始めに…
今年は手作りのおせち料理で新年を迎えよう!
なんて気合を入れてレシピ本を開いたら、どれを作ったらいいのかな、なんだか難しそうだなと、なんとなく気後れすることってありませんか?
作り慣れていないし、新年の特別な料理なのに失敗しちゃったらどうしよう…なんて考えてしまうことありますよね。
だけど、おせち料理というものは本来、縁起をかつぐ食材や日本人がおめでたいとしている食材を組み合わせた料理で、難しいものではないのです。
ここでは数多いおせち料理の中から選んだ、定番5品の調理のコツとレシピを紹介します。
えびのうま煮
長寿を願う縁起物のえびは、その赤い色が一際おせち料理の中で目を引きます。ここでは簡単に色艶良く仕上がる、えびのつや煮を紹介します。
おせち料理に適したえびの選び方と調理のコツ
おせち料理では一般的に有頭車えびを使います。なるべく殻の色や艶がきれいで、身もピンと張っている新鮮な物を選びましょう。
長いひげは短く切り、背ワタをつまようじなどで取り除いておきます。
冷凍の無頭えびでも代用は可能です。
流水で解凍したら背ワタを取り、えびを「つ」の字にしてつまようじを刺して形を固定します。そうすると、煮たときに形が崩れずきれいに仕上がります。
えびのつや煮の作り方
材料(3~4人分)
えび 8~10本
薄切りショウガ 4枚
煮汁
酒 200ml
みりん 大さじ6杯
砂糖 大さじ6杯
しょうゆ 大さじ1杯
作り方
- 1えびはひげを切り、背ワタを取り除く
- 2鍋に酒、みりん、砂糖を加えて焦げないようかき混ぜながら中火で煮詰め、煮汁が半量くらいまでになったらしょうゆを加えさらに煮る
- 3煮汁に色がついてきたら一旦火をとめ、えびを煮汁の中にきれいに形作りながら入れる
- 4菜箸でえびがきれいな「つ」の形になるよう整えながら弱火で煮、えびの上に薄切りしょうがをのせる
- 5ひと煮立ちさせたら火をとめ、冷めたらタッパーなどにいれて保管しておく
栗きんとん
みんな大好き栗きんとん!
だけど、栗きんとんってサツマイモの裏ごしが大変…。でもご心配なく!裏ごし不要、ミキサーで作れる簡単なレシピをご紹介します。
栗きんとんに適したサツマイモの選び方と調理のコツ
きんとんは「金団」と書き、「金」がつくことから金運がつくと言われています。ですから、使うサツマイモも黄色の濃い金時などが向いています。
口当たり滑らかな栗きんとんを作るために、サツマイモの皮は厚めにむいて、繊維の多い部分を取り除きましょう。
栗の甘露煮は、混ぜ合わせる前に軽くレンジで栗を温めると、割れにくくなります。
栗きんとんの作り方
材料 3~4人分(たくさん食べたい人は多めに作ってください)
サツマイモ 500g
くちなしの実 2個
栗の甘露煮(瓶詰) 8~12個
栗の甘露煮のシロップ 大さじ4~5(固め、緩めの好みで調整)
砂糖 150g
塩 少々
水 100ml程
作り方
- 1サツマイモを2センチほどの輪切りにし厚めに皮をむき、すぐにたっぷりの水にさらしアクを抜く。水を何度か取り換えながら2~3時間アク抜きをする
- 2くちなしの実は包丁の背などで叩いて荒めに砕き、二重にしたガーゼに包み、こぼれないようしっかりとガーゼの口を縛っておく
- 3鍋にたっぷりの水とくちなしの実、アク抜きしたサツマイモを入れて中火にかける。サツマイモの色が濃くなり、竹串(またはつまようじ)がスッと刺さるようになったら鍋から取り出す
- 4取り出してすぐに包丁かスプーンでざっくりと砕き、ミキサーへ入れる。このときミキサーが回りづらい場合は、栗の甘露煮シロップを少しずつ入れる
- 5サツマイモを鍋に戻し、砂糖、塩、水を入れて焦げないよう混ぜながら中火で煮る。好みの固さになるよう残っている甘露煮のシロップを付け足し調整する
- 6レンジで少し温めた栗の甘露煮を加えて混ぜ合わせ、パットやタッパーに入れて手早く冷ます
数の子の薄口しょうゆ漬け
黄金色でコリコリとした幸せな食感が更にお正月気分を盛り上げてくれる数の子。ここではきれいな数の子の色を変えないための、薄口しょうゆを使ったレシピをご紹介します。
数の子の選び方と調理のコツ
数の子はにしんの卵を塩漬けにしたものです。そのまま食べるとかなりしょっぱいので必ず塩ぬきをしますが、真水で塩抜きをするとうま味が逃げてしまいます。
たっぷりの水に少量の塩を入れたものに一晩浸けておきましょう。
数の子は、厚みがあって粒が詰まっているものを選びましょう。大きさで味の差はありませんが、大きめのほうが歯ごたえがでます。
数の子の薄口しょうゆ漬けの作り方
材料 3~4人前
塩漬数の子 6~8本
だし汁 250ml(粉末だしを分量のお湯で溶いたものでも可)
薄口しょうゆ 大さじ3杯
酒 大さじ3杯
作り方
- 1数の子はたっぷりの塩水に漬けて塩抜きをしておく
- 2だし汁に薄口しょうゆ、酒を入れて煮立たせ漬け汁を作り、冷ましておく
- 3数の子の薄皮を丁寧に取り、冷ました漬け汁に漬ける。時々返しながら半日~1日漬けこむ
- 4器に盛る前に食べやすい大きさに切る
黒豆
お正月じゃなくても時々食べたくなる甘~い黒豆。一度に食べきれなくても、小分け冷凍保存してお弁当に入れたりできるから重宝しますよね。
初めての煮豆でも簡単にふっくら、失敗無く作れる方法ご紹介します!
おせち料理向けの黒豆の選び方と調理のコツ
黒豆には丹波黒、信濃黒、黒千石など種類がありますが、粒の大きい丹波黒がおせち料理に使われることが多いようです。
どの黒豆でも共通して気をつけたいのは、必ず新豆を選ぶということです。古い豆はいくら煮込んでも柔らかくなりません。
ふっくら黒豆の作り方
材料
黒豆 300g
砂糖 200g
水 8カップ
しょうゆ 大さじ1杯
塩 小さじ1/2杯
作り方
- 1黒豆はボウルに入れて優しく水洗いし、浮いて来る豆を取り除き、ザルにあげておく
- 2大きめの鍋に、砂糖、水、しょうゆ、塩を入れてかき混ぜ、強火で沸騰させ、沸騰したら火を止めザルに上げてあった黒豆を入れる
- 3鍋の蓋をして、火はつけずにそのまま4~5時間置いておく
- 4その後中火にかけ、アクをとり、豆が鍋の中で踊って皮が破れたりしないようキッチンペーパーで落し蓋をし、弱火にして3時間ほど煮込む
- 5指で潰して柔らかくなっていれば完成
伊達巻
ふんわり甘い伊達巻も、おせち料理には欠かせませんよね。一般的に伊達巻は「鬼す」というものを使って巻きますが、普通の巻き寿司用の巻きすでも大丈夫です。
ここでは、はんぺんと卵をミキサーで混ぜて卵液を作る、簡単な伊達巻の作り方を紹介します。
伊達巻に必要な道具と調理のコツ
直径26~28センチほどの大きさのフライパンと、巻きすを用意してください。ときどき水で濡らしたタオルでフライパンの底を冷やすと、伊達巻の焼き色がきれいに仕上がります。
巻きすの上にラップを載せてから巻くと、途中で切れたりせずきれいに巻けます。
伊達巻の作り方
材料 1本分
卵 4個
はんぺん 1枚
砂糖 30g
みりん 大さじ1杯
しょうゆ 少々
サラダ油 少々
作り方
- 1ミキサーに卵、砂糖、みりん、しょうゆ、小さくちぎったはんぺんを入れて全体がよく混ざるまで撹拌し、卵液を作る
- 2フライパンを熱し、サラダ油少々をまんべんなくクッキングペーパーで塗り、卵液を静かに流し込み、蓋をする。(無ければアルミホイルで覆う)
- 3弱火で15~20分ほどじっくりと焼く。時々水で濡らしたタオルにフライパンの底をつけて冷やす
- 4竹串で火が通ったことを確認し、火を止めて5分ほど蒸らす
- 5焼きあがったら巻きすの上にラップを敷き、焦げ目を下にして静かに置き、焼きあがった伊達巻の上下左右を少し切り落として四角に近い形にする
- 6手前から巻き、巻き終わったらゴムで巻きすをしっかり止めて冷ます
まとめ
敷居が高く感じられるおせち料理ですが、意外に簡単に作れるかも、なんて思っていただけたでしょうか?
たくさんのおせち料理を作るのはちょっと大変…だけど、家族の大好きなおせち料理一品だけでも、今年は手作りしてみませんか?
皆様に素敵な新年が訪れますように!