AirDropでファイルを簡単にやり取り
日本は世界で一番iPhoneの利用率が高い国です。素の状態でもオシャレで、カバーやケースの選択肢が豊富で、使い方が簡単なので特に若い女性に大人気です。
iPhoneの良さは誰でも使えること
2018年8月現在の最新機種は、「iPhone 8 / 8 Plus」「iPhone Ⅹ」です。Appleは毎年9月に新作を発表するので、もうすぐ8とⅩのマイナーチェンジ版がリリースされると予測されています。
iPhoneは常に新しい技術を積極的に導入しています。また直感的であること、つまり、初めて触れる人でも戸惑わずに使えることを重要視しています。実際に「PCやネットはよくわからないけど、iPhoneでLINEやインスタアプリを使いこなしている」という人は多いと思います。
AirDropはファイル送受信サービス
2016年、iPhoneに取り入れられたのが「AirDrop」というサービスです。
iPhone同士やMacのPCへファイルを送受信します。写真のやり取りによく使われます。Wi-FiまたはBluetoothを利用するので、データ通信量(いわゆる「ギガ」)を無駄遣いしないので、お財布にやさしいサービスです。
AirDropはiPhone 5以降(iOS 7以降)のすべての製品に搭載されています。iPhone 5が発売されたのは2012年の9月。ですので、現在使われているApple製品のほぼすべてでAirDropは使えるはずです。
ちなみに現在は「iOS11」が主流です。私が2013年からずっと使っているiPhone 5はとっくに非対応端末になっています。AirDropこそ使えますが、ほとんどのアプリが重くて動かないので、そろそろ観念して買い替える予定です。
iOS11ではWi-FiとBluetoothが勝手にオンになることも
iPhoneに限らず、スマホや携帯を買い替えると、最初にいろいろな設定をしますよね。例えばアプリをDLするのに必要なApple IDや、位置情報のオンオフです。
上に書いたように、私はiOS11非対応のiPhone 5を使っているので知らなかったのですが、実はiOS11では特定の条件を満たすと、オフにしていたはずのWi-FiやBluetoothが勝手にオンになって再接続されることがあるそうです。
AirDropサービスを使うには、Wi-FiかBluetoothがオンになっていなくてはなりません。
勝手にオンになってしまった結果、見知らぬ人とAirDrop越しにファイルをやり取りできる状態になってしまうことがあるのです。
初期設定のままだと本名がバレることも!
電車の中でiPhoneを操作していると、しばしば「ワイヤレスネットワークを選択」という画面が出ます。4G回線よりWi-Fiを優先するように設定しているからです。
上の画面では、少なくとも2人のiPhoneが検出されました。どちらもおそらく本名です。Apple IDを設定をするとiPhoneは「(持ち主)のiPhone」「(持ち主)’s iPhone」という名前になります。
Apple IDはアプリや音楽、電子書籍などに課金するため、本名を使いますよね。
この状態でインターネット共有をオンにすると、上の画像のように、近くの人に名前がバレてしまいます。
グロ画像や卑猥な画像を送りつけたい痴漢にとって、本名や本名が推測できる名前を丸出しで、すべての人にAirDropの受信を許可している人は格好のターゲットです。ネットワークを拾えるくらい近くに女性がいるとわかるからです。
自分のiPhoneの名前を確認する
まずは自分のiPhoneがどんな名前になっているか確認しましょう。
設定を開き、一番上にあるApple IDの項目をタップします。
下へずっとスクロールしていくと……
ピンクで囲った部分が、いま操作している「このiPhone」の名前です。
操作中のiPhoneの下に、連携しているアイテムが表示されます。上のスクリーンショットでは、バックアップを取るためのPC(Windows)と、自宅から持ち出さないiPadが表示されています。
初期設定だと、iPadの項目のように「(名前)のiPhone」と表示されます。自宅の外で使う場合や、AirDropを使う機会が多い人は名前を変えることを強くおすすめします。
iPhoneの名前を変更する方法
自分のiPhoneの名前がわかったら、変更してみましょう。
設定>一般とタップします。
iPhone全体の一般的な設定ができます。一番上にある「情報」をタップします。
いま私がAirDropを使うと、送信者名に「^_^」と表示されます。(もう変更しました。)
表示名のほかにも、iPhoneにアプリや曲がいくつ入っているか、容量がいくら残っているかなどがわかります。
名前をタップすると、入力画面に切り替わります。悪目立ちせず、アクセスを許可している知人に見られても恥ずかしくない名前がオススメです。下の名前だけでも女性だとわかってしまうことが多いので、気を付けてください。
すべての人に許可するのは危険
これまで自分が撮った写真を誰かに共有する(送る)には、メールに添付したり、LINEなどで送って保存してもらう必要がありました。しかしAirDropを使えば、データ通信を使わずに、Wi-FiやBluetooth越しに直接写真を送って保存してもらえます。
画像だけでなく、連絡先の交換にも使える便利な機能ですが、送受信の許可範囲を「すべての人」にしてしまうと悪用されることがあります。
AirDrop機能そのものを制限する
ファイルのやり取りを滅多にしない人は、AirDropの機能自体を制限してしまいましょう。
設定>一般>機能制限とタップすると、パスコードの入力が求められます。
パスコード入力後に、それぞれのアプリの機能を1つ1つ変更できます。私は普段AirDropを使う機会がないのでオフにしています。
機能制限すると、画像を選択して共有するときに、AirDropの送信候補が表示されません。
AirDropの許可範囲を変更する
友達や家族などとファイルのやり取りをする人は、AirDropを使わないときは許可範囲を変更すると安心です。
ホーム画面の下から上へスワイプすると、設定変更画面が出ます。
自分を検出できる人、ファイルを送受信できる人を「連絡先のみ」にすると、電話帳に登録された人とだけいつでもやり取りできます。
普段は「受信しない」設定にしておいて、必要なときだけ「全員」にするのもアリです。共有後に設定を戻すのを忘れないでくださいね。
自分の身は自分で守ろう!
AirDrop痴漢がiPhoneを起動したとき、「(本名)’s iPhone」と表示されたとします。ファイルの送受信ができる範囲に本名丸出しの女性がいるとわかっている状態です。
不愉快な動画が急に送られてきたら、驚きますよね。拒否しようと操作しますから、AirDrop痴漢から見れば「あの女性が(本名)か」と特定できます。逆に被害者側からは痴漢が誰かはわかりません。
AirDropで画像が共有されると、画面の中央にサムネが表示されます。連続して何度も共有されると、「辞退」をタップしてもずっと同じ画像が表示され続けることになります。被害者が逃げるまで軟百回も嫌な画像を共有し続けた例も報告されています。
電車内では逃げ場がありません。駅について加害者から物理的に離れない限り、ずっと不快な思いをするでしょう。
しかも下手に大騒ぎすると顔と名前を両方覚えられてしまいます。顔を覚えれば毎日の行動範囲も特定できます。痴漢からストーカーに発展する可能性だってあるのです。
まとめ
AirDropのファイル共有機能はとても素晴らしい技術です。しかし悪用する人間は必ずいますし、サイバー犯罪対策は遅れています。自分の身を守れるのは自分だけです。
設定を変更して個人情報が漏れないようにし、接続設定を「すべての人」にするのは必要最小限にとどめましょう。