つげ櫛+椿油は日本の伝統的なヘアケア
髪の毛をとかすときにつげ櫛を使うとツヤが出ます。毎日使い続けると髪の潤いが増し、まとまりやすくなります。歳をとると次第に髪から潤いは失われていきます。下手に色々な薬品を使うよりもつげ櫛を使い続ける方が健康的な美髪を保てます。
つげ櫛はツゲの木を削って作られた櫛です。ツゲは非常に硬く頑丈です。大事にメンテナンスすれば何十年も使い続けることができます。
つげ櫛のお手入れには椿油を用います。最初は薄い色だったつげ櫛も、繰り返し椿油に浸すメンテナンスを繰り返していくとあめ色に変色していきます。椿油を含んだつげ櫛で髪をとかすと、椿油の美容成分が髪に刷り込まれ美しい輝きを放ちます。つげ櫛は使い続けることで価値を増します。
高価なつげ櫛でなくても椿油で手入れを続ければ、手入れ不足の櫛よりもずっと高い美髪効果が得られるようになります。本記事では、椿油を使ったつげ櫛のお手入れ方法を解説します。
椿油に浸す
つげ櫛は椿油にひたすたびに椿油を吸収し、櫛通りが良くなっていきます。月に一度は椿油をお手入れすべきです。つげ櫛を使うなら、正しいお手入れ方法を知っておきましょう。
ほこりを落とす
まずはつげ櫛についた埃や汚れを落としましょう。使うたびに絡んだ髪や汚れを落とす癖をつけておきましょう。つげ櫛は水に触れると劣化して割れやすくなってしまうので、汚れを落とすときにも絶対に水にはつけないでください。
椿油で汚れを浮かし、ブラシで落とす
軽く埃を払ったら、つげ櫛の歯の部分を中心に椿油を塗っていきます。このとき歯ブラシで軽くこするようにして椿油をなじませます。ゴシゴシと力を入れないように気を付けてください。
20~30分ほど放置すると汚れが椿油に溶けて浮かんできます。浮き出した汚れを歯ブラシでかきだし、ティッシュや柔らかい布で椿油ごと拭き取ります。汚れが酷い場合は何度か繰り返してください。
汚れが落ちた後3~4時間ほど放置すると椿油がつげ櫛に染み込んで、色が濃くなり光沢が出ます。これでお手入れが完了です。
椿油にひたす方法
つげ櫛を椿油にひたす方法はいくつかあります。櫛を小皿に乗せて椿油をたっぷり振りかけるのが主流ですが、ジップロックやビニール袋の中に櫛と椿油を入れて刷り込むのもアリです。
小皿に乗せて椿油を振りかける方法は乾かしやすいのがメリットです。ジップロックを利用すると少量の椿油で満遍なくつげ櫛全体をお手入れできます。ただしジップロックから取り出すときに手がベタベタになります。
椿油は植物由来のツヤだし油
椿油はヤブツバキの種子からとれる植物性油で、オレイン酸を多く含み、固まりにくい性質を持っています。もとは食用でしたが、現在は化粧品や薬品にも用いられています。
昔から椿油は日本髪を結うのに使われていて、お肌や髪の保湿力を高める力があります。植物由来の天然油脂なので髪を傷めることはありません。
椿油のツヤだし効果は人体以外では工芸品の分野で発揮されています。日本刀を磨くのも椿油ですし、伝統的に木製品の仕上げに、ニスのような役割を果たしてきました。つげ櫛のお手入れに椿油が使われるのは、櫛自体にツヤが出て美しくなるからです。
髪が傷むとボワッと広がります。髪そのものの保水力が落ちると乾燥してゴワゴワします。椿油は髪の毛の外側から保湿力を高めてくれるので、つげ櫛を毎日使っていると次第に髪質がしっとりと落ち着きます。
手入れするほど櫛も髪も輝く
つげ櫛を使うだけでも静電気が抑えられますが、椿油でお手入れしてやるとどんどんつげ櫛のツヤ出し能力が高まっていきます。使えば使うほど櫛本体が美しくなり、髪もツヤツヤになるなんて素敵ですね。つげ櫛を買うときは椿油も一緒に購入して、最低でも月に1回はメンテナンスしましょう。