未婚率が上がると意外な悩みが登場!
平均初婚年齢が上がった現代、30歳を超えた未婚女性は珍しくなくなりました。東京はずば抜けて初婚年齢が高く、都全体でも30歳を超え、23区だけに限ればさらに+1歳程度高くなる傾向にあります。
23区内に住む30代前半の女性の半分程度が独身(未婚)ということになります。
30代の花嫁が当たり前なら、花嫁の有人が30代未婚なのも当たり前です。地味婚が主流になりつつある現代でも、新郎新婦の出身地や家柄によっては立派な披露宴に招待されることはあります。そこで問題になるのが未婚女性の服装です。
上品で華やかなワンピースやスカートタイプのスーツで出席する人がほとんどですが、服装指定(ドレスコード)が「和服」だと悩みますよね。
未婚女性は振袖、既婚女性は留袖。幾つになっても未婚なら振袖を着てもいいのですが、新郎新婦の親戚に(既婚と勘違いされて)「常識のない友人」と思われるのは避けたいですし、自称着物通の着物警察に絡まれたり笑われたりするのも嫌です。
アラサーや30代の未婚女性が振袖を着る場面の対処法をまとめました。
振袖とは~和装のTPO~
結婚披露宴に招待された場合、ドレスコードに合わせて礼装や略礼装を着用します。洋服なら膝丈程度のドレスやワンピース、スカートタイプのスーツを着れば問題ないでしょう。
和装は留袖が第一正装で、洋装と違って昼夜の区別なく着られます。黒留袖、色留袖、振袖は同格です。黒留袖は新郎新婦の親族や仲人、色留袖はそれ以外の既婚女性、振袖は未婚女性や若い女性が着用します。
振袖はもともと体温が高い子供のための服でした。現在に伝わっている「振り」が長い振袖は江戸時代に完成し、だいたい100cm以上あるものが主流となっています。
江戸時代や和装が主流だった時代は、結婚を機に振袖をお直しして袖を短く留めていました。これが「留袖」という名前の由来です。
着物のルール上、未婚女性は何歳でも振袖を着てかまいません。例外は演歌歌手くらいです。しかし歳とともに華やかすぎる振袖を着るのが気恥ずかしくなるのも確かです。ドレスコードに和装が指定されていないのなら、洋装で出席するのが無難だと思います。
オススメは色留袖
ドレスコードに和装が指定されていて、新郎新婦側に「絶対に振袖で来てね」と言われていない場合は、色留袖を着用するという手があります。
色留袖は、黒留袖と違ってカラフルな振袖を留袖にしたものです(もちろん現在流通しているものは、初めから色留袖として作られています)。結婚式においては黒留袖を着用するのは、新郎新婦の親戚や仲人です。それ以外の既婚女性は色留袖を着用します。
色留袖は、振袖と違って未婚/既婚の区別なく誰でも着ることができます。現代に近づくにつれて年齢の高い未婚者が増え、年相応の落ち着きと気品を求める人も増えました。
かつては兄弟姉妹は年齢順に結婚するものでしたが、今はそのような風習も廃れています。新婦の姉や年上の従姉妹が未婚の場合も多く、色留袖のニーズはこういった部分にもあります。
あまり気にしなくていい
そもそも論ですが、TPOにあっているならどんな服を着るのも本人の自由です。さすがにアラフォーともなれば「いくら未婚でも場にふさわしくない」と言われるかもしれませんが、30代前半なら堂々と着てもいいと思います。
また新郎新婦側から「ぜひ振袖で」と希望される場合もあります。新婦がウェディングドレスの白なので、友人たちが振袖だと記念撮影のとき非常に映えます。そういうときは新郎新婦に改めて30代の振袖が(親戚や上司に対して)問題ないか確認したうえで、司会者に「新婦たっての希望で友人の皆様には華やかな装いをしていただきました」など一言言ってもらえるようにお願いしておけば間違いはないでしょう。
どちらかというと30代の和装は柄選びが重要です。成人式の“女の子”が着るような派手な柄なら、色留袖でも眉を顰められるでしょう。振袖にせよ色留袖にせよ、大人っぽさと華やかさ、そして女性らしい色香が大事です。
なにより結婚披露宴の主役は花嫁なので、新婦の希望や好みに沿っていて自分に似合うコーディネートで参加するのが一番です。
時代とともにマナーは変わるもの
インスタグラムが大流行している現在、敢えての和装が求められることがあります。30代の未婚女性なら、大人っぽいたおやかな振袖か、新婦の白を引き立てる艶やかな色留袖をかっこよく着こなしたいですね。