はじめに
花曇りで不安定な天気が続いていますが、桜も満開が近づき、空気が春めいていますね。初夏のようなともいわれるくらいポカポカと暖かく、(花粉さえなければ)過ごしやすい季節です。冬の間の運動不足を解消すべく、運動を始めた方も多いのではないでしょうか。
積極的な外出や運動は素晴らしいことですが、気を付けなくてはいけないことがあります。それは紫外線対策です。
いくら日差しが穏やかでも、すでに紫外線の量は増え始めています。日焼けというわかりやすい形で表れないだけで、毎日着実にダメージは蓄積しています。放置しているといつかシミ・そばかす・シワとして表出します。
本記事では紫外線が人体に引き起こす影響や、有効な紫外線対策について解説します。いくつになっても美白美人で居続けるために、紫外線対策は万全にしておきましょう!
紫外線とは
光とは電磁波の一種で、特定の波長の光が目を刺激すると人は「明るい」と感じます。人が感じ取れる光を「可視光線」といい、分解すると波長の長短によって、赤から紫の間のさまざまな色にわかれます。虹のことです。
光の波長の中には人が感じ取れないものもあります。よく耳にするのは「赤外線」「紫外線」ですね。波長が長いと赤色に見え、波長が短いと紫色に見えます。「紫外線」というのは紫よりも波長が短い光のことで、分解すると紫より外側に現れます。
紫外線はUVとも表現します。UltraVioletの略です。太陽光に含まれるUV(紫外線)は波長の長さによって、UVA、UVB、UVCの3種類にわけられます。地球はオゾン層に覆われていますが、UVAとUVBは突き抜けます。地表まで届く紫外線の99%はUVAで、これがわたしたちの身体に影響を与えます。
紫外線が人体に与える影響とは?
紫外線が皮膚にあたると、コラーゲン繊維と弾性繊維にダメージを与え、皮膚の老化を引き起こします。オフィスワーカーに比べて、屋外での仕事が多い方が老けて見える場合が多いのは、紫外線による皮膚の老化が原因です。(※あくまで外見の話です)
地表に多く降り注ぐUVAはメラニン色素の生成を促し、色素沈着を引き起こします。急激な日焼け症状(赤くなる、炎症を起こすなど)はありませんが、皮膚の深部まで到達してダメージが蓄積されるため、シミやシワ、たるみの原因となります。
UVBに晒されると、皮膚が真っ赤になったり炎症を起こしたりといった、酷い日焼け症状を引き起こします。
UVAもUVBも長い目で見ると皮膚がんの原因になります。UVBは早朝や夕方、冬に減少しますが、UVAは1年を通して地表に降り注いでいます。
ちなみに日焼けサロンで照射されているのはUVAです。若いうちは小麦色の肌も「素敵」と評価されるかもしれませんが、引き換えに皮膚の老化が早まっていることはもっと周知されるべきですよね…。
適度な紫外線はビタミンDを生成
紫外線はメラニン色素の生成を促し、皮膚を老化させ、皮膚がんの原因ともなります。悪いことだらけのように思われますが、実は適度な量の紫外線は人が生きていくために必要なんです。
紫外線を受けることで皮膚でビタミンDが生成されます。「くる病」という病気に聞き覚えはありませんか? ビタミンDが欠乏することによって、骨が石灰化してしまう病気です。くる病を発症すると、背骨や手足の骨が湾曲してしまいます。
近年、美白志向が高まったため、日本人にくる病患者が増加しています。特に乳幼児に顕著です。子供の健康な発育には、適度な日差しが必要です。また過度な紫外線対策をしている若い女性にも広まっています。
人種によって皮膚の色が違います。この違いにはちゃんと意味があって、日照が不足しがちな地域に住む人は肌が白く、効率よくビタミンDを生成することができます。白色人種が日光浴を好むのは、健康を維持するために必要だからです。
逆に紫外線が強すぎる地域に住む人の肌は黒く、皮膚がんになりにくい特徴があります。そして私たち日本人は黄色人種ですが、これも日本の緯度に適した肌の色なんです。人種差別は絶対にしてはならないことですが、皮膚の色に差があること自体にはちゃんと意味があるんですね。
日焼け止めや日傘を活用しよう
少し長くなってしまいましたが、本題の紫外線対策です。
日焼け止め
紫外線対策で最も有効なのは日焼け止めを塗ることです。肌が露出している部分は満遍なく塗るようにしましょう。
忘れがちなのが首から胸元にかけてのデコルテ部分です。また化粧下地もUVカット効果のあるものを選んだり、日焼け止めを塗ってからファンデーションを乗せるようにしましょう。
日焼け止めにはSPFやPAといった表記があります。SPFの数値が高くなるほど/PAの+の数が多くなるほど、紫外線をカットする力が強くなります。日常生活ではSPF20もしくはPA++程度で十分です。効果が強いものは夏やスポーツをするときに使います。
長袖を着る
通勤中などは長袖のアウターを羽織るとお肌を紫外線から守れます。ストッキングも紫外線を3割程度カットしてくれます。UVカット効果のあるストッキングも販売されていますし、UVカット効果を与えてくれる洗剤もありますので活用してください。
日傘をさす
美白志向が高まり、紫外線の悪影響が知られるにつれ、ここ10年ほどで日傘の愛用者が増えました。
かつての日傘はフリルたっぷりで、よくも悪くもマダム感(≒おばさんっぽい)が満載でしたが、最近は晴雨兼用だったり装飾が少なかったりと、普段使いしやすいデザインが増えています。
晴雨兼用なら通常の傘を、日傘のみなら折り畳み傘を選ぶとよいでしょう。日傘が市民権を得たとはいえ、周囲の迷惑にならないように気を付けてくださいね。
目の保護も忘れないで!
盲点なのが瞳です。全身しっかり紫外線対策をしているつもりなのに、なぜか焼けてしまったり、目が痛むことはありませんか? 実は瞳からも紫外線は吸収されてしまうんです。
スキーをするときにゴーグルが必須なのは、雪で反射する光から目を守るためです。スポーツ選手はサングラス(アイウェア)をかけていることが多いですよね。
普段からサングラスを使うのは難しいかもしれませんが、紫外線量によって透明度が変わるサングラスもありますし、眼鏡でも多少は効果があります。気になる方はかけるようにしてください。
まとめ
紫外線の中でもUVAは1年中降り注いでいます。紫外線を過度に避けすぎるのもよくないですが、春でも紫外線対策を怠らないことでお肌の老化を防ぐことができます。特に外出する機会が増える人は、日焼け止めを忘れないようにしてくださいね。