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秋の落ち葉
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秋冬シーズン・部屋の乾燥対策は「温度」と「相対湿度」に注目

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秋から冬にかけての日本は酷く乾燥します。とくに高温多湿の夏との落差が激しい秋には大勢の人が、乾燥が原因で起こるさまざまな症状(乾燥肌・静電気・風邪など)に悩まされます。なぜ気温が下がると空気は乾燥するのでしょうか。温度と湿度の関係や、相対湿度という考え方についてまとめました。

※この記事は、2019年10月28日に情報を更新しました。

乾燥トラブルが多発する秋冬シーズン

温泉ザル
引用元:https://pixabay.com/ja/

高温多湿の夏とは逆に、秋と冬は空気がカラカラに乾燥する季節です。もっとも乾燥が酷くなるのは冬ですが、乾燥トラブルが噴出しやすいのは夏との落差が激しい10月~11月ごろだといわれています。

気温が下がると乾燥も酷くなることは広く知られています。乾燥肌の人や呼吸器が弱い人にとって乾燥対策の徹底はとても重要なことです。

そもそもなぜ空気が乾燥してしまうのでしょうか? より適切に乾燥対策を行うために、乾燥のメカニズムをみていきましょう。まずは、日本の冬の気象的な特徴を解説します。

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日本は山の多い島国

日本の気候区分
https://ja.wikipedia.org/wiki/日本の気候

日本はユーラシア大陸の東側にある、四方を海に囲まれた火山性の島国です。南北に長く、中央部が山岳地帯になっています。

日本の大半は「温暖湿潤気候」に分類されています。しかし太平洋と大陸の両方から影響を受けるので、年間降水量が世界平均の2倍以上と多めで、夏の気温に比べて冬の気温がかなり低くなる特徴があります。そのため他国よりも四季がはっきりしています。

さらに地理的条件が複雑なため、実際の気候は地域ごとに差があります。本州に限っても山口県と青森県の平均気温は違いますし、日本海側と太平洋側では雨・雪の降り方が違います。

冬型の気圧配置「西高東低」とは?

天気(気象状態)は気圧の差によって変わります。気象病(低気圧が原因の体調不良)が広く知られるようになった近年では、天気より気圧の変化に注意を向ける人も増えています。

冬になるとよく天気予報で耳にする「西高東低」とは、西側に高気圧、東側に低気圧がある状態をさします。冬になるとユーラシア大陸で冷たくて乾いたシベリア高気圧が大きく発達するため、日本では西高東低が典型的な冬型の気圧配置とされます。

空気のかたまりは気圧の高い場所から低い場所にむかって移動します。冬に北風(冷たく乾いた季節風)が吹くのは、大陸の北緯が高い場所にシベリア高気圧が居座っているからです。逆に夏は太平洋高気圧が発達するため南風が吹きます。

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日本海側は大雪、太平洋側は乾燥

シベリア高気圧によって次々押し出される冷たくて乾いた季節風は、大気の低い場所を移動します。日本海上空を通過するときに水蒸気をたっぷり蓄え、冷たくて湿った季節風に変化します。

やがて日本海側に上陸した冷たくて湿った季節風は、日本列島の中央部にある山々にぶつかります。山肌にそって上昇する空気は次第に冷えていき、含み切れなくなった水蒸気は雪雲に変化します。日本海側に大雪が降るのはこのためです。

こうして水分を失った空気は、山頂を超えるころにはカラカラに乾燥します。太平洋側に乾いた風(からっ風)が吹きつけるのはこのためです。

東京は乾燥の街!? 月別の平均湿度は?

ドライヤー(強風)
引用元:https://pixabay.com/ja/

日本海側は大雪が降り、太平洋側はカラカラに乾燥するのは、日本列島の中央部に山岳地帯があるからだとわかりました。太平洋側に位置する東京が冬になると乾燥が酷くなるのも納得できますね。

気象庁によると、東京の年平均湿度は約65%です。夏と秋冬ではどのくらい湿度に差があるのでしょうか。月ごとの平均湿度を見てみましょう。

【東京】月別の平均湿度

次の表は1981年~2010年の30年間の、東京の月ごとの平均湿度をまとめたものです。

相対湿度(%)
1月52%
2月53%
3月56%
4月62%
5月69%
6月75%
7月77%
8月73%
9月75%
10月68%
11月65%
12月56%
年平均65%

1年で最も湿度が高いのは7月(77%)、最も低いのは1月(52%)。60%以下の月は、12月~3月の4ヶ月だけで、50%未満の月はありません。

予想よりも差がないと思いませんか? 1月2月はたしかに低めですが、体感よりは高く感じますよね。

数値と感覚のズレにはちゃんとした理由があります。上のデータはあくまで月ごとの平均湿度であって、1日の中での湿度の変化まではわからないからです。

温度によって「相対湿度」は変化する

毎日の天気予報では最高気温と最低気温が発表されます。よく晴れた日なら1日のうちで10℃以上変化することもありますし、逆に1日中雨なら気温がほとんど変化しないこともあります。

同じように湿度も1日のうちで変化します。一般的に湿度は、気温が低い朝や夜に高くなり、気温が高い昼間は低くなります。

温度によって変化する湿度のことを「相対湿度」といいます。一般的に天気予報に用いられているのは相対湿度です。

最低湿度は砂漠並!?

気象庁では、日最小相対湿度(1日のうちの最低湿度)のランキングも発表されています。上位3つは以下の通り。

年月日日最小相対湿度(%)
2003年2月28日6%
1963年1月24日6%
2014年4月12日8%

湿度10㎥未満ともなれば砂漠と同じくらい乾燥しているといえます。さすがに毎日ここまで乾燥するわけではありませんが、1日の平均湿度が50%強なら、最低湿度(最小湿度)が30%程度でも不思議はありません。

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湿度と温度と相対湿度

天秤とクエスチョンマーク
引用元:https://pixabay.com/ja/

より効果的な乾燥対策を取るためには、相対湿度、つまり湿度と温度の関係に着目する必要があります。そもそも「湿度」とはなにをさしているのでしょうか?

湿度とは?

湿度は、空気(大気)が湿っている度合いを表しています。空気は水蒸気という形で水分を含むのですが、気温によって含むことができる水蒸気の最大量が変化するという特徴があります。

空気が含むことができる水蒸気の最大量を「飽和水蒸気量」といいます。

飽和水蒸気量
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/飽和水蒸気量

気温が高いほど飽和水蒸気量は加速度的に増えます。増え方が一定ではないところがポイントです。

相対湿度:空気中の水蒸気の割合

相対湿度は、飽和水蒸気量に対して、実際に含まれている水蒸気量の割合を表しています。単位は%、計算方法は以下の通りです。

相対湿度(%)=実際の水蒸気量÷飽和水蒸気量×100%

基準となる「飽和水蒸気量」が気温によって相対的に変化するため、”相対湿度”といいます。

絶対湿度:実際の水蒸気の量や割合

逆に、絶対湿度は変化しない基準をもとにして求める湿度です。いくつか種類があって、日本では主に「重量絶対湿度(混合比)」という考え方が採用されています。

重量絶対湿度では、「乾き空気」「湿り空気」という考え方を用います。

乾き空気:水蒸気を一切含まない空気
湿り空気:水蒸気を含む空気。乾き空気+水蒸気

私たちの周りにある一般的な空気は、湿り空気です。重量絶対湿度は、乾き空気1kgに対する水蒸気の重さの割合を表します。

海外では「容積絶対湿度」が用いられ、湿り空気1立方メートルあたりに含まれる水蒸気の量(重さ)を表します。

少しややこしいのですが、相対湿度は気温に左右され、絶対湿度は気温に左右されないと覚えてください。

季節と相対湿度の関係

デジタル湿度計
引用元:https://pixabay.com/ja/

私たちが快適に眠れる湿度は50%~60%だといわれています。これはちょっと変ですよね。東京で湿度が50%~60%の範囲におさまる月は、乾燥トラブルが多発する12月~3月だけです。とても快適とは思えません。

快適さには湿度だけでなく温度も深く関係しています。「不快指数ってなに? 温度と湿度の関係を理解して過ごしやすい環境を作ろう」という記事でも解説した通り、日本の夏が過ごしにくいのは気温に対して湿度が高すぎるからです。

気温が同じでも湿度次第で体感温度が変わるように、相対湿度が同じでも気温が違えば乾燥度合いの実感は変わります。

相対湿度と水分量は等しくない

繰り返しになりますが、相対湿度は気温次第で変わります。気温によって基準となる飽和水蒸気量が変わるからです。逆に考えると相対湿度が同じでも気温が違えば、空気中に実際に含まれている水蒸気の量は変わるということです。

相対湿度50%で、気温が30℃と10℃の場合を比べてみましょう

気温飽和水蒸気量相対湿度空気中の水蒸気量
30℃30.3g/㎥50%15.15g/㎥
10℃9.39g/㎥50%4.695g/㎥

気温30℃/湿度50%の場合、空気1立方メートルあたり15.15gの水蒸気が含まれています。それに対して、気温10℃/湿度50%の場合、空気1立方メートルあたり4.695gしか水蒸気が含まれていません。

見た目上の湿度が同じでも実際の水分量が違うから、冬は乾燥トラブルが多発するのです。

加湿するだけではダメ

寒い季節は加湿に気を遣っている人も多いですよね。しかし気温10℃の場合、かりに湿度が100%であっても空気中の水蒸気量は9.39gが限界です。それ以上の水蒸気は飽和して含み切れません。

つまり加湿だけ頑張っても根本的な乾燥対策にはなりません。気温を上げ、飽和水蒸気量を増やすことではじめて加湿の効果が出るのです。

エアコンと加湿器・乾燥対策アイテムを併用する

エアコンをつける少女
引用元:https://www.photo-ac.com/

私たちが快適と感じる(快適に眠れる)条件は以下の通りです。

季節温度湿度
25℃~28℃55%~65%
18℃~22℃45%~60%

「室温25℃、湿度50%~60%」が一番の理想ですが、室外との落差が大きすぎると体調不良の原因になるため夏と冬では基準が違います。

室温を上げる

簡単にできる室内乾燥対策の1つに洗濯物の室内干しがあります。しかし実際に室内干しするとなかなか乾かずイヤな臭いがついたうえ、部屋の乾燥も改善されなかったという経験はありませんか? それは室温が低すぎることが原因です。

部屋全体を加湿したいならまずは室温を上げましょう。暖められた空気は上昇する性質があるので、エアコンを使うときはサーキュレータや小型扇風機で空気の流れを作ると効率がよくなります。

加湿する

部屋全体を加湿するなら畳数に応じたサイズの加湿器を使うのが一番です。湿気は空気の冷たい部分や部屋のすみにたまりやすいので、やはりサーキュレータを併用したいですね。

洗濯物を室内干しする場合も、エアコンの温風があたる場所に干したり、サーキュレータ・扇風機で物干し場に風を送ったりしましょう。バスタオルのような布地面積の大きいものは、風のあたる面積を増やすように干し方を工夫してみてください。

また、自分の周囲をピンポイントで加湿することも大切です。水入りの容器やポータブル加湿器を卓上に置くことで一定の潤いが保てます。逆にスプレータイプの化粧水の使い過ぎは、かえって乾燥肌を悪化させるので注意が必要です。

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結露対策も忘れずに!

結露
引用元:https://pixabay.com/ja/

暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降します。エアコンはたいてい天井近くについているため、風向きを調整しても、どうしても部屋の上の方ばかり暖まってしまいがちです。

また外気に近い場所は暖まりにくいです。外気に触れている窓ガラスは素材的にも常にひんやりとしています。また築年数が古い部屋では壁も断熱効果が低いことが多いです。同じ室内でも日が当たる場所とそうでない場所では差がでます。

急激に空気が冷えると結露ができる

空気が冷えると飽和水蒸気量も減ります。エアコンと加湿器で暖かく湿った空気が、窓や壁などに触れると急激に冷えます。含み切れなくなった水蒸気は結露になります。

結露対策①:サーキュレータ

繰り返しになりますが、サーキュレータや小型扇風機で空気を循環させることで室温を一定に保つことができます。動いている空気は冷たい窓や壁の影響をあまり受けません。

短時間で部屋全体を満遍なく暖められるので、電気代の節約にもなります。これは冷房も同じですね。

結露対策②:断熱シート+厚手のカーテン

常に外気に触れている窓ガラスはもっとも結露を起こしやすい建材です。断熱シートを貼ると外気の冷たさが窓ガラスに伝わりにくくなります。

また厚手のカーテンも断熱効果が高く、暖かい室温が窓に触れにくくなります。

賃貸では窓ガラスやサッシを断熱素材に替えるのは難しいと思います。結露ができやすい場所を把握しておき、ピンポイントで湿気取りを置いたり、こまめに拭いたりすることも重要です。

結露対策③:加湿器を部屋の中央に

加湿器はできるだけ壁や窓から離れた場所においてください。水蒸気が窓や壁にあたると結露ができやすくなり、加湿効果も減ります。

また自分の近く(テーブルやデスクのそば)に加湿器を設置するのもNGです。水蒸気を直接浴びるということは、お肌が常にお風呂上りと似たような状態におかれるということです。保湿しているつもりで乾燥を促進してしまいます。

加湿器は窓と自分から離れた場所に置き、サーキュレータで部屋全体に空気の流れを作りましょう。デスク周囲の加湿は卓上加湿器をプラスすれば十分です。

湿度と温度、乾燥対策ではどちらも重要!

しずくが落ちる
引用元:https://pixabay.com/ja/

日本の秋冬シーズンは、気象的な条件と物理的な条件が重なるため非常に乾燥します。とくに東京を含む太平洋側の地域に吹く、冷たく乾燥した風は人の手では防ぐことができません。夏の暑さに対して冬が非常に寒くなるのも日本の地理的な特徴です。

地球温暖化が進んだ21世紀は、かつてより異常気象が増えています。夏はますます高温多湿になり、冬も寒さも厳しくなっていくと考えられています。夏と冬の落差が広がれば、乾燥トラブルも目立ちやすくなるでしょう。

部屋の乾燥対策を徹底することで保湿ケアも正しく効果を発揮します。乾燥から美容と健康を守るためにも、湿度と温度の両方に気を配ってください。

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VENGA編集部
VENGA編集部です。コンプレックスを持つ女性に寄り添う記事をお届けします。

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