はじめに
花粉症の完治。ホントに可能ならば、とっても嬉しいですよね。
でも、なにをもって完治というのかも分からないし、「症状が出ない」」のと「治った」はイコールでいいのかすら分かりません。
でもまあ、「症状」が出ないなら、私もそうなりたい!という方は多いはず。
ここではお医者さんが花粉症の完治について述べていることと、民間での情報の両方を、比較を交えて考察したいと思います。
花粉症って完治するの?
そもそも、花粉症は完治するものなのでしょうか?
これについてはお医者さんの意見は大体「何年も症状が出ないというのであれば、完治とみて良いでしょう。」というものです。
考えてみればそうかな?
「以前は花粉のシーズンになると、花粉症の症状が出て辛かったのに、ここ数年、どんなに花粉が多い年でも全く症状が出ません」という人がいたら、「治った」といわれても反対する人はまずいないでしょう。
ただ、再発はあり得るので、予防的な対策は怠らない方がいいのは、皆さん同じですね。
花粉症を完治させる方法
では実際、「治った」という人は何をして治ったのでしょう?
一番代表的なものとしては、次の項目で説明する「舌下免疫療法」による報告です。これについては次項目でたっぷりと触れます。
では、いわゆる治療というスタイルでないケースではどうでしょう?
「年をとったら治った」とか「出産したら治った」という例のお話が相次ぎます。この件についての専門家の見立ては「出産や加齢により、ホルモンバランスが変わったり、体質の変化により免疫機能の働きに変化が起こった」という見方が一般的です。
なので、誰でも出産した人とか、お年寄りなどに当てはまることではなく、いわゆる体質の変化が原因で起きた結果の副産物。出産や加齢に期待するというのは、ちょっと違うみたいですね。
そしてそれらのお話の次に出てくるのは「食生活や生活習慣を変えたら治った」というお話です。
食生活で花粉症を治す!
ダイエットや体調管理の為に油物を減らし、定期的に運動をしたら、花粉症が軽くくなったとか、または全く症状が出なくなったということです。
この辺りに関して一部の医師は「健康的な生活にするというのは、予防医学的な面からも推奨出来るので良いと思うし、改善は望めるかもしれない」という程度の見解ですが、自然療法系の医師や専門家は「特に食事からリノール酸やトランス脂肪酸を減らし、排泄を高めることでアレルギーは防げる」とする意見もあります。また、この辺りの事を徹底することで、他の治療を経なくても完治したという例も実際にあります。
折角なので油について少し触れますと、日本人が一番沢山摂取している油がこのリノール酸。そして無自覚に意外と多く摂取しているのがトランス脂肪酸。
この2つの油はいずれも、アレルギーを促進する油であり、日本人の摂取量は異常とも言える数字になっています。
油には最新の注意を払おう
油の種類で、オメガ3とオメガ6という2種類の名前を聞いたことがある人は多いでしょう。このオメガ3とオメガ6は摂取量の比率が人間の健康にとって大切で、理想の比率はオメガ3が1に対して、オメガ6が2~4ということで、1:2~1:4が良い比率とされています。しかし日本人の現実は1:6~1:50。
理由は日本のキッチンで使われている油の殆どがオメガ6だからです。
念のため挙げておきますと、オメガ6(リノール酸)の油は、ベニバナ油、ひまわり油、コーン油、サラダ油、大豆油、ゴマ油など。
それから、トランス脂肪酸は自然界にはない油で体内では殆ど分解できず蓄積し、血管内に入って細胞膜を脆くします。皮膚や粘膜も弱くなり、様々な悪影響が報告されています。
また、トランス脂肪酸が沢山含まれる代表的なものがマーガリンですが、欧米諸国では既にマーガリンの販売や製造が禁止されています。そして更に多くのトランス脂肪酸を含むのはショートニングであり、トランス脂肪酸大国の日本では、ちょっと外食したり市販品の食べ物を食べればかなりのトランス脂肪酸を摂取することになります。
トランス脂肪酸にご用心!
欧米諸国では既に何年も前からトランス脂肪酸は様々に規制されてきていますが、日本では日本食には殆どトランス脂肪酸が含まれないという理由で、まったく規制されていません。
これらのことを考えると、リノール酸とトランス脂肪酸を控えたら、当然何かいいことがありそうですよね?
そして国が全然規制しない理由が「日本食に含まれるトランス脂肪酸量が殆どない為」であるならば、私たちのトランス脂肪酸に対する対策は意外と簡単で、伝統的な日本食を食べる生活にすれば良いという事になります。
強いて言えば、天ぷらなどの油物のときに、使う油を選ぶ必要はありますが。
花粉症が完治する?舌下免疫療法とは
この「舌下免疫療法」は治療法としては古くからある減感作療法のひとつで、一種の免疫療法(ワクチン)です。
要はアレルゲンを身体に留めて、少しずつ身体を慣れさせるということです。ただし、即効性はなく1~3年がかりで、以前は注射しかなくて、毎月数回の注射を打つ必要があり、結構大変でした。
成功すれば薬などの必要がなくなるので素晴らしいのですが、注射で受ける場合、通院回数が100回以上ということもザラなので、継続がネックですし、現在この治療法を採用している病院もあまりありません。
しかし、近年では経口での治療が広まってきており、この治療に使われるシダトレンという薬が2014年から保険適用になりました。因みにこのシダトレンはスギ花粉の花粉症のみが対象です。対象年齢は12歳以上、妊婦や喘息のある方は受けられないことがありますので、この治療を希望される方は早目に病院で相談した方が良いでしょう。
舌下免疫療法のアレコレ
注射しか選択肢がなかった昔と比較すると、非常に希望の持てる状況ですが、ワクチン治療と同じなので、いろいろ縛りがあります。まず、毎日必ず、一日一回シダトレンを舌下に投与しなければなりません。忘れてはイケないのです。そして、2分程舌下にシダトレンを留め、飲み込んだあと、5分間はうがいや飲食は出来ず、2時間は激しい運動や入浴もNG。
これを最低2年間継続。そして治療開始のタイミングは6月から11月の間。
気になる副作用は痒みなどもある場合も。危険なケースではアナフィラキシーショックのリスクも考えられるので、必ず専門医の指示を受ける必要があります。
これでまったく薬が必要なくなるのは20%程度で、かなり楽になる人までを含めると約80%。
継続さえ出来るなら、試す価値はアリですね。
花粉症を完治させる薬や漢方薬はあるの?
まず、いわゆる薬局や病院で入手する医薬品の中では、完治を視野に入れたものはないようです。
ということは、即効性を望める治療法はなく、病院で入手できる花粉症完治の為の薬は、前項で触れた「減感作療法」で使う「シダトレン」のみという事です。
しかし、前項で触れたとおり、減感作療法は誰でも受けられる訳ではなく、妊婦や喘息の人は受けられない事があります。
では、その受けられない人たちには、もう花粉症完治への道はないのかと言えば、絶対にないと言うことでもないようです。勿論,前々項で述べたとおり、生活習慣や食事を変えるというのもひとつのアプローチです。
そしてそこに付け加えると、より効果が期待できるのが漢方薬による体質改善。
漢方は長期戦!
但し、くれぐれもこれは体質改善による効果を狙うため、やはり長期で考えたい対策です。
実際筆者はここ2年ほど、東洋医学のお医者さんが出してくれる漢方薬のお世話になっていますが、今年は殆ど症状が出ません。
一応花粉の量が多いときにマスクはしましたが、ちょっと目がシバシバしたくらいですね。シーズンの1月前位から花粉対策の漢方薬を出して頂き、しっかり準備したら、相当花粉の量が多くなるまでシーズンに入ったことに気が付きませんでした。
因みに花粉シーズン以外は、そのときの体調に合わせた体質改善用の漢方薬を出してもらっています。
漢方薬は何を飲むかも大事ですが、出来るだけ気楽に相談出来る東洋医学の医師を見つけて、長期で体質改善に望むのが確実だというのが実感です。
代表的な漢方「小青竜湯」
例えば、花粉症向けの漢方薬で、恐らく一番メジャーなのは「小青竜湯」でしょう。
これは薬局でも買えます。しかし、誰にでも効くかは分かりません。以前は筆者も、自分で調べてこの薬を薬局で購入していましたし、それなりに効果を感じていました。しかし、現在、病院で出して頂いているものの方が効果は格段に感じています。なぜでしょうか?
理由は、2つ考えられます。
第一に、「小青竜湯」だけを飲んでいるのではなく、それと併せた別の薬も飲んでいるから。
これは一年をとおして飲んでいる体質改善の薬の他に、このシーズンに筆者が飲んだ方がいい漢方薬も出してもらっているということです。
第二に、一年を通じて体質改善の漢方薬を飲んでいるから。
ひと頃、筆者は体調を崩したことがあり、疲れやすくもなっていたのですが、漢方薬を飲み始めてから、かなり改善しました。
このような点を考えると、「これを飲め」とは言えないのが実情です。
しっかり漢方薬の専門家に相談するか、東洋医学の医師に相談して、長い目で自分の身体に合った対策をしていくというのが大切だと言えます。
まとめ
今回は花粉症の「完治」についてということで、一部の方にとっては夢のようなお話になりそうな話題でした。それだけに、筆者としては極力「無駄な夢」ではなく「より現実的なイメージ」を提供することと、しっかりと、自分の身体と向き合えば、誰にでも完治もしくは改善の可能性があることをお伝えしたいと思って執筆しました。
なので言いたいことが沢山あって、少々文章の量も多くなってしまったのですが、あなたはどのようにお感じになりましたか?
この記事が、あなたの花粉症に対する対処に新しい視点を提供し、今までと違った行動にも繋がったら素敵だと思います。