はじめに
アメリカやヨーロッパなどへ旅行に行くと、普通にどこにでもあるスーパーにもオーガニック食品が豊富に置いてあり、オーガニック食品しか食べない、という食生活の人でも、ストレスなく買い物ができるようになっています。
海外の人々は、日本よりもオーガニック食品のメリットについて知っているからなのでしょうか。それとも他に、何か理由があるのでしょうか。
オーガニック食品とは
オーガニック食品とはどのように作られているものなのか、そのメリットや、信頼できるオーガニック食品について確認してみましょう。
有機栽培された食品
オーガニックとは日本語で「有機」を意味します。日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会のホームページによると、オーガニックとは
” 農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土地・そこに生物など自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法”
とされており、いわゆる有機栽培や有機農法によって作られた食べ物のことをさしています。
オーガニック食品のメリット
オーガニック食品の大きなメリットとしては、農薬や化学肥料を使用しないことで、体に有害な物質が蓄積されるのを防いで健康を守りつつ、環境にもやさしいという2つが挙げられます。
海外では、食物を口にする人間の健康を守るというメリットと同じくらい、この環境の安全を守る、という点でオーガニック食品を支持する人も多いのです。
信頼できる国内産のオーガニック食品はある?
日本でも信頼できるオーガニック食品を流通させる取り組みはあり、農林水産省では厳しい検査をクリアした食品に貼る「有機JASマーク」という認定制度を設けています。「有機〇〇」や「オーガニックな○○」といった名前で、実際には正しい方法で生産されていない商品と区別する目的があり、海外から輸入された食品にも、基準を満たしていれば有機JASマークを貼ることができます。
日本でオーガニック食品が気軽に買われない理由
オーガニック食品は農薬を使わず、害虫も人の手で駆除するなど、通常の方法で栽培される食品よりも、手間と費用がかかるのは理解できます。それでも海外に比べて、オーガニック食品が気軽に買われない理由について考えてみましょう。
食品全般に対する信頼が厚い
1部の外国人観光客は「日本製」「日本で摂れた食材」はそれだけで価値があり、日本の食品というだけで信頼できるもの、といイメージを持っています。私たちも普通のスーパーで買い物するとき、売られている食材のほとんどに対して、特に疑問を持たずに「おいしそう」と思うものを選んで口にしているのではないでしょうか。
日本で流通している食材はほとんどが一定の基準を満たしていて、特に意識して健康を守ろうとしなくても危ないものはないだろう、という信頼感が海外より強いのかもしれません。
考え方やライフスタイルに抵抗がある
健康や美容によい、という理由だけでオーガニック食品を選んでいる人もいますが、地球環境の改善や家畜の扱いや生命に対するリスペクトといった思想や主義、支持する考え方などからオーガニック食品を選び続けている人もいます。
宗教や思想に多様性がある日本では、こういった考え方に賛同する人の割合が海外よりも低く、特定の思想や主義を支持するのはなんとなく気恥ずかしい、と考える人が多いことも理由にありそうです。
国産のオーガニック食品自体が少ない
日本は農産物の輸入量が世界第1位の輸入大国です。海外から果物や野菜を輸入するには、衛生面や長く保存できる必要があるといった理由から、輸入できるオーガニック食品は限られてきます。もともと国内で生産されている野菜や果物が少ないうえに、更に有機栽培された食材となると、販売される量自体がどうしても少なくなってしまいます。
今後オーガニック食品は増えていく?
オーガニック食品に限らず、ベジタリアン用のメニューやハラルフードなど、特定の食品を食べる人にとって、日本は食べられるものを探すのに苦労する環境といえます。2020年のオリンピックに向けて、今後海外からの旅行客が増えてくることを考えると、オーガニック食品は今よりもっと気軽に買えるようになるのかもしれません。
まとめ
オーガニック食品でなければ危険、とかすべての食品は無添加でなければならない、といった極端な考え方が正しいかはさておき、自分の体の中に入るものを考えて選ぶ、ということは大切なことです。選択肢が増えることはうれしいことですから、メリットの多いオーガニック食品がもっと気軽に買えるように、たまには専門店やスーパーで手に取ってみてはいかがでしょうか。