はじめに
一昔前、「クサい女性」といえば香水をつけすぎた奥様(おばさん)たちでした。バブル期や90年代には香水が流行していたんですよね。今と違って無香料のコスメも少なかったので、授業参観などで女性が集合するとものすごい臭いで鼻が曲がりそうになったものです。
現代でも香水が好きな人はいますが、20世紀終盤と比べると隣にいるのが苦痛なほど臭いがキツい人はかなり減った印象を受けます。「盛る」より「ナチュラル」が流行っていますし、品よくほんのり香らせる方法も広く知られるようになりました。
香水が爽やかな香りに落ち着いていくのとは逆に、最近になって問題視されるようになったキツい臭いがあります。柔軟剤です。柔軟剤も量を守って使うのならいい香りですが、過ぎれば香水と同じく「香害(スメルハラスメント)」の元になってしまいます。
柔軟剤の香りは化学物質
柔軟剤を使うと洗濯物がふんわりと柔らかくなります。ドラッグストアに行くと国内産のものから外国製のものまでさまざまな柔軟剤が並んでいます。
好きなメーカーが決まっている人、様々なメーカーのものを順番に試している人、特にこだわりはなくセール品を買う人……柔軟剤への思い入れも人それぞれですが、たいていの場合、香りで選ぶことが多いのではないでしょうか。(少なくとも、いくらお買い得でも嫌いな香りの製品を選びませんよね)
香り付きの柔軟剤を使って洗濯すると、衣類もふんわりと香るようになります。いい匂いに包まれて暮らすのは幸せですよね。
しかしあなたにとっていい匂いは、必ずしもすべての人にとっていい匂いとは限りません。
そもそも柔軟剤の香りは、自然のものではなく化学物質を合成して作られています。化学物質に対して過敏な体質の人にとっては、強すぎる柔軟剤の香りは吐き気や頭痛を引き起こす「毒」になってしまうのです。
柔軟剤の入れすぎで臭いがキツくなる
化学物質に対するアレルギーがなくても、キツすぎる香りをかぐと具合が悪くなることはままあります。しかし2010年の調査では、メーカーが定めた量を守って柔軟剤を使用している人は少ないことがわかりました。
人間の鼻は同じにおいをかぎ続けると慣れてしまって感じにくくなります。毎日同じ柔軟剤を使っていると、最初のころは感じ取れたほのかな香りがわからなくなってしまいます。
自分でもわかるように量を増やすと、他人にとってはキツすぎる状態になってしまいます。しかし自分では気づくことができません。
メーカーが定めているのは洗濯物の量に対する適量です。最近香りが薄れたと感じても、たいていの場合は錯覚です。使用量を守るように心がけましょう。
メーカーによって香りの強さが違う
柔軟剤の香りがキツくなったのはここ10年程のことで、以前はさほど匂いの強いものは販売されていませんでした。外国製の香りの強いものが輸入されるようになったことで、香り付き柔軟剤ブームが起き、国内メーカーも香りの強い製品を作るようになりました。
近年は香害(スメルハラスメント)や化学物質アレルギーを考慮して、無香料や香りの弱い製品も増え始めましたが、香りの強い柔軟剤の人気はいまだ衰えません。
まとめ
普段何気なく使っている柔軟剤が、人によっては香害(スメルハラスメント)と言うくらい辛く感じられます。自分だけでなく周囲の人のことも考えて、ほどよく香る程度におさえたいですね。メーカーの指示する量は守るようにしましょう。