はじめに
若い女性に多い低血圧。高血圧と違ってただちに命に係わる病気に発展する可能性が少ないため、あまり問題にされることはありませんが、日常生活に不便があると感じている人は少なくないでしょう。
そもそも「低血圧」とはどういう状態をさすのか、低血圧が原因の不調、低血圧を改善する対処法、低血圧の人が気を付けるべきことなどを調べてまとめました。
低血圧とは
血圧とは動脈を流れる血液の圧力のことです。心臓の動きにあわせて変化し、収縮期血圧と拡張期血圧の2種類をはかります。それぞれ最高血圧、最低血圧といい、一般的には「上」「下」などと表現します。
厚生労働省の調査によると、2016年の20代女性の平均血圧は109.3/68mmHg、30代女性の平均血圧は109.9/70.3mmHgです。
年齢を重ねるごとに血圧は自然と高くなっていきます。130/85mmHgを超えると高血圧とされ治療対象になりますが、低血圧には特に基準がなく、生活に支障がある場合のみ治療します。
WHOの定めた基準では、100/60mmHgより低いと低血圧とみなされます。
本態性低血圧
特に病気ではないけれど慢性的に血圧が低いことを「本態性低血圧」といいます。生まれつき血圧が低い人が該当します。筆者も典型的な本態性低血圧で、30歳を超えてもいまだに上が80~90mmHg前後、下はときどき50mmHgを切ります。
起立性低血圧
低血圧による症状が表面化するのは、起立性低血圧が多いようです。立ちくらみですね。医学的には、立ち上がってから3分以内に、上が20mmHgもしくは下が10mmHg以上下がる状態をさします。
誰でも立ちくらみを起こすことはありますが、普段から低血圧の人はただでさえ心臓より上部に血を送る力が弱いので、起立性低血圧を起こしやすいです。
朝起きられない!
高血圧より病気にかかるリスクが少ないとはいえ、血圧は低ければいいというものではありません。もっとも健康的な血圧を「至適血圧」といいます。110~120/70~80mmHgが至適血圧です。
低血圧(本態性低血圧)の人が訴える症状として有名なものは「朝に弱い」でしょう。
リラックスしているとき、人は副交感神経が優位になり、血圧が下がります。つまり睡眠中は昼間よりも血圧が低い状態にあります。目が覚めて交感神経が優位になると自然と血圧が上がるのですが、低血圧の人は上がりません。
意思が弱いわけではなく、血のめぐりがいつまでたってもよくならないのでなかなか起きられないのです。
症状には個人差があるので、低血圧でも起きられる人はいます。しかし日常生活に支障が出るほど朝がつらい場合は、一度病院で診てもらいましょう。筆者の大学時代の知人にとんでもない遅刻魔がいて、卒業すら危ぶまれたのですが、低血圧症の治療をしてからはなんとか日常生活が送れるようになりました。
他にも、上に書きましたが、立ちくらみを起こしやすい人も多いです。筆者の場合、朝は問題ありませんが、小学生のころからしょっちゅう立ちくらみを起こしていました。ヘモグロビン量は正常でも、肝心の血液が脳に届かなければめまいがするのは当然ですね。
生活習慣を改善しよう
本態性低血圧の原因は生まれつきや遺伝、体質です。だからといって改善できないなんてことはありません。規則正しい生活を送り、適度な運動をすることによって低血圧の症状を改善することは十分可能です。逆に不規則な生活を続けると、症状が悪化することもあります。
朝食をとる
寝起きが悪い人にとって朝食を食べるのは難しいことです。時間がありませんし、起きてすぐは気持ち悪くて水を飲むのがやっとということもあるでしょう。
しかし三食きちんととることで、栄養が身体に行きわたり、内臓が動くようになります。少しずつでもいいので胃腸を動かすためにも朝食をとりましょう。内臓が活発になれば、血圧も上がりやすくなります。
十分な睡眠をとる
誰しも睡眠不足は辛いものですが、低血圧の人は特に十分な睡眠をとるようにこころがけるべきです。睡眠が不十分だと自律神経が乱れてしまいます。交感神経が優位になりにく状態が続くと、ますます朝が起きられなくなります。
運動する
筋肉量が少ないと、低血圧・低体温に陥りやすくなります。特に脚、ふくらはぎの筋肉は第2の心臓と呼ばれるほど血流には重要です。適度な運動で筋肉を鍛えると、自然と血流がよくなり、低血圧による立ちくらみ症状が改善されます。
まずは簡単なストレッチから始めましょう。エレベーターの代わりに階段を使うことを心掛けるのもいいですね。
まとめ
朝に弱くていつもフラフラしているあなたは、意思が弱いのではなく、血圧が低いのかもしれません。また低血圧の自覚がある人も、諦めてはいけません。健康的な生活を送るために、規則正しい生活を心掛けましょう。朝の不快感が減れば、毎日がきっと過ごしやすくなりますよ!