はじめに
薬膳は中国の医学に基づいたもので、食材同士の組み合わせや、生薬と食材を組み合わせて作られる料理です。特別なイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。
料理を作るとき、一つの食材しか使わないということはほとんどないですよね。例えば、冷奴の上にはネギやショウガなど何かトッピングしますし、スープの具にもいくつかの食材を組み合わせているとことが多いと思います。
意識していなかったでしょうが、これも薬膳にあたります。そして、この薬膳がダイエットになると話題になっていて、使う食材を意識した料理を食べるだけで1カ月後に-3kg以上の減量に成功した方もいるのだとか。
食べてダイエットできるなんて、こんなにうれしいことはありませんよね。今回は薬膳ダイエットの効果やあなたに合った痩せ体質を作るレシピを紹介します。
薬膳ダイエットの効果
食事によるダイエットの多くはカロリー計算をして、摂取カロリーが消費カロリーを下回ることで痩せられるというものが多いです。置き換えダイエットや単品ダイエットも摂取カロリーを抑えているからこそ、効果があります。
しかし、薬膳ダイエットではカロリーは気にしません。食材の効能によって体のバランスを整え、痩せ体質に繋げることを目的としているため、カロリーよりも効能を意識して食べることが基本です。
薬膳ダイエットを始めると緩やかに減量し、1カ月で-3.4kg、続けるうちに-5kgになった方もいます。急激に痩せるわけではないので、リバウンドもしにくいですね。
また、体の調子も整うので、不調を改善することもできます。むくみや便秘の改善、疲れにくくなったという方もいるそうです。
薬膳ダイエットは体質を知ることから!
薬膳ダイエットでは自分の体質を知ることから始まります。6つの体質の特徴を紹介するので、あなたがどのタイプかをチェックしましょう。項目の多く当てはまるものが、あなたの体質です。
1.気虚(ききょ)
・だるいと感じることが多い
・ちょっとしたことで疲れやすい
・汗をかきやすい
・大した運動もしていないのに、少し動くと息切れする
・風邪をひきやすい
2.気滞(きたい)
・頭がよく痛くなる
・喉に詰まりを感じることがある
・お腹が張りやすく、ガスがよく出る
・胸と脇あたりが苦しく、げっぷが出ることが多い
・無意識にため息をついている
3.血虚(けっきょ)
・ふらつきや立ちくらみすることが多い
・髪がパサつきや抜け毛が気になる
・生理不順である
・熟睡できない
・情緒不安定になることがある
4.於血(おけつ)
・顔色がくすんでいる
・しみ、そばかすがある
・目の下にくまができやすい
・肩こりや頭痛、関節痛が慢性化している
・生理痛がひどい
5.水滞(すいたい)
・痰や唾が出やすい
・むくみやすい
・だるいと感じることが多い
・オイリー肌でニキビができやすい
・太っている
6.陰虚(いんきょ)
・火照っている感じがする
・めまいや耳鳴りをすることがある
・下半身にだるさを感じる
・口や喉が渇きやすい
・寝汗をよくかく
体質別・ダイエット向け薬膳レシピ
どの体質か分かったら、体質に合った食材を摂り入れるようにします。薬膳では旬の食材を摂り入れることでも、体本来のバランスを取り戻すと言われているので、一緒に加えてみてくださいね。
気虚向けレシピ
天日干しの乾物、発酵食品、うなぎや牛肉などスタミナのつくもの、イモ類、豆類などがおすすめです。唐辛子などの刺激の強いものや、体を冷やすものは避けるようにしましょう。
シラスとグリーンピースの卵とじ
1.出汁(200㏄)を煮立て、グリンピース(30g)を入れて中火にかけ、火が通ったら酒(小さじ1)、薄口醤油(小さじ1)で味を整える
2.長芋(50g)をすりおろし、溶き卵(1個)とお好みで山椒の葉を混ぜて合わせておく
3.しらす(40g)を加え、2を加えてふんわりしたらできあがり
気滞向けレシピ
三つ葉やセロリなどの香味野菜、柑橘系などのさっぱりしたもの、アサリやシジミなどの肝臓に良い食材がおすすめです。脂っこいものは避けるようにしましょう。
トマトと大葉の和え物
1.中くらいのトマト(2個)をざく切りにし、大葉8枚を千切りにする
2.ごま油(大さじ1.5)、塩(小さじ1/4)、しょうゆ(小さじ1/2)を混ぜ合わせ、1とあえる
3.冷蔵庫で30分ほどねかせる
血虚向けレシピ
ほうれん草や人参、レバーや肉の赤みなど血を補う食材、ひじきや黒米など黒い食材、ベリー系などの赤い食材がおすすめです。体を冷やすものは避けるようにしましょう。
クコの実・かぼちゃ・ほうれん草のスープ
1.クコの実は水で戻し、ほうれん草は茹でておく
2.だしと南瓜を入れて火にかけ、軟らかくなったら火を弱め、ほうれん草と味噌、酒粕を加えて味を整える
3.トッピングに上からクコの実をのせる
於血向けレシピ
イワシやサバなどの青魚、発酵食品、海藻やごぼう、こんにゃくなど食物繊維の多い食材、にら、青梗菜、ナスなどがおすすめです。脂っこいもの、体を冷やすものは避けるようにしましょう。
ごぼうハンバーグ
1.みじん切りにした玉ねぎはラップをして2分加熱し、ごぼうはささがきにして灰汁をぬく
2.牛ひき肉(200g)に玉ねぎ、しょうゆ少々、卵(1個)、味噌(大さじ1)、砂糖(小さじ1/4)を混ぜ、ごぼうを加えて小判型にする
3.中火で両面を焼く
水滞向けレシピ
食物繊維の多い食材や、あさりやしじみ、ハトムギなどの利尿作用のある食材がおすすめです。脂っこいものや甘いものは避けるようにしましょう。
あさりと冬瓜のスープ
1.あさりは砂抜きし、トマトは湯むきして1cm角に、冬瓜も食べやすい大きさに切る
2.鍋にニンニクを炒め、香りが出たらトマトを炒める
3.あさり、だし汁(300cc)、お好みの量の豆板醤を加えてあさりが開くまで加熱する
陰虚向けレシピ
トマトなど水分の多い食材、山芋やオクラなどのネバネバした食材、梅干しなどの酸味のある食材がおすすめです。刺激の強いものや脂っこいもの、乾物は避けるようにしましょう。
玄米とろろご飯
1.玄米ご飯を炊いておく
2.皮を剥いてすりおろした長芋と、茹でた白きくらげと小口切りにしたオクラを1にのせる
3.出汁醤油を適量かける
まとめ
摂取カロリーを抑えるダイエットとは違い、体質に合った食材を食べるだけの薬膳ダイエット。痩せることはもちろんですが、健康にも効果があるので、良いことだらけです。食事制限の必要はないので、ストレスもたまりません。ゆるーくダイエットしたいという方は、始めてみてはいかがでしょうか。