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初詣の正しい作法とは?意外と知らない日本人のキホン!

はじめに

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日本人なら必ず一度は経験しているであろう初詣。最近は海外向けの情報の中でも紹介内容が充実されてきており、「美しき日本文化」のひとつとも認識されています。

でもちょっと待って!肝心な私たち日本人…意外と何となく習慣化しているだけで、全然ちゃんとした事を知らないんじゃないでしょうか?

今回はこれだけはしっかり押さえておきたい初詣のあれこれを、分かりやすくまとめました。ここでお勉強して、年末年始を縁起良くお過ごしくださいね。

そもそも初詣とは

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「初詣」(または「初詣で」とも書く)とは、年が明けてから初めて神社やお寺等に訪れて神仏などに祈りを捧げること、もしくは参拝を捧げること。要は「年明け最初の参拝」のことです。一年の感謝を捧げたり、新年の平安や無事を祈願します。

初詣が今のようなスタイルになったのは意外と最近で、明治時代中期頃と言われています。

それ以前は大晦日夜の「除夜詣」と元日朝の「元日詣」があり、この「元日詣」だけを行う「初詣」が習慣化しました。

今でも「二年参り」という名前で、「除夜詣」をして一旦帰宅した後、再び出かけて「元日詣」を行うという風習が残っている地域もあります。更に、それよりも昔は「年籠り」(としこもり、としごもり)といいました。

でも、この「年籠り」は、みんなで一緒にお参りに行くというものではなく、大晦日夜から元日朝まで、家長が豊作や家内安全祈願の為に氏神様(先祖代々の守り神)の社に籠るというもの。今の初詣とはちょっとイメージが違いますね。

初詣は神社に行くの?お寺に行くの?

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ここまでお読みになった方の中には「あれ?」と思った方もおいでなのではないでしょうか?そう、初詣に行く先は、神社でもお寺でもいいのです。

もともと日本では、神社とお寺の間に参拝対象としての違いはなく、明治時代初期に「神仏分離」が行われる前までは「神仏習合」による信仰が一般的だったのです。

ですので、初詣はこの「神仏習合」だった頃の、神様仏様を一緒くたに信仰していた風習の名残を伝える行事と言えます。

因みに「神仏習合」とは、「神仏混淆(しんぶつこんこう)」ともいい、日本土着の「神道」と、「日本の仏教(大乗仏教)」更に「祖霊信仰」が一体化して、ひとつの信仰体系として再構成された宗教現象のことです。

家の中に仏壇と神棚があって、どちらにも手を合わせてきた日本人旧来の生活スタイルそのものですね。

また、もともとの「年籠り」では氏神様の社に籠るものでしたし、その後の「元日詣」でも氏神様や恵方に当たる寺社仏閣にお参りするのが一般的だったのですが、明治以降交通機関の発達が手伝い、現在のように有名な寺社に参拝するようになったとする研究者もいます。

また、西日本各地では「初詣」=「三社参り」という形をとる地域も多いようです。これは、氏神様と産土神様(出生地の守護神でその人の一生の守り神)と鎮守神様(住んでいる地域の守り神)の三つの神様にあいさつ回りをするために三社に詣でていた事が起源となる行事で、現在でも特別な信仰心とは関係なく当然の習慣として行われています。

初詣って、やっぱり夜中に行くもの?

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「初詣」は何時から何時の間に行くべきか?…時間帯については、最近はあまり気にしなくなっているようです。

しかし、一番古い起源に遡れば、大晦日の夜から元旦の朝まで氏神様の社に籠るという「年籠り」を参考にするわけで、そう考えると大晦日が明けてから元旦早朝までが本当ということになるのでしょう。

除夜の鐘を聞いてから、寒い夜道をみんなでワイワイと参拝に向かうも良し、しっかり着物でキメて、一年の志を胸に厳かに歩くも良し。

また、寺社仏閣ではかなりの確率で暖かい甘酒やその他の屋台で賑やかな場所もあります。この日ばかりは夜更かしOKなお子さん達もいるでしょうし、良い思い出にもなりますね。

ところで、初詣と初日の出。一度で済ませたいという方もいらしゃいますし、旅行サイトではセットにしての提案も沢山見られます。

ですが、地域によっては「ついで参り」自体を嫌う場合もありますので、気になる方は初詣から一旦帰宅されて、改めて初日の出参りに出かけても良いでしょう。

初日の出というのは、一年で最初の夜明けで「おめでたい」とされているものですが、元々は天皇が元旦に行う儀式である「四方拝」が、庶民の間に現在のような形で「初日の出参り」として広まったものです。

暗いうちに初詣を済ませた場合は、日の出まで時間が余る方もいらっしゃるでしょう。例えば初詣は近所の氏神さまに参拝し、その後敢えて遠出をして初日の出を拝むというのも良いですね。

初詣はいつまでにすればいい?

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最もゆるい定義では、「初詣」はとにかく「新年最初の参拝」ということで、特に決まった期日がないとするケースもあります。なので、極端には1月に行けなくてもOK。

しかし、これではあまりにユル過ぎだということになれば、一般論で定義することになりますので、この場合は基本的には「正月三が日」に参拝することとなります。一方で「1月中なら初詣」とするケースもあります。

また、前述の西日本の「三社参り」では「一日のうちに三社へ詣でなくてはいけない」とか「正月三が日で三社に詣でる」など地域によって違いがありますが、はっきり決まっていない場合も多いです。

参拝の仕方について

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神社でもお寺でも、神仏に新年の参拝を捧げる訳ですから、失礼がないように気を付けましょう。一番大切なのは心持ちです。

普段私たちが忘れてしまっていても、参拝するとき位は敬意を表すことが出来るよう、以下の手順を参考になさって下さい。

神社での参拝
①鳥居の前でまず、服装の乱れを整えてから、一礼。
②手水舎で身を清める。(ひしゃくを右手に持ち左手を清め→左右持ち替えて右手→もう一度持ち替えて左手に水を受けて口を漱ぐ)
③再度左手を清める。
④柄杓を縦にして持ちてに水がかかるようにして、持ちてを清める。
⑤本殿に向かう。
⑥鈴を鳴らす。
⑦二礼二拍手一礼で参拝する。

お寺での参拝
①山門の前で一礼。
②手水舎で手と口をすすぐのは「神社の参拝」と同様。
③(参拝客も可となっているなら)
鐘をつく(参拝前に限る。参拝後につくのは嫌われる。)
④ろうそくとお線香をあげる。
⑤本堂に入りお賽銭を納め、鰐口(金鼓)を鳴らす。
⑥一礼→合掌→祈願→一礼
注意)お寺では柏手を打たないで下さい。

初詣での願い事の仕方って決まっているの?

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初詣はもともと「年籠り」が起源とするところから考えれば、基本的には家内安全や豊作を願うものだったということになります。

ですが、ちょっと神様側に立ってみて下さい。

昨年も何かお願いに来た人が、また今年も来たけど、この人昨年結局どうっだの?的な参拝客が沢山いたら、如何でしょう?相手が人間なら即、礼儀知らずを指摘されるところです。

これでは神様と何らの関係性も築けません。願い事をするなら、それなりにマナーも併せ持ちたいですね。ということで、以下の手順をご参考になさってみてください。

①神様に近況報告をする

まず、手を合わせたら、昨年無事に過ごせたことや、今年も無事に正月が迎えられたことにお礼を述べます。

更に昨年お願いしたことがあったら、それがどのようになったかも報告します。久しぶりにお会いする、地域の長老や自分のメンターへの報告をイメージするといいかもしれません。

②神様にお願いごとをする

願い事は具体的にしましょう。漠然としていると叶ったとしても気づかないことすらあります。

例えば「私は今年、〇〇〇を達成し、△△の状態になりますので、どうぞお力をお貸し下さい」のように宣言を含めたものにすることはおススメです。

ここまで明確に言えるように、この年末、自分を見つめてみることは願望成就にはとても有効な方法です。

そう、ただの他力本願ではなく、しっかり自分と向き合って、その上で神仏とも連携を図るという方法は、有名な経営者などにも実践されている方法ですね。

まとめ

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みんなで集まって楽しく過ごす事も出来れば、気合を入れて新年への気持ちを表す契機にも出来る初詣。どんな過ごし方も本人の気持ちが望むものであればOKですね。

何はともあれ、新年がより充実した年になるよう、今度の初詣がより一層キラキラしたものになったら素敵です。良いお年を!