はじめに
高度に情報化された現代、デスクワークに従事する人が増えています。VENGA読者の皆さんの中にも1日8時間以上PCとにらめっこしている人が多いのではないでしょうか。
デスクワークばかりだと運動不足におちいるだけでなく、肩こりや腰痛、猫背になってしまうことが多々あります。会社から支給されるデスクや椅子の高さが自分と合っていないことが大きな原因の1つです。
IT企業では仕事道具として身体にいい高級な椅子が支給されることもあります。しかし本当に重要なのはデスクの高さです。女性は男性よりも身長が低い分、気をつかわなくてはいけません。
しかし椅子と違ってデスクは簡単に調節したり交換したりできませんよね。本記事では適切なデスクの高さと、個人的にできるカスタマイズ法をご紹介します。
正しいデスクと椅子の高さとは
人間工学の観点から、身長ごとに正しいデスクと椅子の高さは求められます。デスクの高さとは床から天板の上面まで。椅子の高さとは床から座面までの距離をさします。
デスクの高さ:身長×0.25―1+身長×0.183―1
椅子の高さ:身長×0.25―1
158cmの女性の場合、
デスクの高さ:約66.4cm
椅子の高さ:約38.5cm
……という結果になります。
さらに、これはPCを使わない場合の結果で、キーボードを使うならデスクの高さは5cmほど低いほうがいいでしょう。つまり158cmの女性ならデスクの高さは61~62cmくらいが適切です。
ちなみに170cmの男性の場合、デスクは約71.6cm(66~67cm)、椅子は約41.5cmが適切です。同じ身長でも座高は人それぞれなので、本当はデスクと椅子両方で細かく調整できるのが望ましいのです(が、職場にそこまで求められませんよね)。
JIS規格のデスクは高すぎる
成人用の一般的なデスクの高さは70cmです。これは成人男性にフィットするとしてJIS規格で定められた高さです。しかし定められたのは1971年、つまりPCが普及していなかった時代なので、現代人のライフスタイルにはあいません。
PCに向かうときの正しい姿勢は、膝・腰・肘の3つの関節の角度が90~100°になっている状態です。
特に肘の角度は重要です。力をいれず自然に腕を下ろしてキーボードに触れたときに、肘の曲がり具合が開き気味の直角だと一番肩や背中に負担がかかりません。
158cmの女性だと61~62cm、170cmの男性でも66~67cmの机だと丁度いい具合になりますが、流通しているデスクは70cmが主流なので、そもそも基準が間違っていると言わざるを得ません。最近では65cm程度の低めのPCデスクや、個々人にあわせて高さを変えられるデスクも販売されています。
高すぎるデスクの対策
デスクが高すぎて調節できない場合、椅子の高さを変えて調節することになります。
多少の差ならクッションや座布団で対処できるでしょう。しかし大幅に高さを変えるときは肘の角度だけでなく、足と腰の負担も考えなくてはなりません。
足がきちんと床についていないと、太ももやお尻が痛くなったり、腰痛や猫背、反り腰の原因になります。つま先だけでなく足の裏全体を床につけるために、足置きを利用しましょう。
専用の台でもかまいませんし、雑誌類を積み重ねたものでもかまいません。職場の雰囲気にあわせて用意してくださいね。
まとめ
いくら椅子がよくても、デスクの高さが自分に合っていなければ姿勢が悪くなるのは当たり前のことです。デスクをカスタマイズできない場合は、椅子と踏み台で高さを調節してくださいね。良い姿勢が美しいボディを生み出します。