はじめに
暖かな日差しと、柔らかな風に春の気配を感じる季節がやってきました。通勤途中に桜の花が咲いているのを見かけると「休日にはお花見にでも行こうかなぁ」なんて計画したくなりますよね。
お花見といえばやっぱりお弁当。日なたぼっこしながら桜の下で食べるお弁当は美味しさも倍増です。なにを作ろうかな? 手軽に作れる。ゴミが出ない。屋外でも簡単に食べられる。できれば見た目も可愛らしいのがいい…。
そんなわがままなリクエストにぴったりなのが稲荷ずしです。この記事では稲荷ずしの豆知識や東西で違うレシピについてご紹介します。
稲荷ずしとは
稲荷ずしはもともと愛知発祥の食べ物で、江戸時代後期頃に関東へ伝わったとされています。
「おいなりさん」「きつね寿司」などと呼ばれることもあり、全国各地にある稲荷神社で、神の使いとされるきつねの好物が油揚げであることがその名の由来になっています。
以前は愛知県から関西にかけて多く食べられていましたが、最近では回転すしやコンビニ、スーパーなどでもよく見かけるようになりました。実は関東と関西では、形も味も違うんです。
関東風稲荷レシピ
関東でよく見かける稲荷ずしは俵型。関西風の稲荷ずしに比べると小さめで、中にはシンプルな白い酢飯を入れます。作り方は以下の通りですが、稲荷ずし用の油揚げや酢飯の素など、市販のものを使っても美味しくできます。
1. 熱湯で油抜きした油揚げを半分に切り、1:1:1の割合でしょうゆとみりん、お砂糖を混ぜ、水を加えて10分ほど煮て好みの濃さに味付けする
2. 固めに炊いたご飯にお酢と砂糖を1:1の割り合いで混ぜ、塩少々で味を整える
3. 軽く絞った油揚げの中に酢飯を適量詰める
関西風稲荷レシピ
関西風の稲荷ずしは関東風よりちょっと大きめ。形も三角形で、まるできつねの耳のような可愛いフォルムをしています。中に詰める酢飯にもゴマやにんじん、椎茸などを入れた、具だくさんでボリュームのあるものが主流です。
1. 油抜きした油揚げを斜め半分に切り、だし汁にしょうゆと砂糖を1:2の割合で加えて10分ほど煮る
2. あらかじめ上記の割合で余分に作った液を沸騰させ、細切りにした椎茸とにんじんを加えて柔らかくなるまで煮たら少し冷ましておく
3. 酢飯に軽く汁気を切った椎茸とにんじん、ゴマを加えて軽く混ぜ、軽く絞った油揚げに詰める
中の具はお好みで高菜や昆布、大葉などを入れても美味しくできます。油揚げを袋状に開くときは、破らないように注意しながら大きく開いておくと酢飯が楽に詰められます。
稲荷ずしと合うおかず
甘い油揚げと酢飯が食欲をそそる稲荷ずしには、ふきやほうれん草のお浸し、だし巻きなどのあっさりとシンプルなおかずがよく合います。ピンク色のかまぼこを添えれば、簡単に彩りのバランスも良くなるのでおすすめです。
特にボリュームのある関西風稲荷ずしなら、おかずはなくてもOK。まだ少し肌寒い春先にはポットにお湯を入れて、カップのにゅうめんやお吸い物、卵スープなどのお汁ものと一緒にいただくと、いっそう美味しく食べられます。
まとめ
俵型のシンプルな関東風稲荷ずしもいいですが、お花見シーズンには、キツネの耳が並んだような見た目で、ボリュームもある関西風の稲荷ずしに挑戦してみてはいかがでしょうか。
ほのかに温かさの残る手作りの稲荷ずしを片手に、春の陽射しと桜の風情をゆっくりと楽しんでくださいね。