大掃除は部屋と心を整理するチャンス
早いもので2018年も残りあと1ヶ月をきりました。繁忙期や年末進行で仕事が忙しくなり、飲み会が増えて、プライベートの時間を捻出するのが難しい時期ですよね。
2018年12月は、23日(祝)が日曜日と重なっていることもあって、冬季休業(お正月休み)は「12月29日(土)~1月3日(木)」の6連休が主流です。企業(業種)によっては年始の4日(金)も休みで9連休かもしれません。
いずれにしても年内の休みが3日間しかない上に、29日と30日が土日という、大掃除をするのに不向きな日程です。遠方へ帰省するなら、ほぼ掃除できないといっても過言ではありません。
大掃除でキレイにするのは家だけではありません。不要なものを捨て、汚れを落としながら、心の中も整理整頓していくのです。学生時代に「服装の乱れは心の乱れ」と言われたことはありませんか? これはあながち間違いではありません。服装や部屋が散らかるから心がすさむのではなく、心がすさんでいると身ぎれいにする余裕がなくなるからです。
今年がいい年だった方も悪い年だった方も、新年にむけて心機一転するのは重要なことです。大掃除はいいきっかけになります。もちろん年明けに日程がずれこんでも何もしないよりはマシですが、できれば年内に大掃除は済ませたいですよね。
お正月休みの始まりが遅いのなら、週末を有効活用して少しずつ計画的に大掃除を進めましょう。1日や2日で一気にまとめて掃除するよりも、効率がよくなります。
掃除は後回しにするほど面倒になる
掃除や片付け、整理整頓が好きではない方、苦手な方にとって大掃除はとても苦痛です。むしろ片付けが苦手で普段から散らかしているからこそ、大掃除のときにやることが増えて取り掛かるのが億劫になってしまいます。
本当はこまめに掃除したいタイプの方でも、忙しくて片付けられない期間が長引くと、気が重くなりますよね。
逆に考えると、本格的な大掃除に取りかかる前からこまめに片付けておけば、最終的な負担は軽くなるということです。
身体への負担が気になる
大掃除では、普段の掃除ではまったく手を出さない場所もキレイにする必要があります。換気扇についた油汚れを落としたり、エアコンのフィルターを替えたり、窓やシャッターを洗ったりします。
こういった大物の掃除には体力を使います。高い場所に手を伸ばしたり、不自然な体勢をとったりするので、ものすごく疲れます。筋肉痛が残るかもしれませんし、ぎっくり腰になる可能性だってあります。
年末年始に倒れると、病院代が高くつきます。遊びや旅行の予定を入れていたら悲惨です。身体をいたわるためにも大掃除は早めに始めましょう。
週末はあと何回?
早めに大掃除を始めるといっても忙しい師走ですから、帰宅後に何かをするのは難しいでしょう。となると、使えるのは週末です。
2018年12月の週末(土日)は、1~2日、8~9日、15~16日、22~24日(※振替休日)、29~30日(冬休み)の5回です。すでに過ぎた第1週目の休みと冬休みを除くと、週末はあと3回。日数でいうと7日です。
7日間もあれば結構いろんなことができます。クリスマス付近の週末をのぞいた4日間でも十分です。これらの休日に、疲れすぎない程度に片づけを進めていきます。それでは具体的な手順を考えてみましょう。
簡単なことから始めよう
効率的に掃除を進めるコツといえば「上から下へ」が有名ですね。天井に近い場所から掃除することによって床掃除の二度手間を防ぎます。ただしこれは1日で一気に掃除を進める場合のルールです。
大掃除を小分けに行う場合は「簡単なこと」「すぐにできること」を優先します。大がかりな作業の前にすべき、こまごまとした掃除や片づけを終わらせておくと考えましょう。
掃除する場所をリストアップ
効率的に進めるために、まずは大掃除ですべきことをリストアップしましょう。同居家族がいる場合作業の分担を決めておけば無駄がなくなります。また、自分ひとりで掃除するのが難しい場所だけ業者さんにお願いすることも可能です。
最初に部屋ごとに掃除する部分を書き出します。以下は我が家の例です。
リビング
- エアコン
- TV、周辺機器とTV台
- 出窓
- テーブル
- ……
台所
- 換気扇
- ガスコンロ
- シンク
- ……
このようにすべて書き出します。次に、それぞれの場所ですることをリストアップしてください。
エアコン | 本体の埃を取る、フィルターを交換する、室外機の外側を拭く、室外機の内部を掃除する |
TV | 埃を拭きとる、周辺機器との配線を整える |
周辺機器 | 埃をふき取る、TVとの配線を整える、リモコン類を拭く |
TV台 | 埃を落とす、拭く、TVと周辺機器を置きなおす、小物類を整理する |
出窓 | …… |
換気扇 | フィルターを交換する、換気扇を取り外して分解する、換気扇周囲の汚れを落とす、換気扇の汚れを落とす |
ガスコンロ | コンロをどけて台の汚れを取る、コンロ上部の汚れを取る、五徳の汚れを取る、グリルを洗う、コンロガードを取り換える、タイル地の汚れを落とす |
シンク | …… |
することを細かくわけることで、簡単にできることや、同時にやったほうが効率的なことが見えるようになります。
掃除する順序を考える
リストアップが終わったら、掃除する順番を考えましょう。とにかく最初は時間がかからないタスクを優先します。例えば小物の整理はいつでもできます。自治体のごみの収集日も併せてチェックしましょう。
また、最初から全力で取り掛かると、大掃除が終わる前に疲れてしまうので、テレビを見ながらできることや、リビングにいながらできることも優先します。
掃除に必要な物を買う
手順を考えるときに、ついでに掃除に必要なものもリストアップして購入しましょう。ネット通販でも構いませんし、100円ショップでも掃除に役立つものはたくさん販売されています。
ポイントは掃除用具をケチらないこと、そして「使い捨て」を前提とすることです。
汚れた雑巾を何度も洗うより、クイックルワイパーのようなお掃除用シートを使うほうが楽です。細かい部分の掃除には割りばしや竹串が役立ちますし、ウェットティッシュがあれば小物掃除はいつでもできます。
歯ブラシやスポンジも万能の掃除道具です。また、掃除専用のスポンジ(激落ち君など)も大きな塊で買っておけば、カットして家中で使えます。
10分以内に終わることから始める
大掃除の準備が整ったら、すぐに終わることから手を付けましょう。はじめはその場に座ったままできて10分以内に終わる作業がおすすめです。「キレイになった」「1つ終わった」という達成感で、掃除のモチベーションを持続させる作戦です。
音楽が好きな方は、掃除中に好きな楽曲を流してみてください。アップテンポで楽しい曲調のものを流すと、音につられてきびきび動けます。
時間がかかる面倒くさい掃除は、土曜の夕方にやりましょう。日曜日は平日に疲れが残らない程度で切り上げるように心がけてくださいね。
1週目・2週目で小物の整理とゴミ捨てを終えておくだけで、その後の大物掃除がとてもスムーズに進みます。
換気扇やエアコンなど大物を片付けるコツ
大掃除で面倒くさいものといえば「換気扇」「エアコン」「窓掃除」などを挙げる方が多いでしょう。こういった大物はつい後回しにしてしまいがちです。水が冷たくなくなるゴールデンウィークに掃除するというのも正しいと思います。
エアコンのフィルターは真っ先に手を付けるべし
換気扇と窓はともかく、エアコンだけは放置できません。本来エアコンは、使い始める前に掃除すべきものです。古いフィルターを使い続けると肺にカビや雑菌が入り、病気やアレルギーの原因になります。
思い立ったが吉日といいます。エアコン掃除は後回しにせず、大掃除を始める初日に行うのがベストだと思います。
細かいことは考えず、エアコンの下にある物をどけて、新聞を引いてフィルターを外しましょう。室内機の埃を新聞紙の上に落とし、フィルターを交換します。室外機やエアコンの周囲のことはとりあえず忘れてください。
フィルターの埃を落とすのには歯ブラシが便利です。マンションの上階のように大量の水を使いづらい場合は、ウェットタイプのお掃除シートで拭きましょう。
換気扇掃除は来年のことを考えて
エアコン以上に面倒なのが換気扇です。埃は水拭きと乾拭きで落ちますが、油汚れはそう簡単には落ちません。こびりついた汚れを洗剤でふやかす時間も必要です。
またフィルター替えを怠っていると、換気扇周囲の壁やコンロ全体が油っぽくなります。
すでにこびりついた汚れは掃除するしかありません。換気扇を掃除するときは来年以降のことを考えましょう。フィルター交換しやすい環境を整えたり、壁に汚れがつかないようアルミガードを置いたり、対策を取れば来年の自分が楽になります。
窓はガラスよりサッシを先に
窓ガラスは1部屋ずつ拭くより、全室まとめて掃除したほうが効率的です。かわりにサッシ掃除を先に済ませましょう。
といっても完璧にしておく必要はありません。サッシのすみに硬く詰まっている埃やごみを掻き出しておくだけです。ガラス戸や網戸を外せる環境なら、外したときに一気に洗い流すなり拭くなりしましょう。外せない環境なら、ウェットシートを用いて少しずつ拭けばOKです。
普段の生活の中に「サッと一拭き」を取り入れる
なぜ大掃除は大変で面倒なのか。それは日頃の掃除不足が埃となって積もっているからです。いまさら後悔しても遅いですし、仕事があるのに普段から完璧に掃除することなんてできません。
しかし普段から「使った後は拭く」ことを心がけておけば、特に水回りの掃除がとても楽になります。
水垢やカビは水分がなければ発生しません。洗面台を使った後、必ず水滴を拭きとる癖をつけておけば、洗面台は1年中ピカピカのままです。
完璧を求めると疲れてしまうので、「使ったら適当でもいいから拭く」「頻度を決めて拭く」といったルールを作ってみるのはいかがでしょうか。水場の近くに使い捨てのお手拭きペーパーを置いておくと、面倒さがぐんと下がります。
お風呂も、湯船につかっているときに手が届く範囲だけでも洗う癖をつければ、お風呂掃除が楽になります。大掃除でキレイに磨き上げたタイミングが一番始めやすいです。ダメ元で挑戦してみませんか?
大掃除で疲れ果てるのは本末転倒です!
大掃除は大切な行事ですが、かといって疲れが残るほど力を入れて掃除するのは現代人の生活には合っていないと思います。片づけが苦手な方ほど、ついやりすぎてしまうものです。何事も「ほどほど」が一番です。
繰り返しますが、簡単なことからはじめてください。そして家全体をピカピカにできないなら、自分にとって重要な部分を優先してください。ご近所さんに見られる窓や玄関を重視するのも、自分がよく使う台所や自室を重視するのも、個人の自由です。
なにより疲れすぎて掃除がよけい嫌いになるくらいなら、掃除のプロである業者さんにお任せしても構いません。年末は込み合いますし値段も高くなるので、時期を外してもいいと思います。精神的な側面から大掃除は重要と書きましたが、掃除ができなくて悩んで疲れるのは本末転倒です。
それぞれのやり方で気持ちいい年末年始が過ごせるといいですね。