はじめに
花粉症が辛いとき目薬をさすと、しばらくの間は楽になったという経験のある方は多いと思います。でも、目薬の箱には「1日4回」などと使用回数を書いてあるのが通常です。
薬ですからね、1日に使う量も基本的には決まっていないと…。でも、花粉症のときに使う目薬についての大前提って、何かあるのでしょうか?
花粉症で目薬を使う前に…
目薬は1日に決められた回数だけ使うように、目薬の説明書にもかいてあります。
でも、目が痒くなる度に目薬を使いたくなるのは仕方ない心理。そんなとき、みなさんはどうしていますか?まず、抑えておいていただきたいのが、目薬以前の目のケアです。
花粉シーズンは花粉が目や顔に沢山付きます。肌や睫毛についた花粉がバウンスして目に入ってきます。ですので、まずは目の周りをカバーすること。そう、花粉メガネですね。
それから、花粉を家にいれず、外から帰ってきたら顔を洗ってしまうこと。顔や睫毛についた花粉を早く取ります。
また、空気清浄機もおススメです。
目薬の基本
意外とみなさん守っていない可能性が高い「目薬の基本」。一度確認しておいて下さいね。
使用期限
市販の目薬の使用期限は3年位あるのも珍しくありません。しかし、それは未開封であることが条件です。一度開封したら、市販のものでも1ヶ月程度で使い切りましょう。
理由は、一度開封すると、しっかり蓋を閉めても蒸発が始まるので、薬剤が徐々に濃縮されていくためと、薬剤の中に雑菌が繁殖し始める為です。特に、薬剤が濃縮されるということは、防腐剤の入っている薬剤の場合は防腐剤も濃くなるということです。防腐剤は角膜を傷つけるので、これが濃縮されたらどんどん目に悪い液体になっていってしまいます。
目薬の差し方
目薬が目に入ったあと、瞬きするのは不正解です。瞬きによって、目薬が鼻や口に回ってしまうので、本来の役割を果たしません。
目薬が目に入ったら、静かに目を閉じて1分待ちましょう。目薬は1回に1滴で問題ありません。
回数や使用容量を守ること
目薬も薬ですので、やはり使用容量や一日の使用回数は決まっています。ですが、目薬を差しても痒みが止まらなかったりすると、ついつい余分に差したくなることもあります。しかし、これは止めましょう。
目薬の差しすぎによる眼圧上昇の危険性は、あまり認識されていませんが、可能性としては緑内障や失明の危険もあります。
なぜなら、目薬を過剰に差すことで、眼球の中の水分が余分に溜まり蒸発します。このとき生じる水蒸気は通常の空気中で生じる水蒸気同様に圧力を持っています。結果、眼球内部の圧力(眼圧)が高くなるという理由によります。
こういったこともあり、コンタクトをしたままの点眼がNGの目薬が多いのです。コンタクトをしていると、裸眼よりも水分が内から外に逃げずらいので、より眼圧が上がりやすいのは、ちょっと考えれば分かりますね。
目薬を選ぶときの注意点
できれば手軽に購入出来る市販の目薬で良いものをご紹介したいのですが、現状としては少ない…ですね。
何故、「良い」と言えないのかと言えば、問題は防腐剤です。前の項目の中でも触れましたが、防腐剤は目の角膜を傷つけます。
この後の項目で是非チェックしておいて欲しい目薬を掲載しますが、薬局などで購入できる目薬でおススメ出来るのは、非常に少ないです。
目は身体で唯一守られていない臓器でもあるので、選択も用心深くしたのですが、TVのCMなどではあんなに沢山宣伝しているし、薬局にも沢山種類もあるのになぜ?と思われるかもしれません。
しかし、是非ご自分で考えて、調べてみていただきたいのですが、防腐剤が角膜を傷つけるというのに、「好評」だからという理由で、病院処方のものより3倍も使用期限の長い目薬が流通しているのは何故か?
そこには、「売れる」=「資本主義的な善」という基本的な価値観があるからです(抗がん剤を自分には使わない医師が大多数なのとよく似た構図です)。
病院で処方してくれる目薬にも、実際防腐剤は入っているものが多いですが、市販のものと比較すると含有量が少なく、使用期限や使用頻度、使用量を守っている限り安全です。
また、信用できる病院を作っておくと、目薬の効果に疑問があっても、医師に相談出来るので、薬局で無駄遣いしないで済みます。
ということで、基本的にはまず、花粉症の症状改善や対策として医者に行き、そこで処方される目薬をお使いになることをおススメします。
花粉症用のおすすめ目薬5選!
市販の目薬が病院処方のものと比較して、容量数倍、使用期間も開栓後平均3ヶ月と長いことからしても、いかに防腐剤が多く含まれているか分かります。
ただでさえ、薬局で購入するときには、基本的に自分の判断によるものになり、大抵の人は素人です。
そういったことを考えると、「目がすっきり」とか「きもちいい」と言ったようなキャッチコピーは一旦度外視して、市販品を購入する場合は一番問題がないであろう選択の方法をとるべきと考えました。
ですので、以下に挙げる市販品は絶対条件として「防腐剤フリー」の枠内で選んでいます。
ソフトサンティア
防腐剤フリーの人工涙液で、特に花粉症用というわけではありませんが、コンタクトレンズを使用している方でも、装着状態で使用できる、いわば、誰にでも安全な目薬です。花粉症に限らず、洗眼を目的に使いたい方におススメです。
開栓後10日間が使用期限です。防腐剤フリーなので、使用期限はくれぐれも気を付けましょう。
また、目や睫毛、皮膚などに容器の先が触れないように気を付けるよう、注意書きがあります。
アイリスAGユニット
防腐剤フリーで1回(1本で両目点眼できます)使い切りタイプです。
2種類の抗炎症剤と充血除去剤、抗ヒスタミン、眼粘膜保護、栄養成分が配合されているので、ソフトサンティアよりも花粉症向けと言えます。
18本入りで、消費税込みだと1,000円弱。1日の推奨使用頻度は3~6回なので、仮に1日3回だけ使用したとして、一箱で6日分となります。
スマイルコンタクトEX AL-Wクール
防腐剤フリーで、コンタクトを使用している方にも使える(カラーコンタクト以外)、かゆみ止めと消炎剤の配合されている目薬です。勿論、コンタクトをしていない人もOK。
軽度の花粉症で、病院に行くことは考えておらず、メントールの使用感が欲しい方にはコレです。
因みに、いくらコンタクト装用中OKと書かれていても、重度の花粉症であればコンタクトは外してメガネを使うべきでしょう。コンタクトに花粉が付着する=角膜に花粉が付いていること。痒いのは当然ですね。
リボスチン
病院で処方してもらえる目薬で、花粉症用にもよく処方されるものの一つです。特徴はヒスタミンを抑える作用です。
また、花粉症の症状を予防する作用はありませんので、花粉症の症状が現れてからでないと点眼する意味はありません。
現在のところ、一番多く処方されることの多い目薬で、ジェネリック医薬品も出されています。
パタノール
前項のリボスチンと同じ分類の第二世代抗ヒスタミン薬で、リボスチンよりも新しい薬です。
2017年2月現在で、まだパタノールのジェネリック医薬品は出ていません。作用はリボスチンと違う特徴があります。
病院で処方される花粉症の強い飲み薬、アレロックの目薬バージョンと思ってください。
ただし、アレロックの副作用は眠気が報告されていますが、パタノールは目薬で使用量も少ない為、副作用もほとんどありません。
リボスチンは抗ヒスタミン作用のみですが、パタノールはそれプラスの作用として、化学物質の遊離を抑制する作用もあります。
そのため、かゆみ抑制作用の他に、かゆみ予防作用も期待出来ます。
まとめ
目は身体の表面に出ている唯一の臓器。謂わば守られていない臓器です。
それだけに、「スーっとして気持ち良いから」とか、「とにかく楽になるから」というような考えで、良くわからない目薬に頼るのは如何なものでしょう?
あまりナーバスになりすぎるのも病的になったら困りますが、しっかり調べて納得できるものを選んで頂ければと思います。
資本主義の世の中、今は「売れる=善」という構図が定着していますが、その構図を「善=売れる」という形に変えていくのは、毎日の私たちの選択です。
安易に流れず、自分の身体を大事にして、安全なものをより流通させるように、しっかり選んでいきましょう。