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猛暑なのにままならぬ! 冷房にあたりすぎるとダルくなる人はどうすればいいの?

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公立の小中高に通う児童生徒が次々に倒れ、クーラーの設置が声高に叫ばれています。確かに近年の暑すぎる夏をクーラー無しで乗り切るのは難しいですが、かといってクーラーの風に当たりすぎると具合が悪くなる人もいますよね。猛暑の中でクーラーとほどよく付き合っていくにはどうすればいいのでしょうか。

はじめに

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クーラーの設定温度は揉め事の元です。寒がりの内勤の女性が温度を上げ、筋肉質で暑がりの男性が温度を下げ、ホットフラッシュに悩むお局様が下げ、影の薄い誰かさんが元に戻す……このような戦いは、たぶんどこでもあることでしょう。

これまで日本では特に根拠もなく「冷房は28℃がいい」と言われていました。これは間違いで、実際にはもっと低く設定した方がいいようです。というのも28℃に設定しても実際には28℃まで下がらないからです。多湿の環境では不快指数が高くなるので、除湿するか室温を下げないと、体感温度はいつまで経っても高いままです。

2018年は圧倒的な猛暑のため、室温を下げたい派の声が大きくなっています。命にかかわることですので反対はしません。でも、寒がりさんや、クーラーに当たり続けるとダルくなる人にとっては死活問題ですよね。この暑さの中では「寒いです」と言いづらいですものね。

クーラーにあたるとダルくなる人がいる理由や、クーラーとの程よい付き合い方を解説します。

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「暑がり」と「寒がり」の違い

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一般的に男性と女性を比べると、男性の方が暑がりで、女性の方が寒がりな傾向があります。これには体格と筋肉量の差が関係しています。そして出身地(子供のころに長く住んでいた土地)によって暑さ寒さへの耐性は違います。

大きい人は暑がり傾向

身体が大きい人は寒さに強く暑がりです。身体の体積に対して、皮膚の面積(表面積)の割合が小さいほど熱をためやすく、大きいほど熱を発散しやすいのです。人も含めて寒い土地の動物ほど身体が大きく、暑い土地は小さいのが一般的です。

猫を思い浮かべてみてください。寒い日は丸まっていて、暑い日は伸びていますよね。身体のサイズが同じでも、空気と触れる面積を増減させることで体温調節をはかっているのです。

人間の場合、男女で比べると平均的に大柄な男性の方が暑がりが多いです。また人種的に小柄な日本人より、大柄な欧米系の人の方が暑がりです。

筋肉が代謝を上げ熱をうむ

現代人の筋肉量は昔の人に比べて減っています。大人も子供も運動不足なのです。筋肉が多いと代謝が上がり、熱を作り出す力が高まります。逆に筋肉量が少ない現代女性の多くは冷え性に悩まされています。

筋肉質の男性が暑苦しく感じられるのは気のせいではありません。実際彼らの熱放射量は半端ないはずです。逆におデブさんは、暑がっているうちはサウナにいるかのように暑がるのに、いったん身体が冷えると寒がりに急変します。

冷え性の人はたいてい暑さにも寒さにも弱いです。夏はバテ、冬は風邪を引きます。面倒くさいことこの上ないのですが(笑)20~30代の女性に多い体質です。運動不足を解消し、汗をかく習慣をつけることで徐々に代謝が上がります。

あまりにも寒がりの人は、自身の運動量と基礎代謝を見直すことをオススメします。

南国育ちは寒さに弱い?

東京には日本全国から人が集まっています。出身地と東京の気候が違う人も大勢いるでしょう。生まれ育った場所の気候や、両親からの遺伝も、「暑がり」「寒がり」に影響を与えます。

極端な例ですが、筆者の知人の沖縄人は毎月遊びにくるほど東京が好きです。でも「東京は寒すぎて住めない」と言っています。彼は冬になると室内でもコートを脱ぎません。

こういうことは誰にでもあるでしょう。筆者は瀬戸内海に面した温暖な土地の涼しい田舎で生まれ育ったので、都心部独特の風の吹かない蒸し暑さは非常に堪えます。運動不足なので寒がりでもありますが、暑さの方が苦手です……と2018年の冬までは思っていました。

地元民の中では「寒さに強く、暑さに弱い」タイプだったのですが、実際には「寒さに強く、暑さに弱いが、3℃以下では動けなくなる」というのが正解でした。たぶん北国出身だったら、耐えられる寒さの下限が下がると思います。

夏生まれは夏が好き、冬生まれは冬が好き

必ずしも全員がそうとは限りませんが、夏生まれは夏が好きで、冬生まれは冬が好きな傾向にあります。誕生日プレゼントを貰える月が好きになるというわけではありません。

夏生まれの赤ちゃんは生まれてすぐに汗を大量にかくので汗腺が発達しやすく、暑さに強くなります。冬生まれの赤ちゃんは汗をかく機会がしばらくない上に、新生児のころは暖かく保護されるので、暑さに弱くなると考えられています。

筆者の周囲ではこの説に当てはまる人が多めです。滅多に降らない雪が降る直前に生まれた筆者は(地元民の中では)寒さに強く、残暑厳しい9月生まれの弟は、夏はスポーツマンで冬はこたつむりになります。

ダルさの原因はクーラーではなく寒暖差

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「クーラーをつけると怠くてたまらない」という人は一定数います。クーラーでダルくなる症状を俗に「冷房病」と言いますが、実際にはクーラーの風が身体にあたるのが原因ではありません。

体温調節を行っているのは自律神経です。あまりにも急激に外界からの刺激が変化すると、自律神経のバランスが乱れてしまいます。現代人は蒸し暑い外とクーラーの効いた室内を行き来します。自然界ではありえない現象です。クーラーに弱い人は、急激な寒暖差で自律神経が乱れやすい人です。

お年寄りや根性論者が「最近の若者はクーラーのせいで軟弱になった」というのも、実は一理あります。昔はさほど暑くなかったしクーラーが普及していなかったので、現代のような寒暖差を経験することはあまりなかったでしょう。

もっとも「クーラーのせいで軟弱になった」のではなく、クーラーをつけないと命を落とすくらい都市部が暑くなったというのが正しい考え方ですし、自律神経を鍛えたりクーラーに慣れれば冷房病も収まっていきます。さしあたって運動不足を解消するのが先決です。

職場での設定温度合戦はもうやめよう

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毎年不毛なクーラーの温度合戦が繰り広げられる職場もありますよね。幸い筆者は経験したことがありません。「寒い人は重ね着で対処できるけど、暑い人は裸になることができない」という考え方なので、基本的に暑がっている人にリモコンはお任せしているからです。

上着やひざかけを用意する

すでにやってる、と言われそうですが、クーラーで冷えてしまう人は上着やひざかけを用意してください。上にも書いた通り、暑がりの人は「半袖シャツとハーフパンツ」が限界です。寒がりの人は極論を言えば冬の格好もできますよね。

服だけで体温調節が難しい場合は、使い捨てカイロも使いましょう。冬の間にまとめ買いしておくといいですね。1年を通じて生理痛を緩和させるのにも使えます。

席替えしてもらう

座席の位置によってクーラーの効き具合が違う場合があります。暑がりは涼しい場所、寒がりは暑めの場所に移動すれば解決することが多いです。同じフロアで暑がりと寒がりが派閥を作るようなら、席替えを提案してみるのもいいと思います。

扇風機やサーキュレーターで空気を混ぜる

無風の状態より空気が移動している状態の方が涼しく感じます。クーラーを26℃に設定すると、センサーが26℃になったと判断するまで冷たい風が出続けます。クーラー直撃の人は寒くなりますし、クーラーが届かない席の人はいつまでも暑いままです。

席替えができない場合でも、扇風機やサーキュレーターを使ってオフィスの空気に流れを作ってやれば、設定温度をさほど下げなくても全員が納得できる涼しさになる可能性が高いです。

一気に冷やしてから除湿に切り替える

気温が上がれば上がるほど、空気中に含むことができる水蒸気の量が増えます。そして湿度が高いと体感温度も上がり、低いと下がります。この性質をうまく利用しましょう。

まずは設定温度を思い切って下げて、部屋全体を冷やします。室温が下がるにつれて空気中に含める水蒸気の限界(飽和水蒸気量)に近づきます。夜間が蒸すのは、気温が下がった分湿度が上がるからです。

室温がある程度下がったら、除湿に切り替えます。除湿にすると外気温の影響で室温はちょっとずつ上がっていきますが、それよりも早く余分な湿気が外に排出されます。

しばらく除湿を続けていると、程よい気温・過ごしやすい湿度になるので、そのあとはまたクーラーに切り替えましょう。湿度は急激には変わらないので設定温度を多少上げても涼しいままです。

まとめ

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いかがでしたか?猛暑で暑がっている人に、クーラーの温度を上げて欲しいとは言いづらいですよね。暑がりさんはこれ以上対処法が無い状態ですから、寒がりさんが工夫してあげる方が、全員がイライラせずに済むと思います。体調を崩さない範囲で譲り合いたいですね。

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VENGA編集部
VENGA編集部です。コンプレックスを持つ女性に寄り添う記事をお届けします。

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