はじめに
花粉症の方にとってはとても辛い季節がやってきましたね。我が家ではティッシュ消費量が加速度的に増えています。もう少ししたら柔らかい高級ティッシュを買ってこないと、鼻が真っ赤になってしまうでしょう。
鼻水の量が増えるにつれて、喉がイガイガしたり、吐き気にみまわれたり、鼻の奥から異臭が漂ってきたりすることはありませんか?
実はそれ、「後鼻漏(こうびろう)」と呼ばれる現象かもしれません。
日常生活を送るのが辛いほど症状が強いときは自己判断せず、病院にかかり、医師に相談してくださいね。
後鼻漏とは?
後鼻漏とは、鼻水が喉に流れ込む現象のことを指します。
鼻水が喉に流れるなんてありえない! とおしゃる方もいると思いますが、少量の鼻水なら誰でも喉に流れて無意識のうちに飲み込んでいます。生理現象なので、不快感を覚えないのならなにも問題はありません。
ですので、正確には後鼻漏は誰にでも起こっている「現象」であり「症状」ではありません。ただ、不快な症状が出ない限りは意識しない現象なので、暗黙の了解で「後鼻漏(が酷い状態)」という風にとらえて問題ないと思います。
しかし喉に流れ込む鼻水の量が多くなったり粘り気が増すと、喉の違和感や不快感につながります。喉がつかえるような感じがしたり、痰が絡んだりします。喉を刺激したりふさいだりして咳の原因になってしまうこともあります。
後鼻漏の原因
鼻水には鼻の内部(粘膜)を潤し、吸い込んだ空気に湿り気を与え、鼻から侵入してくる異物を止めるという役割があります。平常時でも1日に1.5L程度の鼻水が分泌されています。
分泌量が増えると鼻からあふれ出し、それを私たちは“鼻水”と認識して、ティッシュで始末します。
あまりにも鼻水が増えると、喉に落ちる量も増えます。喉に流れる量が増えると当然「後鼻漏」の存在をわたしたちは意識するようになります。「飲み込みづらい」「鼻と喉がねばつく」というような感覚を覚えるようになるのです。
花粉症のときに鼻水が大量に分泌されるのは、アレルゲンである花粉を体内に入れない・排出するためですが、そのせいで後鼻漏が気になるようになってしまうんですね。
鼻の炎症が酷くなると鼻水に含まれる雑菌の量も増えます。すると喉も炎症を起こします。咳を誘発し、さらに悪化すると咳喘息や喘息に繋がる可能性もあります。また喉がねばつくため、気分が悪くなることもあります。
飲み込み切れていない後鼻漏が鼻のイヤな臭いや口臭の原因になることもあります。
改善法
後鼻漏を減らすためには、鼻水の量を減らす必要があります。花粉症がきっかけなら、花粉症の症状を軽減しなくてはなりません。
確実なのは耳鼻咽喉科やアレルギー科にかかることです。アレルゲンを特定し、適切な薬を処方してもらいましょう。
自力でできることも全部やりましょう。帰宅時は玄関で花粉を落としてから部屋に入る。必ずうがいをする。花粉がつきにくいように髪をまとめておく等です。
ハウスダスト(ほこり、ダニ)も鼻水の原因になるので、掃除はこまめに行いましょう。
また副鼻腔炎にかかっていると後鼻漏の量が増えます。副鼻腔炎の根治治療も後鼻漏を減らすのに有効です。生まれつき鼻水が喉に流れやすい体質の人もいるそうです。
鼻うがいは自己流で行うとかえって鼻の粘膜を傷つけてしまうことがあるので、専門家の指導の下で行うようにしてください。
外出中はなかなか難しいとは思いますが、痰はなるべく飲み込まずそっとティッシュに吐き出すようにしましょう。
まとめ
思い当たる方はけっこういらっしゃると思います。素人判断はやめて、なるべく早く医師に診てもらってくださいね。鼻や喉の炎症が悪化すると苦しくなり、痰が増えて悪循環なので、放置しないことが大切です。