はじめに
最初に認識しておきたいのは、お茶は現代の医療では「治療薬」という位置にはないという事です。
皆さん知ってはいるけど、何故かお茶、もしくは特定の食べ物を数日~数週間程食べて解決しようとするケースを見かけることがあります。
ちょっと考えて頂ければ分かると思いますが、これはまったく的外れな考えです。
症状が出ているときに、お茶や食品を症状緩和を助ける目的に摂ることもありますが、その前提として、既に薬などで基本的な処置をしているべきです。普段の食生活で摂取している食品や飲み物の質が悪くて、調子の悪いときにだけ、少し良さそうなものに変えているのでは意味がありません。
いろいろなお茶やハーブティがありますが、それらの特性をよく考えて自分の身体と相談しつつ、どんなお茶をどんな調子の時に飲むと調子がどうなるのかなどを、よく観察しながら自分なりにデータを蓄積させて、自分の微調整に活用出来るようになるのが理想です。
大きな症状が出てしまったら、まずは病院で適切な対処をし、そうなる前までのバランスをとるときや、薬などの対処に併用して、ストレス軽減などに役立てるという利用法が勧められます。
花粉症におすすめのお茶ランキングTOP5!
ともあれ、お茶などで花粉症緩和に貢献しているものは確かにあります。
花粉症に良いとされているお茶でも、それぞれに特徴はあり、また当然、味や香りの好みも分かれます。
特にハーブティは色々な種類があり、選び方のバリエーションは無限です。
ここでは暫定的に順位毎のご紹介をしますが、基本的にお茶の類は嗜好品でもあります。
ここにないものでも、楽しめる味や香りのものを幾つか見つけて、毎日の調子をあげていけそうなものを試しましょう。
1位 甜茶
甜茶は甘くて飲みやすい事と、流通量が多いせいか、人気は高いようです。しかし、それとは裏腹に、花粉症などのアレルギーに良いとする十分な文献や資料は、現時点では出ていません。
では、何故これ程全国の薬局などで甜茶関連商品が売られているかというと、サントリーなどが数十名の被験者を対象に行った試験での研究結果のみによるもので、この試験結果を受けて「バラ科の甜茶は花粉症に効く」としたためです。
因みに厚生労働省は花粉症に対する甜茶を「効果の不確かな民間療法」と括っています。
では、甜茶は花粉症の人に無意味なのか?というと、実はそうとも言えません。
ヒトでの臨床結果が数十人レベルなので、この研究結果はとりあえず置いておくとして、動物実験に目を向けますと…
耳介浮腫の抑制、かゆみ抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、受動感作皮膚アナフィラキシー・皮膚血管透過性亢進の抑制作用…
これらが認められているので、やはり無視はできません。
実際に、中国では古くから漢方の一環として認められていた上、健康茶として長期間飲み続けている人が「今年は花粉も楽だった」と感じることが多いようで、少なくとも月単位での継続が効果を判断するには必要でしょう。
尚、副作用はないあたり、健康茶としては安心して飲めるものです。もし味などが好きであれば1ヶ月以上飲んで、自分との相性をみると良いでしょう。
2位 べにふうき緑茶
有名なメチル化カテキン豊富な…というお茶です。
半ば薬理的に利用しているケースすら見受けられますが、緑茶のカフェインはコーヒーとは違って胃から直接吸収されるわけではないという説もあることと関係あるのか、2時間おき程度に飲んでいても問題ないようです。
このアレルギー症状に効果を発揮すると言われているメチル化カテキンが含まれている緑茶=べにふうき、ともいえるのですが、一般によく流通しているやぶきた茶種にはメチル化カテキンは含まれていないので念のため。
ではなぜ、メチル化カテキンは花粉症に効くと言われるのか?
まず、どのように花粉症が起こるか?ですが、花粉(アレルゲン)が体内に侵入すると、ヒスタミンなどの炎症性物質が放出されます。それにより鼻水などで異物(この場合は花粉)を対外に出そうとします。ところで、このヒスタミンには指示を出すボスのようなものがおり、それがIgE抗体です。メチル化カテキンはこのIgE抗体の働きを直接抑制し、更にヒスタミン放出に必須のリン酸も抑制するので、結果として花粉症の症状が抑えられます。
緑茶としてはちょっとお高めですが、茶葉で飲むと美味しいですので、是非茶葉で、このシーズン限定の贅沢として楽しんでは如何でしょうか?
3位 ルイボスティー
甜茶と同様、カフェインフリーで副作用もない、そしてどちらかと言えば美容関連の方面で人気のお茶です。
特に、SOD様酵素(Super Oxide Dismutase)を含むお茶ということで、体内の活性酸素(フリーラジカル)を抑えることを期待して摂取するという方が多いです。
実際、SOD様酵素を含む食品類は健康食関連でもかなりの人気。体細胞の酸化を抑えることがアンチエイジングに繋がるということで、主にサプリとして、ルイボスの他にはアシタバなどが販売されています。
ルイボスティもお茶なので、あくまで自分の好みに合うとのであれば、1ヶ月以上試すことは良いでしょう。様々な方面でポジティブに評価されているお茶です。花粉症自体に直接関係なかったとしても、間接的には何等かの貢献も期待していいと思います。
その際、せっかく試すのであればより効果的にということで、ルイボスティ選びと入れ方の注意をまとめました。
<最高級のオーガニックを選ぶ>
これはルイボスティに限ったことではありません。基本的にはコーヒーでも紅茶でも、最低グレードと最高グレードでは行って帰ってくるくらいの差が、様々な面で実感できるものです。
ましてや少なくとも健康に貢献することを期待して摂取するなら、当然最高級のオーガニックにするべし!です。成分が全くちがってきます。
<入れ方>
沸騰してから10分以上、20分未満の時間、必ず煮だす。
火を止めた後も、茶葉はそのまま入れておく。
一杯毎に茶こしを使用してカップに入れると飲みやすいです。
4位 シジュウム茶
認知度でいうと、甜茶やルイボスティ程ではないものの、中南米では古くから薬草として重用されてきた歴史を持っています。
飲み始めてすぐに効果を感じる人もいるようですが、基本的に数年単位で愛飲した結果、花粉シーズンも楽になったという意見がメインです。
味や香り、もしくは飲んだ後の身体の状態をよく観察して、自分に合っているとかんじるようであれば、継続してみる価値はあります。
シジュウム茶を飲んでいる日本人は、比較的花粉症改善やその他のアレルギー改善を目指している傾向が見られるのですが、その根拠はタンニンによる抗酸化力と免疫力UP。しかしその他に美白やダイエット効果も期待できる成分もあり、更に豊富なミネラル成分も含まれています。
5位 ハーブティ
ハーブティ…と、敢えて表現した理由は、結構無限大な可能性として、いろいろ試して欲しいと思ったからです。
実際、花粉症に特化したブレンドハーブティも様々あり、自分の好みで調合も可能。
4位までに紹介したものより、ハーブティは少々薬理的な色も濃くなるかんじです。ということは、気を付けるべき注意点も生じるということです。効く=薬=副作用あり…とまではいいませんが、モノによっては例えば花粉症に定評のあるものでも、ネトル、タイム、リコリスなどは妊婦さんにはおススメしない、もしくは使用量を少なくします。要するに、ハーブティは合う合わないもよりハッキリ出るものがあります。
そんな中でも”比較的買いやすいスギ花粉症向けハーブティ”として、ご紹介するとすれば、まずはカモミールティーです。ジャーマン種とローマン種がありますが、この場合はジャーマン種です。よく「リラックスできるお茶」として知られていますが、実はヒスタミンを抑えるので、症状緩和に貢献することが期待できます。また、花粉症の症状によって乱れた自律神経を整えてもらうことも期待できます。ただし、8月~11月のキク科(ブタクサ、ヨモギ)アレルギーの人は使用しないで下さい。
では、だれでもOKな花粉症向けハーブティは?比較的よく知られていて買いやすいものを2つ挙げれば、ペパーミントとエルダーフラワーです。この2種類は相性もよく、簡単にブレンド茶も作れてしまいます。
エルダーフラワーは抗アレルギー、抗ウィルス作用もありペパーミントと併せれば発汗作用も上がります。また、ペパーミントと同様に神経をなだめてくれるので、自律神経を整えるにも役立ちます。
ペパーミントは鎮静作用の他に抗炎症作用もありますし、この2種類は比較的使いやすいので、まずは入門編として試してみるのもよいでしょう。
まとめ
花粉症に効くお茶…薬ではないので~といっても、実際は結構薬代わりにしようと頑張っている人も沢山いらっしゃるし、長期間愛飲することでそれなりに効果を実感している人もいらっしゃいます。花粉症対策に限らず、ちょっと進化した自分の生活の為に、上手に取り入れて頂ければいいな~と思っております。