はじめに
春は出会いと別れの季節。4月から新生活を始める予定だという方も多いと思いますが、実は引越し業界に深刻な問題が発生しています。
全日本トラック協会によると、人手不足の影響で引っ越し難民が発生する可能性があるとのこと。特にドライバー不足が深刻なので、荷物を運ぶこと自体が難しくなっているそうです。
物流の現場はすでにパンクしている
2017年、Amazonの当日配達からヤマト運輸(クロネコヤマト)が撤退したことが大きな話題となりました。それに伴い、地元のみをカバーする「デリバリープロバイダ」による配送が増え、遅配も問題になりました。
わたしたちの便利な生活は、巨大な物流網によって支えられています。日本全体の通販利用量は加速度的に増えています。しかしどこの業者も慢性的な人手不足に悩まされています。
引っ越し業者は宅配業者以上に体力が必要なため、人材の流出が深刻です。引っ越し業界では3月は繁忙期にあたるので、短期アルバイトの増員をかけていますが、労力に対して賃金がいいわけではないのでなかなか応募が集まりません。
同じ理由で、宅配業者の引越しプランも混雑することが予想されます。
早めの手配or時期をずらして
引っ越し難民にならないために、すでに日程が決まっている人はなるべく早めに予約するようにしましょう。また予約が埋まっている可能性も高いため、予備日を何日か設けておくと安心です。
近距離の引越しなら、業者に頼まずレンタカーなどを利用して自力で荷物を運ぶのが確実です。免許を持っていない場合は、家族や友人・知人に手伝ってもらえないか訊いてみましょう。
手伝ってもらう場合はガソリン代はもちろん、しっかり謝礼を包むようにしてください(謝礼・お礼については「支払います」という姿勢を見せ、相手と話し合うのがいいと思います)。
引っ越し難民化してしまった人は、生活上絶対に必要なものだけ自力で運び、ピークの過ぎる5月以降に改めて予約を取るしかありません。着替えや寝具は、布団圧縮袋を利用すればスーツケースで運ぶことができます。新居の近く(職場の近くでも可)にコインランドリーがあるか確認しておきましょう。
細々とした生活雑貨はなるべく転居後の街で揃えるようにしましょう。少し高くつくのが難点ですが、いまどきお弁当でも総菜でもなんでも買えるので、炊事道具が揃うまではスーパーとコンビニでしのぐ覚悟が必要です。
また物流のパンクとは関係ありませんが、ネット回線の工事も引っ越しに併せて繁忙期を迎えます。早めに予約するようにしましょう。予約がとれなかったり、日程が合わない場合は、工事日までモバイルルーターを短期レンタルするのがおすすめです。
まとめ
わたしたちの便利な生活の裏側は大変な事態に見舞われています。各社とも待遇を改善して人材を集めようとしていますが、なかなかうまくいっていないようです。
わたしたちにできるのは、再配達の手間を減らすために営業所受け取りを利用したり、宅配ボックスを設置したりすることです。みんなで協力して少しでも現場の負担を減らし、引越し難民も減らしましょう。