確定申告は3月15日まで!
働き方改革にあわせて副業を許可する企業が増えつつあります。ネットやスマホが発達したおかげで在宅ワークの幅が広がりましたし、人手不足の解消も兼ねて出社前・退勤後のスポットワークを募集している企業もあります。
食品の値段は上がる一方ですし、消費税増税も控えていますし、副業を始めた方は多いと思います。あるいは厚労省の不正統計問題と実質賃金低下のニュースを見て、副業しようと決意した方もいらっしゃるでしょう。
副業で稼ぎを増やしたとき問題になるのが、税金です。
特定の会社に雇われてお給料をもらっている人の多くは、確定申告をしたことがないと思います。正規雇用でも非正規雇用でも、税金は給与から天引きされるケースがほとんどです。
しかし副業で得る収入は、本業の会社には介入できない部分なので自分で税務署に確定申告をしなくてはいけません。確定申告というのは、1年間の収入や支払いから納税額を確定し、税務署に申告することです。
締め切りは毎年3月15日。2018年1月1日~12月31日の間に副業で収入があった人は、2019年3月15日(金)までに確定申告をする必要があります。あと1週間あるので、まだの人も十分間に合います。
脱税は数年後に追求される
2ヶ所以上から給与所得を得ている人、副業の所得が20万円を超える人は確定申告の義務があります。とはいえ、「本業より全然稼げてないし、黙っていたらバレないのでは?」と考えてしまう気持ちもわかります。
残念ながらいまどきの税務署はほんのちょっとの稼ぎも見逃してくれません。マイナンバー制度によって銀行口座が紐づけられているので、その気になればお金の流れはすぐに調べられます。
「税務署に払えって言われたら払おう」という考え方はよくないです。なぜなら脱税は数年放置してから捕まえた方が、滞納の延滞料金をたくさんとれるからです。少額だから見逃されているのではなく、ガッツリ取れるまで泳がされているだけだと思ってください。
趣味で得たお金も忘れないで
クラウドソーシングで受託する仕事や短時間のバイトは、稼げる額も多めなので確定申告を忘れる方は少ないでしょう。
うっかり申告漏れを起こしやすいのが「販売」系の副業です。アプリで自作のアクセサリーを販売したり、同人即売会で自作の漫画や小説を販売(頒布)したりした場合も、利益が出れば確定申告の対象になります。
所得20万円=収入―必要経費
ただし副業で得た額が20万円未満なら、納税額が少なすぎて回収する費用の方がかさむので、確定申告は免除されます。この場合の20万円は、収入(額面)から必要経費を引いたものです。
例えばアプリで自作のアクセサリーを販売したとします。売上が25万円でも、材料費が10万円かかっていたら所得は15万円で免除対象になります。
住民税は所得20万円未満でも申告が必要
収入に対してかかる税金は「所得税」「住民税」の2種類です。所得税は国、住民税は市区町村に納めます。副業所得が20万円未満なら国は所得税をナシにしてくれますが、地方自治体は20万円未満の額にもしっかり住民税をかけます。
市区町村の役所で住民税用の申請だけをしてもいいですし、20万円未満でも医療費控除などを受けたい場合は確定申告をしなくてはいけません。
期限までに申告すれば、後から修正できる
確定申告の締め切り日まであと1週間です。まだ時間はありますが、忙しい方や不慣れな方は間に合わないかもしれませんね。
でも安心してください。確定申告は後から修正できます。もとは間違って納税額を多めに確定した人/少な目に確定した人のための制度なので、多用すべきではありませんが、遅れてでも申告しないよりはマシです。
ただし実際より納税額を少なく申告したまま放置していると、税務署側から「正しい額にしてください」と注意されます。注意(更生)を受けた後はもう修正できません。脱税と見なされて延滞料を取られます。
逆に納税額を多く申請してしまった場合は、5年以内に申告しなおさないと無効になります。
税務署は、真面目な納税者には優しい
税金関係はややこしい決まりが多くて面倒ですよね。また生活が苦しくて副業を始めた方にとって、容赦なく税金を取る税務署は恨めしい存在かもしれません。
しかしイメージとは違って、税務署は真面目な納税者に対して非常に優しいです。
医療費がたくさんかかっても申請さえすれば控除が受けられますし、所得が低い場合は取りすぎた税金を「還付金」として返してもらえます。副業をするなら、税金や納税の仕組みも勉強しておくことをオススメします。スキルアップにもつながりますよ。