はじめに
なんだか最近調子悪くて、友達から「5月病」じゃない?なんて言われちゃったら、ちょっと焦りますよね。
とりあえず病院へ…と言っても、この場合は心療内科?その前に薬局に行ってみた方がいいのかな?
…悩ましいのですが、この場合は安易に「病院へ」とは、筆者は書けません。何故なら、心療内科で出す薬はあくまでも対症療法。根本治療にならないのです。
まあ、どんな薬も基本的には根本治療にならないのですが、ちょっと調子が悪いと言って、すぐに心療内科に行くような発想は如何かと。
勿論、最終手段としては良いのですが、その前に出来ることはいろいろあるんです。
五月病に効く薬って?
「五月病」というのは正式な病名ではありません。
心療内科で「いわゆる五月病ですね」と言われた場合、診断書には「適応障害」か「うつ病」と書かれているものです。
深刻さの目安としては、かなり大雑把ですが五月病→適応障害→うつ病の順となります。
ですので、放置は出来ない症状なのですが、病院で出してくれる薬を服用していた場合は、症状が「寛解(最大限に治癒した状態…うつ病は完治しないという前提)」と判断された後に、医師の指導の元、段階的にやめる必要があります。
これをよく、独断でスパッと止めて、痛い目を見る人がいるのですが、非常に危険です。それ程の強度の薬を飲むことにかんして、筆者は安易に推奨できないという考えです。
では、「五月病」の疑いがある人は、ホントに辛くなるまで薬はないのか?
ここで発想を変えます。
「五月病」に対して病院で出される薬は、抗不安剤や抗うつ剤の比較的穏やかなものですが、そこに最初から頼るのではなく、自律神経を整える方向に目を向けてみます。
なぜ、自律神経系に目を向けるのか?
理由は「五月病」の人は基本的に自律神経もかなり狂い始めているからです。
まずは生活のリズムを整え、食生活を見直しつつ、自分に合ったリラックス法などを複数使うことが第一です。その上で、以下の薬を気になる症状に併せて使うのが良いでしょう。
五月病に効果的な市販薬3選!
ビオフェルミン
ビオフェルミンは整腸剤です。最近の研究では、腸内細菌のアンバランスが様々な病気の元になっている可能性を示唆しています。特に腸内細菌の状態は便秘や軟便、下痢などにも因果関係が深いので、まずはここから整えることです。ビオフェルミンにも幾つか種類があります。特に下痢や便秘が明確な場合、薬剤師さんに相談すると良いです。特に自覚症状がなければ、新ビオフェルミンSでよいでしょう。
ドリエル・アンミナイト
ドリエル・アンミナイトは「睡眠補助薬」で、薬局で買えます。自律神経失調症による不眠に効果があるとされています。成分はどちらもアレルギー症状に使われる抗ヒスタミン薬です。この薬の注意事項は、抗ヒスタミン成分の重複です。同時に花粉症薬や風邪薬、咳止めなどを服用している場合、成分が重複する可能性がありますので、必ず薬剤師に相談して下さい。また、ある睡眠の研究家によれば、日中に眠気が起こらなければ、睡眠時間が短くても気にしない方が、むしろ精神的に健康になるケースが多いとのこと。日中に眠気が来るのは睡眠不足ですが、日中に眠くならないのであれば、短眠で過ごして問題ない人がいるようです。ポイントは起床時間を極力一定にして、規則的な生活にすることだそうです。
アリナミンEXプラス
アリナミンEXプラスには、病院処方の自律神経調整薬と共通する成分が入っています。また、ビタミンB1/6/12がそれぞれ含まれており、肉体疲労、眼精疲労、四肢のしびれなどに効果が期待出来ます。
加えて、ガンマオリザノールという病院処方の自律神経調整薬の天然由来成分も含まれています。しかし、こちらには副作用もあるので、飲み過ぎには気を付けましょう。ガンマオリザノールの効能はかなりアピールされており、自律神経系に良い働きをするとか、美容にも良いとされています。しかし、効果があるということは、必ずその裏も考えるべきです。
実際、重大な副作用は報告されていないですが、稀にある副作用としては眠気、嘔吐、下痢、口内炎、胸やけ、便秘、ムクミなどがあります。また、アレルギー症が出た場合は即刻使用を止めて下さい。
五月病におすすめの漢方薬
前項で触れたように、「穏やかな」という形容詞がついたとしても、抗うつ薬や抗不安薬は極力最後の手段にしたいものです。
でも、サプリとか、ビタミン剤より頼りがいのあるものが一つあったら…という方もおいででしょう。
そこで、東洋医学に目を向けてみます。
中国医学では感情バランスが崩れたことで気が滞っている状態を、心の不調和の原因としています。
インド医学などもそうですが、基本、東洋医学では病名を付けるよりも「〇〇のバランスが△のようになっているので、それを正す」というような形で、「五月病」とか「うつ病」などの病名に対応した形ではなく、「何かのアンバランスが目立つ状態に対してはこれ」という処方です。
そう。もともと病名も人が付けたもので、東洋的な見方に立てば、絶対的なものではないのですよね。では実際に、どんな症状にどんな漢方が合うのか見てみましょう。
・緊張が強く、のぼせがある
…几帳面タイプの精神不安→柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
…イライラタイプで血液不足→加味逍遥散(かみしょうようさん)
・くよくよタイプ
…よく眠れない→帰脾湯(きひとう)
…より鎮静作用を高めたい→加味帰脾湯(かみきひとう)
・痰がでる
…胸が苦しい→半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
まとめ
「五月病」と名前を付けて、抗不安薬や抗うつ薬で対処すると”飲めば改善”すると思えるので、簡単で楽に見えますが、実際にはそれは最終手段ですし、それなりのリスクもあります。
もし、あなたがまだ、「ちょっと調子が悪い」とか「ちょっと落ち込んでいる気分」であるなら、ここで触れた自律神経を整える方法を1ヶ月試してみたら、改善される可能性は高いです。
しかし、既に2月以上、身体的な辛さや、日常生活に支障をきたす状態が続いているなら、心療内科に行くという判断で良いでしょう。くれぐれも、自分と向き合うことを後回しにしてしまうことのないように、ストレス管理をしっかり考えて、上手にサプリなどを取り入れましょう。
漢方薬も市販のものがありますが、それも薬です。しかも、薬局で買うと高いです。漢方薬のプロがいる薬局か、東洋医学も使っている病院で、漢方薬処方をお願いするのが安全です。
また、とにかく、生活のリズムや食事の見直しも忘れずに行いましょう!