップにも置いてあることが多いです。
百貨店やデパートに入っている「和」のお店ならたいていの場合取り扱われているでしょう。うちわや扇子と一緒に置かれていることもありますし、アクセサリーショップのかんざしコーナーに置かれていることもあります。筆者が現在使っているつげ櫛は、東急ハンズのヘアケアグッズコーナーで買ったものです。
ネット通販
最近はつげ櫛専門店もネット通販で櫛を販売しています。公式サイト以外では楽天などの通販サイトに出店しています。すぐに欲しいなら楽天やAmazonがオススメです。つげ櫛の解説やお手入れグッズも豊富なのは各専門店の公式サイトです。
少し前まではいかにも高級そうで和装向けのデザインがほとんどでしたが、最近は若い女性が使いやすい、高級過ぎないデザインや持ち手のついた櫛、携帯性にすぐれた櫛なども作られています。値段も安価なものから高級なものまでさまざまです。
100円ショップ
実は100円ショップや300円ショップのようなお店でもつげ櫛が売られていることがあります。こういったショップでは仕入れた商品が売切れたら同じ品は販売されないので、いつでも必ず手に入るとは限りません。が、つげ櫛は人気が高いので定期的に新商品が入荷されている印象です。
高級品と目されるつげ櫛がなぜ100円+αで買えるのでしょうか?
実は日本国外、特に東南アジアでもツゲは栽培されています。国産のツゲほど品質管理は徹底されていないため、工芸品の材料としてのランクは落ちます。しかし細かい装飾を施さないのなら問題ありません。普段使いのつげ櫛ならば東南アジア産のツゲでも十分です。大量生産することで単価が下がります。
ただある程度値段の張る国産つげ櫛に比べると当然ですが質は落ちます。しかし安物でも椿油でお手入れを続けていくとやがて味のある素晴らしい櫛に育っていきます。まずはお試しに安いものを買い、つげ櫛の効果に納得できたら高価なものを買うというのもアリだと思います。
ナチュラルなツヤ髪をゲットしよう
古来から使われてきたつげ櫛は、日本人の髪のお手入れにぴったりです。毎日のブラッシングをつげ櫛で行うことで、自然と髪にツヤがうまれ健康的な美髪が完成します。美容師もオススメするつげ櫛を、ぜひ試してみてください!