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【2019年】韓国ではPM2.5の観測量が過去最多に! 花粉飛散期間の長さと合わせて要警戒

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2019年3月5日、韓国の首都ソウルでPM2.5の濃度が観測史上最悪を記録したと話題になっています。韓国では「中国が原因だ」という意見が多数派ですが、実際に影響を受けている度合いは不明です。いずれにせよ中韓で発生したPM2.5は海を越えて日本に到達するので、日本人も例年以上に注意する必要があります。

韓国でPM2.5の観測量が史上最多に

韓国都市部の大気汚染
引用元:https://pixabay.com/ja/

2019年3月5日(火)、韓国・ソウルではPM2.5濃度が史上最悪の「150マイクログラム/㎥」を記録しました。これは同時刻の東京の10倍にも及ぶ数値であり、日本で不要不急の外出を控えるべきとされる基準(70マイクログラム)を2倍以上上回っています。

PM2.5とはサイズが2.5マイクロメートル(0.0025ミリ)以下の大気汚染物質全般のことです。春になると中国から偏西風に乗って黄砂とともに東側へ飛来・拡散します。

朝鮮半島および韓国は中国のすぐ東隣に位置するので、毎年黄砂とPM2.5の被害を強く受けることになります。史上最悪の数値が出た現在、韓国国内で中国を非難する声が高まっていますが、実はこれまでとは違ってPM2.5の発生源が中国であると断定できなくなっています。

原因がなんであれ、韓国を襲ったPM2.5はやがて海を越えて日本にも到達します。

最も被害が大きいのは九州ですが、東京にもPM2.5はやってきます。2019年春シーズンの東京は花粉の飛散期間が例年よりずっと長くなると予測されているため、体力が低下している方や呼吸器が弱い方は特に注意が必要です。

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大気汚染が改善する中国、悪化する韓国

車の排気筒
引用元:https://pixabay.com/ja/

中国から飛来するPM2.5が強く問題視されるようになったのは今からおよそ20年前、2000年ごろのことです。ちょうどそのころから中国は高度経済成長期に突入し、今日にいたるまで目覚ましい発展を遂げました。

PM2.5というのは超微小な大気汚染物質です。大気汚染は経済成長と密接に結びついていて、古くはイギリスの産業革命にまでさかのぼります。

かつては日本も公害に苦しめられた

学生時代、社会(公民)の授業で「四大公害病」について学んだと思います。日本の高度経済成長期(1950年代後半~70年代)に発生した被害の大きい公害のことで、そのうちの1つに「四日市ぜんそく」があります。

四日市ぜんそくの原因は、愛知県四日市市の工業地域(四日市コンビナート)から排出された有害物質でした。当時は排ガスへの規制や有害物質がもたらす影響の知識が不十分であり、また、環境・人体への配慮より経済成長が優先されていました。

環境への配慮が進み始めた中国

90年代末~00年代にかけて、中国はかつての日本と同じ道をたどりました。次々と工場が建設されましたし、自動車やスクーターに乗る人が増えました。都市部は常にスモッグに沈むようになりました。

転機が訪れたのは、2008年の北京オリンピックです。海外から選手や観光客を迎えるにあたり交通規制を徹底し、一時的であれ北京に青空を取り戻しました。

韓国都市部の環境が悪化している

これまでは高度経済成長期を迎えた中国がPM2.5の発生源であることは間違いありませんでした。しかし2019年3月の、ソウルの高濃度PM2.5は必ずしも中国だけが原因とは限らないのではないかという意見が出ています。

というのも調査によると、中国国内の大気の質は徐々に改善傾向にあるからです。習近平体制の元、石炭燃料やディーゼル車両を減らす政策が都市部を中心に徹底されています。まだ中国全土の環境が改善されたわけではありませんが、状況が良くなっていることは間違いありません。

一方で韓国は自動車(ディーゼル車)からの排ガスが増加していることが指摘されています。直近のPM2.5濃度の上昇は中国からの影響があると見られていますが、これまでのように中国だけが悪いとは言い切れない状態です。

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大陸から黄砂とPM2.5が飛来する春

アジアの朝もや
引用元:https://pixabay.com/ja/

【2018年】黄砂の飛散は東へ拡大中! PM2.5による汚染にも注意」の記事で解説しましたが、北緯30~60度付近の上空には「偏西風」という強い風が吹いています。中国で上空に巻き上げられた黄砂とPM2.5は偏西風に乗って韓国や日本に飛んできます。

偏西風は西から東に向かって吹くので、中韓両方のPM2.5が減少しない限り日本にも悪影響は続きます。東アジア全体で環境対策に取り組むのが理想ですが、日韓関係・米中関係が悪化している現状では難しいでしょう。

韓国では人工降雨で大気中のPM2.5を減らす実験が行われましたが、残念ながら期待する効果は得られませんでした。

PM2.5は発生源から近いほど影響が大きくなります。韓国のPM2.5濃度が高いということは、日本でも例年以上の濃度になる可能性が高いということです。

天気予報や花粉情報に注目し、PM2.5の濃度が高い日は外出を控えるようにしましょう。

花粉症じゃなくてもマスクが必要かも

PM2.5対応フィルターマスク
引用元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00OY1NQ3Y/

PM2.5は通常の花粉用マスクでは防げません。ガーゼやマスクの布地の目よりもPM2.5の方が圧倒的に小さいからです。

しかしマスク着用にも一定の効果は見込めます。PM2.5の多くは黄砂や花粉などより大きな粒子に付着しているので、そういった物質を遮断するだけでも身体への悪影響が抑えられるのです。

アレルギー体質の方や呼吸器が弱い方、喘息の方は必要以上にPM2.5を吸い込まないようマスクを付けましょう。また現在花粉症でない方も体内に蓄積するPM2.5の量を減らすことができます。

PM2.5にも対応しているマスクも販売されていますが、マスクの目が細かすぎて着用すると呼吸がしづらくなります。苦しくて中途半端に外してしまうくらいなら、普通の花粉症用マスクを使う方がましです。すでに喘息と診断されている方はかかりつけの医師に相談してみてください。

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VENGA編集部
VENGA編集部です。コンプレックスを持つ女性に寄り添う記事をお届けします。

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